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ついに新車がやってくる

JR西日本グループの中期経営計画(2013年度〜2017年度)が発表されました。その中から気になるトピックスを出して紹介します。

大阪環状線の新型車両

大阪環状線といえば、かつてはJR西日本在来線で唯一のドル箱だったのですが、最近は競争の激しい路線(JR神戸線JR京都線etc.)やビッグプロジェクトのある路線(阪和線関西空港線学研都市線JR東西線etc.)に集中して投資しており、競争らしい競争がない大阪環状線は後回しにされてきた感がありました。そのため、環状線では未だに103系が主力で、JR神戸線JR京都線の各駅停車に321系を投入し201系を転用して置き換えるというありさまでした。

ですが、この中期経営計画には「大阪環状線に車両を新造投入する」と記されています。数年ほど前まで103系は延命工事を施工しており、しばらくは使い続けるという方針があったので施工済みの車両で置き換えていたため、廃車のペースが遅かったのですが、2010年になってから廃車が増えており、延命工事を施工した車両ですら廃車になっています。なお、103系の延命工事は2005年をもって対象となる全車両への施工を済ませており、何もしていない車両はすでに廃車され、「クハ103-1」も2011年3月改正で引退し廃車されました。

201系は、在籍する224両すべてが延命工事を施工されていますが、耐用年数は製造後30年を想定しており、1982年にJR神戸線JR京都線の各駅停車でデビューしたのが始まりなので、そろそろ耐用年数に達します。当初の計画では、201系を森ノ宮電車区に集結させて環状線103系を全て置き換える予定だったのですが、編成パターンが3種類出てしまい運用上不都合をきたしたため、8両編成と6両編成を16本ずつ組んで、8両編成は森ノ宮電車区、6両編成は奈良電車区に配置して103系をそれぞれ置き換えていますが、環状線大和路線ともにまだ残っています。

さすがに、老朽化や消費電力の多さには悩まされているようで、103系に至っては初期車を大量に抱えていた*1という事情もあって老朽化のひどい車両ばかり残っています。かつて総武線を走っていた103系のように故障が頻発したり床下から火を噴くというところまではいっていませんが、いつ故障してもおかしくない状態です。

また、大阪市営地下鉄は車両の置き換えが比較的早く行われたのとは反対に、環状線103系が40年以上にわたって使われ続けています。大阪を代表するJR線が旧型車の宝庫ではみっともないということもあったので、新造車で置き換えるという方針に至ったようです。

広島地区向け新型車両&新保安システム

JR西日本は、長年京阪神地区・新幹線・北陸地区の特急列車に集中投資しており、そのほかの地区はほったらかしにされていました。たまに新車が入ったとしても、地元に負担を強いており、基本的には京阪神地区で使い古された車両を使い倒す方針のようです。例外は金沢地区で、JR西日本には交流電化区間が北陸本線しかなく他から転用できないという事情があり、683系で確立された交直流電車の足回りの設計を223系に移植するという形で521系を設計し投入しました。しかも、JR西日本の自己負担でした。

ただ、実際は天神川駅開業記念列車や、下関の花火大会やセンター試験の臨時列車という形で223系が応援運用に入ったことはありますが、全て一時的なもので長続きしませんでした。

ところが、昨年末から今年の初頭にかけて「223系が2両編成で広島まで行って試運転をしている」という情報が入りました。乗務員訓練やデータ収集だけだろうと思っていたのですが、実はそれよりもっと重大な目的で広島に行っていました。何をしに行ったのかというと、新しいATSの試験をしに行っていました。山陽本線の一部区間で真新しい地上子を設置しており、これが新ATSの地上子で、車両側の装置も現地で整備されて試験に臨んでいます。

これと連動して、広島地区の車両を新造して置き換えるということが中期経営計画にて示されています。

広島地区では、1982年11月改正で“シティ電車”と呼ばれる高頻度・等間隔の普通列車を運行するという新たな試みがなされました。これは、かつては東京・大阪以外の地方都市では長距離・長編成の普通列車が毎時1〜2本程度で不等間隔だったのを、短い編成の列車を高頻度で走らせるというもので、これが好評を博したためそのほかの地方都市(なぜか名古屋でもやっていた)にも広まりました。この際に投入されたのが115系3000番台で、これ以降、広島地区には芸備線のキハ120以外新造車は投入されていません。

最近では、京阪神地区でも老朽化した車両はさっさと廃車しており、また広島地区では気動車115系(広島生え抜き)を除き京阪神地区で酷使された車両ばかりで老朽化が激しいという現状であります。車両を転用して置き換えるのは短期的に見れば安く上がりますが、近年の車両は消費電力が少なくランニングコストも低いため、直接新造投入して置き換えた方が経済的というのもあります。また、新型ATSを装備することも考えた場合、廃車が近い車両にATSを整備するのはもったいないので、車両ごと整備することになります。

*1:山手線・京浜東北線ATCを整備する際、先頭車のみ新造して差し替え、余ったATC非対応の先頭車を新造した中間車と組んで関西地区に投入したため、先頭車は特に初期車が多いが、同じ仕様でATCがない車両も福知山線宝塚電化開業用に投入されている。余談だが、つい最近まで播但線のラッシュ用に番号が全部15・16でそろった編成があった