Suica・PASMO・ICOCA
JR東日本では4種類のICカードを使うことができます。JR東日本・東京臨海高速鉄道・東京モノレールの「Suica」*1、関東私鉄・バス各社の「PASMO」、JR西日本の「ICOCA」、JR東海の「TOICA」。そのうち、電子マネーとして使用できるのはTOICA以外の3種類*2ですが、ICOCAは店によって使えないところがあります*3。ちなみに鉄道博物館のチケットにもなりますがこれはまた後日。
Suicaには3種類あり、無記名の「Suicaカード(旧・Suicaイオカード)」、名前と電話番号を記録して使う「My Suica」、もう一つは言うまでもありませんが定期券。My SuicaとSuica定期券は個人情報が記録されているので、なくしても所定の手数料を払うと再発行できます。子供用があるのはMy Suicaで、これは12歳を過ぎると大人運賃になるため、12歳を過ぎると使えなくできるよう生年月日を記録しないといけないためです。「こどもICOCA」でも同じような処理はされています。
秋葉原で朝食をとった後、「支払はICOCAで」などというと、店員が目を白黒させていました。
ちなみに、使用履歴は使用したエリアでないときちんと駅名が出ません。JR東日本の券売機では、ICOCAエリアでの使用履歴には駅名ではなく「JR西日本(もしくは利用した会社。実際に「南海電鉄」や「大阪市交」が出てきた)」としか出ません。
Suicaといえばあのペンギンが浮かんでくるのですが、JR西日本が「カモノハシのイコちゃん」グッズを大量に売り出しているのと同様にSuicaのペンギングッズもあります。また、現在発行されている通常版のSuica(JR東日本発行分)にはペンギンが描かれています。
普通列車にグリーン車
関西ではもともと普通車のレベルが高いことや、需要がない*4ために考えられないのですが、首都圏では以下の路線にグリーン車が連結されています。
211系までは平屋だったのですが、当時あまりに乗客が多くなってきたため、座席数を増やすべく2階建て車(サロ212・サロ213)を投入、オール2階建ての215系以降はすべて2階建てに統一されました。宇都宮線・高崎線の211系では平屋と2階建てが1両ずつ組み込まれた編成がありますが、東海道線の211系・215系・E217系・E231系・E233系・E531系ではすべて2階建てに統一されています。
当然ながらグリーン券を買わないと乗れないのですが、Suicaがあればそれをグリーン券として使うことができます。Suicaの残高でグリーン券を買い、グリーン車に乗り、座席の真上にあるセンサーに触れるだけ。それまではグリーン券を車掌に見せる必要がありました。
ちなみに、普通列車のグリーン車は自由席で、指定席ではありません。首都圏のグリーン料金は50kmまで750円(車内で購入した場合は250円増し)なのですが、近鉄特急のデラックスシートは必ず座れて410円均一、名鉄特急の特別車はやはり必ず座れて350円均一であることを考えると、座れるかどうかわからないのに750円というのは高い…。
液晶モニター
E231系500番台・E233系・E331系では、車内案内表示機はドアの上にある液晶モニターとなっています。関東ではこのほかに東急5000系(5080系の初期2編成を除く)・京王9000系(9036F以降)・小田急3000形(3267F・3654F以降)・西武30000系にもついています。
液晶モニターになったことでかなり自由度は上がり、左側のモニターにはCMが流れます。ちなみに、321系とは左右が逆になっています。
また、首都圏の各路線で運行トラブルがあった際、運行情報を流すこともできます。運行情報が入電するとチャイムが鳴ります。1日に4回聞いたこともありましたw
駅構内のアナウンス&発車メロディ
JR西日本では「まもなく、x番のりばに、yy:zz発、(列車種別)、(行き先)行きが、a両でまいります。黄色い線までお下がりください。x番のりばに、電車(or列車)がまいります。ご注意ください。」ですが、JR東日本では「まもなく、x番線に(列車種別)、(行き先)行きがまいります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。」というアナウンスになっています。しかし、男声は近鉄で聞いたことがあるような…。
そしてJR東日本といえば豊富な発車メロディ。大体の曲は発車メロディ用に書き下ろされたものですが、ご当地メロディというものがあって、有名どころでは蒲田駅の「蒲田行進曲」、高田馬場駅の「鉄腕アトムのテーマ」があります。どうせなら立川駅の発車メロディを「PSI-missing」にしてほしかったw
ちなみに、JR東日本以外では東京テレポート駅(りんかい線)の発車メロディが「踊る大捜査線」のテーマソング、というのもあります。
6ドア車
山手線(E231系)・京浜東北線(209系0番台)・埼京線(205系)・総武線(E231系)・横浜線(205系)・東急田園都市線(2代目5000系)には6ドア車というものがあります。
これはもともと、山手線の混雑緩和策として11両編成に伸ばすことになった際に、より効果的な混雑対策として、ドアを増やして一度に多く乗りこめるようにしたのが始まりであります。効果的だったためか、E231系では2両になったほか、他の路線にも普及しています。ラッシュアワーには座席をすべて収納してもっと押しこめるようになっています。10時になったら座ることができますが、座席定員は30人しかありません。
ただ、ドアを増やすという発想はこれが初めてではなく、以前中之島へ行った後に話したように1970年時点で既に京阪電車に存在していました。
ただし、京浜東北線ではE233系には6ドア車はありません。おそらく、車体幅が広くなって定員が増えたため必要ないと判断したからでしょう。
逆に、東急田園都市線では5000系のサハ車は3両とも6ドア車にするそうな。
