ハイブリッド機関車

http://www.jrfreight.co.jp/common/pdf/news/201002-02.pdf

鉄道でもハイブリッド車の導入が進んでおり、旅客車両ではJR東日本JR北海道が研究を進めています。そして、JR東日本ではキハE200を投入し、実際の営業列車として運行するところまで行きました。

JR貨物では、貨物駅構内での入換車としてDE10を長らく使用し続けていましたが、老朽化が進行しているうえに環境性能も著しく悪いときており、数年前からハイブリッド機関車の研究・開発が進められていました。

型番は「HD300」。HはHybridのH、Dは4軸駆動、300はモーターの種類(同期電動機)であります。今回出てくるのは試作機なので番号は901ですが、将来量産車が出てくれば1からまた番号が振られます。

どんなシステムなのかというと、ディーゼル発電機とバッテリーを協調させるというシステムで、これ以上詳しく書かれていません。ちなみに、キハE200は起動する際はバッテリーだけを使用し、25km/hまで加速するとエンジンがかかり発電スタート、両方からの電力でモーターを回し、上りこう配ではバッテリーからは動力を取り出さず発電機だけを使用し*1、ブレーキは回生ブレーキでバッテリーに充電する、というものであります。

その昔、エンジンはただ単に発電機として使用し、実際に車両を動かすのはモーターという「電気式気動車」なるものがあったのですが、電気式気動車にはバッテリーがありません。ハイブリッド気動車との違いはバッテリーがあるかないか、というところにあります。また、現在北海道で投入されているDF200も電気式であります。いずれにせよディーゼルエンジンVVVFの音が両方聞こえてくるのですが。

機関車の形式の付け方

国鉄時代は以下のように定められていました。

動力 動軸の本数 機関車の種類 製造番号
D E 10 1188

JR化以降はハイフンが入っています。

動力 動軸の本数 機関車の種類 製造番号
H D 300 - 901
各形式共通事項

最初のアルファベットは動力を表します。

アルファベット 動力
何もない 蒸気
D ディーゼル
E 電気
H ハイブリッド

その次のアルファベットで動軸の本数を表します。

アルファベット 動軸の本数
B 2軸
C 3軸
D 4軸
E 5軸
F 6軸
H 8軸

製造番号は製造順に1から割り当てられますが、電車・気動車・客車と同様で仕様変更があった場合は番号を飛ばして500番台や1000番台などという区分がなされることがあります。ただし、900番台は試作車に割り当てられるというのは各形式で共通であります。

ここまでは登場時期にかかわらず現在でも踏襲されています。

次の数字は機関車の動力ごとに異なります。

蒸気機関車
番号 形式
10〜49 タンク機関車
50〜99 テンダー(炭水車)機関車
ディーゼル機関車

国鉄時代は最高速度だけで区別されていました。

番号 最高速度
10〜49 85km/h以下
50〜89 85km/h超
90〜99 (試作車)

JR化以降に登場した新形式は、最高速度での区分が廃止され動力伝達の方法で分かれています。

番号 動力伝達 モーター
100〜190 電気式 直流
200〜290 電気式 交流
300〜390 電気式 その他
500〜790 液体式  

普通、鉄道の世界で交流モーターといえば三相誘導モーターを指します。そのため、同期モーターを使用しているHD300は300番台が当てられています。

電気機関車

初期はディーゼル機関車と同様、最高速度で区分されていました。

番号 最高速度
10〜39 85km/h以下
40〜49 アプト式
50〜99 85km/h超

のちに電気による区分も追加されややこしくなりました。

番号 電気 最高速度
10〜29 直流 85km/h以下
30〜39 交直流 85km/h以下
40〜49 交流 85km/h以下
50〜69 直流 85km/h超
70〜79 交直流 85km/h超
80〜89 交流 85km/h超
90〜99 (試作車)

JR移行後の新形式は、最高速度での区分がなくなった代わりに使用するモーターで区分がされています。

番号 電源 モーター
100〜190 直流 直流
200〜290 直流 交流
300〜390 直流 その他
400〜490 交直流 直流
500〜590 交直流 交流
600〜690 交直流 その他
700〜790 交流 直流
800〜890 交流 交流
900〜990 交流 その他

最近では電気機関車VVVF車が主流となっており、200番台と500番台の機関車しか出ていません。

*1:そのため、こう配の長い路線では燃費が悪くなる