音楽業界に見るアニメ・声優ブーム

ここ数年の音楽業界を見ると、アニメ・声優関連の楽曲が人気を博しており、NHKではこれらの曲に絞って取り扱う番組が放送されるほどです。その中でも、近年では歌手活動もこなす声優が多く、特に若手女性声優ではかなりの確率で歌手活動をやっていたりもします。

そもそも、声優が歌手活動をやるようになったのは1990年代半ばの「第3次声優ブーム」あたりからで、その頃の中心人物は声優として初めて日本武道館でコンサートをやった椎名へきる、2000年代前半までオリコンチャートの声優最高位記録を持っていた林原めぐみでした。このあたりで“声優アーティスト”という新ジャンルの下地ができはじめ、ほとんど間をおかず*1にやってきた「第4次声優ブーム」でその地位を確固たるものとしました。

その「第4次声優ブーム」で中心となるのは、「演歌歌手を目指していた」という異色の経歴を持ち、声優初のオリコン1位、ドーム球場西武ドーム)ライブ、果ては紅白歌合戦に出場など、声優としての記録を次々と塗り替えてきたことで知られる水樹奈々であります。水樹奈々を筆頭に、田村ゆかり茅原実里戸松遥平野綾堀江由衣などが“声優アーティスト”の代表的人物として頭角を現しています。

アニメソングも好評を博しており、特に今年は『けいおん!』が大ヒットを飛ばしました。特に、劇中歌ミニアルバム「放課後ティータイム」はいわゆる“キャラクターソング”として初めてオリコン1位に輝いた、なんてこともありました。さらに『とある科学の超電磁砲』のオープニング曲「only my railgun」は初登場3位など、おおむね好成績を収めています。

*1:実際のところ、第3次と第4次の境界はあいまいである