しばらく見ないと思っていたら

 阪神下柳剛投手(43)が、チームの戦力構想から外れていることが12日、明らかになった。現状、今季の1軍登板は予定されておらず、事実上の戦力外。球団は功労者としての功績を高く評価しており、今後について話し合っていく予定だが、本人はサンケイスポーツの取材に対し、「まだまだ、現役で」と強い思いを吐露。他球団移籍も視野に、模索していくことになりそうだ。

 タテジマに袖を通し、はや9年目。2度のリーグ優勝に貢献するなど、老かいな投球術でローテを支え、虎党を魅了し続けてきた下柳だが、今年で43歳。目下2軍調整中の左腕へ、プロ選手の宿命でもある厳しい現実が突きつけられた。チームの戦力構想から、外れた。つまり戦力外−。優勝へいちるの望みをつなぎ、終盤戦を戦っている虎だが、現状では今後の1軍登板も、予定されていないことが判明した。

 移籍した2003年には10勝を挙げ、優勝に貢献。05年のVでも15勝を挙げて最多勝に輝くなど、08年まで4年連続2けた勝利をマークしたが、同年オフに右ひざを手術。一昨年8勝に終わると昨年は7勝。シーズン終盤に2軍降格し、CS(クライマックスシリーズ)にも出場せず終わった。雪辱を期した今季は開幕ローテこそ入ったが、6試合で0勝2敗、防御率3・54。6月7日に登録抹消されて以来、ファームで調整してきた。

 ローテが苦しくなった今月2日に1軍へ再合流したが、3、4日の横浜戦(甲子園)が雨天中止となり、一度も投げることなく2軍へ…。今後、故障者が続出したり、早々と順位が決まった場合などに登板する可能性はあるが、来年の方針自体は変わらない。もちろん、球団首脳が「2度の優勝への貢献は当然のこと、チームの功労者ですから」と話すように、球団はその功績を高く評価。野球へ真摯に打ち込む姿勢も、若手へ多大なる影響を与えてくれた存在だけに、きっちりと“花道”を飾ってあげたい考えだ。

 ただ、下柳本人はこの日、鳴尾浜でのサンケイスポーツの取材に対し、「今後も現役にこだわりたい? がんばりますよ〜。まだまだ、現役で」と宣言。投手・下柳として“完全燃焼”したい。このままではユニホームを脱げない熱い思いを吐露した。今後は球団と話し合っていくことになるが、自由契約となり、新たな働き場所を探していくことになりそうだ。ダイエー(現ソフトバンク)、日本ハム、そして阪神。来年、プロ22年目を迎える“アイアンホーク”の不屈の魂に、熱い視線が注がれる。

(「サンケイスポーツ」2011年9月13日)

「最近1軍の試合で下柳を見てないなぁ」と思っていたら、いつの間にか戦力外*1になっていました。ここ2〜3年は、「年のせいか球にキレがない」ように見えましたが、実際問題として今シーズンは1勝もできていません。本人は「まだ現役で」と言っていますが、年が年だけにもう引退してもおかしくないような気がします。

しかしこうなってくると、もう目も当てられない状態のK外野手をいつまで置いておくのかということになります。先に引退すべきなのはそのK外野手であります。

*1:ただし、本人に通告できるのは10月1日以降で、全球団がレギュラーシーズンを終えた翌日までを第1次通告、クライマックスシリーズの全日程が終了した翌日から日本シリーズが終了した翌日までを第2次通告の期間とする