E657系は新「ひたち」?

http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101206.pdf

常磐線の特急用車両といえば、かつては「いなほ」と共通のキハ80系に始まり、長らく485系が使われた後、常磐道の高速バス対策として在来線では初めて130km/hで走れる651系が投入され、残る485系E653系で完全に置き換えられました。651系といえば、「スーパーひたち」なのに99両すべてが川崎重工で製造され、日立製作所*1が悔しがっていたという本当なのかウソなのかわからない話があります。ちなみに、「スーパーひたち」の「ひたち」は漢字で書くと「常陸」であり、決して日立市日立製作所の「日立」ではありません。キハ80系時代のヘッドマークには「ひたち」の下に小さく「常陸」と書いてありました。

その651系も、さすがに20年以上たっており老朽化は隠しきれず、まだ20年たっていない253系がほんの一握りの車両*2を残して全廃されたように、651系も新型車両に置き換えられることになりました。

その新型車両は「E657系」で、E259系で取り入れられた要素が多数取り入れられますが、天井に吊るすLCDはなさそうです。

10両編成16本が2012年秋までにそろえられ、同年春から上野〜いわきで運行を開始します。

系統分割

現在の常磐線特急の運行系統は、「スーパーひたち」(651系)が主に上野〜いわきで、一部は原ノ町・仙台まで乗り入れているほか、いわき発仙台行きの区間列車も1本だけあります。「フレッシュひたち」(E653系)は短距離系統を担当し、主に上野〜土浦・勝田・高萩で運行され、一部はいわきまで乗り入れます。基本的に、651系が「スーパーひたち」、E653系が「フレッシュひたち」と使い分けられていますが、例外として651系の「フレッシュひたち」も数本存在します。これは、かつて「スーパーひたち」に勝田発着便が存在したのが「フレッシュひたち」に置き換えられたためですが、その後も何本かが651系に差し替えられています。

これを、E657系の投入に合わせて整理し、E657系(すべて出そろうまでは651系も併用)は上野〜いわき、E653系はいわき〜仙台で運行することになりました。E657系を使う列車は「ひたち」の名前を受け継ぐ(=「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」を統合して何も付かない「ひたち」にする)でしょうが、いわき以北の列車はまた別の名前を付けることになりました。

ところで、E751系は?

先日のダイヤ改正で、奥羽本線の特急は運行区間が再編され「つがる」は青森〜秋田の運行に変わりましたが、485系の4両編成ですべて賄うことになり、E751系はどうなったかというと、全編成が運用を離脱し車庫で寝ている状態です。

まだ10年しかたっていないのに廃車とはもったいない、ということになるかどうかはわかりませんが、交流50Hz専用で転用先が限られる*3という問題を抱えています。青函ATCを付けて「白鳥」に使う*4という線もあります。改造なしで先述のいわき〜仙台(全区間交流20kV・50Hz電化)の新しい特急に使うこともできます。

*1:沿線に大規模な生産拠点があるが、鉄道車両山口県で製造される

*2:東武日光線直通特急に使う200番台改め1000番台など

*3:ほぼ同じ理由で、国鉄時代は北海道を除き交流電化区間でも交流専用車を投入せず交直流電車を使用していた

*4:青函トンネルを走れるように設計されている。その一環として青函ATCの準備工事がなされているため、付けてしまえばすぐ走れる