よくわからないトレード

突然のことで驚いたのですが、阪神の江草と西武の黒瀬がトレードされ、今日までに双方とも入団会見が行われました。阪神内野手不足(鳥谷・坂・大和がけがで離脱)、西武は中継ぎのコマ不足に悩まされており、お互いに利害が一致したことでトレードが成立したのですが、なんとなく不釣り合いという印象があります。

江草は左の中継ぎで、“SHE”(桟原・橋本・江草)*1のEとして有名でしたが、今年は榎田が1年目でいきなり結果を出し、小嶋も調子を上げてきており、出る幕がなく2軍でくすぶっている状態でした。年俸は推定4000万円。

一方で黒瀬はどうかというと、今年でプロ8年目ですがなかなか1軍に定着できていません。ただ、内野ならどこでもOKだそうな。年俸は推定600万円。

せっかく江草を放出してまで手に入れた選手なので1軍に定着して活躍してほしいところですが、「水田と同じようになるのでは?」という不安があります。というのも、藤田太陽は西武でそれなりに活躍したのに対して水田はあまり出してもらえず、昨シーズンオフに新井弟とトレードで中日に移籍し、その新井弟は兄弟でサヨナラヒットを打つ*2という活躍ぶりなので、「何のために水田を獲得したのか」と思いました。同じように「江草は西武で大活躍し、黒瀬は阪神でも2軍でくすぶったままでたらい回しにされる」ことも考えられます。

球団社長が言うように「トレードはお互いにメリットがあるようにしないといけない」のですが、実際にそううまくいくかどうかはわかりません。代わりに手に入れた選手が活躍して放出した選手は移籍先でもあまり活躍できない(もしくはその逆)こともよくあります。

阪神の主なトレード

時期 相手 獲得 放出
97年オフ 中日 大豊泰昭*3
矢野輝弘
関川浩一
久慈照嘉*4
01年途中 西武 谷中真二 平尾博嗣
02年オフ 日本ハム 中村豊
下柳剛
山田勝彦
伊達昌司
02年オフ 日本ハム 野口寿浩 坪井智哉
04年開幕前 オリックス 牧野塁
葛城育郎
斉藤秀光
谷中真二
06年途中 楽天 坂克彦 牧野塁
07年オフ オリックス 阿部健太
平野恵一*5
濱中治
吉野誠
07年オフ 日本ハム 金村曉 中村泰広
09年開幕前 ロッテ 久保康友 橋本健太郎
09年途中 西武 水田圭介 藤田太陽
10年途中 ロッテ 川崎雄介 (金銭)
10年オフ 中日 新井良太 水田圭介
11年途中 西武 黒瀬春樹 江草仁貴

02年オフの日ハムとのトレードはよく3対3と勘違いされるのですが、実際は2対2と1対1の別件のトレードを時期をずらして発表しただけです。

*1:JFKと並ぶもうひとつの中継ぎトリオ。命名:JFKのJ

*2:それどころか、オープン戦では弟が札幌で一発かました

*3:のちに中日に戻る

*4:のちに阪神に戻ってくる

*5:濱中を放出する際、阪神サイドは交換要員として平野を要求していた