交互発着
新宿駅の7・8・11・12番線は中央線快速電車のホームですが、なぜ方面ごとに2つずつあるのでしょうか。
答えは、ラッシュアワーに「交互発着」をするためです。新宿駅ではおびただしい数の乗客が乗り降りするため、発車が遅れることなど日常茶飯事であります。もしホームが一つしかないと、後続電車が駅の手前で止まる、なんてことになるため、もう1本ホームを用意して空いたホームに後続電車を入れて次々と発車できるようにしてあります。その証拠に、昼間は8・12番線しか使っていません。
のりば | 路線 |
---|---|
1〜4 | 埼京線・湘南新宿ライン |
5・6 | 成田エクスプレス・東武線直通特急 |
7・8・11・12 | 中央線快速 |
9・10 | 中央線特急 |
13・16 | 中央・総武緩行線 |
14・15 | 山手線 |
杉並3駅問題
高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪には、平日に限り快速が停車しますが、休日は通過します。
もともと、中央線の複々線化工事に当たってはこの3駅には緩行線のみホームを設置するはずだったのですが、周辺住民の反発により快速線にもホームが設置され、平日と土曜(当時は土曜日も平日ダイヤで運行されていた)のみ停車することになりました。その後、土曜日も休日ダイヤで運行することになると、これでも反対運動がおこりました。これが「杉並3駅問題」。
実際に、とある多摩地区の市議会議員は「この3駅に快速を止めさせない」という公約をあげているのです。
調布駅の平面交差
調布駅といえば、八王子・橋本方で京王線の下り線と相模原線の上り線が平面交差しており、ダイヤ上のネックとなっています。
このような平面交差は、他には大和西大寺・淡路・枇杷島分岐点があります。ただ、調布駅は現在立体交差化工事の真っ最中(2012年完成予定)でまだ救いようがあるのですが、西大寺と枇杷島分岐点は立体化はほぼ不可能、その上、西大寺の場合は車庫があり、さらに4方向(難波・京都・橿原神宮前・奈良)に分岐するため調布よりひどくなっています。
「京王線」の意味
次の4つの意味で使われます。
1.は、国交省への届け出上の「京王線」であり、2.は「京王線新宿駅」(1〜3番線)の「京王線」を指します。ただ、京王電鉄が発行する公式資料などでもこの4つを使い分けているそうな。
東武鉄道での番号の付け方
8000系が大量に製造された結果、桁あふれを起こしてしまい「クハ84100」などという5桁の番号*5を持つ車が大量に発生してしまいました。9000系は有楽町線乗り入れのために必要な数だけ投入されたので桁あふれは起きませんでしたが、10000系からは、その反省を踏まえて桁あふれを起こさないような番号の付け方が採用されました。
万の位は形式(1・2・3・5のいずれか)、千の位は浅草・池袋方を「1」として何両目か(10両目ならば「0」)、百の位は編成の長さ(10両固定編成ならば「0」)、残りの2桁で編成番号を表します。
「クハ28801」を例にとると、万の位は20000系(20050系・20070系)を、千の位「8」は浅草から8両目を、百の位「8」は8両固定編成、下2桁「01」は第01編成を表します。
ちなみに、西武30000系でも同じような番号の付け方がなされていますが、百の位と千の位が逆になっています。
TJライナー
副都心線開業に伴うダイヤ改正で、東武東上線では「フライング東上」以来52年ぶりの有料列車となる「TJライナー」の運行を開始しました。ちなみに「TJ」というのは「東上線(ToJo Line)」の「TJ」であります。
夕方ラッシュ時に「座って帰りたい」というニーズに応えて設定された列車で、池袋から乗る場合は300円を追加すれば乗ることができ、必ず座れます。
で、このTJライナーは下りだけ運行されます。車庫は森林公園にあり、どうやって車両を池袋に送り込むかというと、森林公園から快速急行として池袋まで走り、池袋駅の5番線(TJライナー専用ホーム)に入った後TJライナーとして折り返します。5番線は各駅停車が発着する4番線と同じ線路で、各駅停車は進行方向右側(4番線)、TJライナーは左側(5番線)のドアが開きます。
TJライナー専用に投入されたのが50090系で、座席は近鉄の「L/Cカー」と同じタイプ(マルチシート)であります。ちなみに昼間は車庫で寝ているのかというとそうではなく、シートをロングシートにして一般車と同じ運用に入ることもあります。しかし、近鉄のは追加料金なしで乗れるのに…。
つり革
つり革の形は、関東では圧倒的におにぎり型が多いのです。逆に、関西では円形が主流で、おにぎり型は神戸市営地下鉄や近鉄「L/Cカー」ぐらいしか見かけません。
これまではほとんどが正三角形でしたが、E233系・E531系では縦に引き伸ばしたような形のつり革が採用され、優先席だけ黄色くなっています。ただし、ドア付近に限り従来の正三角形タイプが引き続き使われています。
明日も続きます。
*1:東京モノレール発行分は「モノレールSuica」、東京臨海高速鉄道発行分は「りんかいSuica」として区別される。JR東日本発行分のSuicaは山手線のE231系と同じ色、モノレールSuicaはオレンジ、りんかいSuicaはICOCAと同じ色
*3:Suicaの加盟店とPASMOの加盟店があり、Suicaの加盟店でICOCAを使うことはできてもPASMOの加盟店ではできない
*4:1980年までは東海道・山陽線の快速に組み込まれていたが、グリーン料金をかなり踏み倒されたために廃止された
*5:東急8500系も、400両製造された結果同じようにデハ8700・デハ8800が桁あふれを起こしてしまったが、東急では車両管理用のコンピュータが5桁の番号に対応していないため千の位を「0」にしてしのいだ。9000系の次が1000系になったことや、3000系・5000系が2代目になっているのも同じ理由