JRグループのダイヤ改正まであと5日。JR西日本のダイヤ改正の内容を詳しく紹介します。
新幹線
今年もN700系が続々投入され、このダイヤ改正で東京〜広島・博多間の「のぞみ」がすべてN700系で運行されます。
西明石6時ちょうど発の「のぞみ100号」は、以前は700系で東京には9時着でしたが、N700系に変えて東京着は8:53と7分早くなります。
東京〜広島間の「のぞみ」4往復が博多まで延長されます。
在来線優等列車
「雷鳥」の終焉が迫っています。現在は5往復ですが、改正後は4往復が「サンダーバード」に置き換わり、雷鳥はついに1往復だけ。さらにその次のダイヤ改正ですべて「サンダーバード」になるのも時間の問題でしょう。また、七尾線では「しらさぎ」用485系の全面置き換え以来7年ぶりにグリーン車付きの特急が乗り入れてきます。
「スーパーいなば」を1往復新設して、広島から鳥取へのアクセスを改善します。
大阪・京都から山陰本線・北近畿方面への特急列車は「北近畿ビッグXネットワーク」といわれ、「X」の交点となる福知山駅で相互接続ができるようになっているほか、福知山で乗り換えても特急料金は最終目的地まで通算するという制度(近鉄特急と同じ)が設けられています。相互接続は1日33回出来ますが、改正後は37回に増えます。287系は…デビューまであと1年。
「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」の一部列車が鳥取大学前に、「くろしお」「スーパーくろしお」の一部列車が日根野に新たに停車します。
京阪神地区
かねてから進められていた嵯峨野線複線化工事が完成します。
京都近郊の通勤路線であるにもかかわらず、単線のままだったため、ラッシュアワーには列車交換ができる駅になると必ず列車交換をするという状況で、上りと下りで所要時間が全然違うということもありましたが、これも複線化で劇的に改善されます。
このほか、電化以来使用されていた113系が221系・223系にすべて置きかえられ撤退します。
姫新線では、キハ127がようやく本領発揮といったところで、列車本数も増え、本竜野〜播磨新宮間では一気に16本も増えます。そして、姫路〜余部間では90本の大台に乗ります。
片町線では全線で7両編成が入れるようになり、京田辺での切り離しはなくなります。そうすると、321系も木津まで行くかな?かな?
30年越しの嵯峨野線輸送改善
嵯峨野線は、輸送改善のためにまずは嵯峨(→嵯峨嵐山)〜馬堀間が複線の新線*1に切り替えられ、その翌年には京都〜園部間が電化されました。複線電化工事は30年以上前から構想そのものはあり、嵯峨〜馬堀間の新線切り替えはその一環でした。電化は単線のまま行われましたが、それ以降は計画が遅々として進まず、全線の複線化工事は2003年に入ってようやく本格化し、2008年から2009年にかけて完成したところから供用を開始し、嵯峨嵐山〜花園間の複線化をもって、全線の複線化が完成しました。
ただし、京都駅の手前の数百mは複線化できず単線のまま残ってしまいます。名鉄岐阜駅の近くにある、東海道本線の高架下を走るところの単線区間*2と同様にネックとなってしまうことが予想されます。
これは余談ですが、現在の保津峡駅は亀岡市にあるにもかかわらず、旅客営業規則の「特定都区市内」*3では京都市内扱いになっているのは旧線時代の名残であります。現在の保津峡駅も半分は京都市内にありますが*4、旧線時代は完全に京都市内に収まっていました。旧線時代に「京都市内」として制定され、いまさら除外することもできない*5ので現在もその規則は残っています。
広島地区
昼間にも結構走っていた快速が、朝夕だけの運行になり、新たに海田市にも止まります。
*1:旧線は嵯峨野観光の目玉・トロッコ列車が走っている。また、「電車でGO!」第1作でも有名
*2:橋脚の間を走るため複線化できない
*3:「特定都区市内」とは、札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・京都・神戸・広島・北九州・福岡の11都市において、その都市の中心駅(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・小倉・博多)を中心に各市内ごとにゾーンを設定しておき、そのゾーン内の駅へ行く、もしくはそのゾーン内の駅から出る場合に、中心駅から200kmを超える場合は中心駅までの距離で運賃を計算するという制度。なお、2つのゾーン内にある駅の相互間を移動する場合、中心駅同士がすでに200km以上離れている場合は必ず中心駅同士の距離で計算する。中心駅同士が200kmも離れていないが、乗車駅と目的のゾーンの中心駅間の距離、もしくは乗車駅が属するゾーンの中心駅と最終目的地間の距離が200kmを超えている場合は適用される
*4:ホームが保津川の上にある。保津川は京都市と亀岡市の境界線になっている
*5:今まで京都駅からの運賃で行けたのが保津峡からの運賃を払わないといけなくなる、ということになるため