Xデーは近い

神戸市営地下鉄西神・山手線)では、今年度から新型車両6000形を導入して全車両を置き換えることが決定しており、すでに第1編成が完成して本線での試運転も実施されています。北神急行線に乗り入れて谷上まで顔を出しました。

24年ぶりの新型車両ということもあり、新機軸が多数盛り込まれています。そのため、じっくり試運転をしているようです。

そして、今日突然入ってきた情報では「1101Fが今週末に引退する」とのことです。ヘッドマークも用意されており、西側には「1101 LAST RUN 1977.3.13 2018.7.7 おつかれさま」、東側には「1601 LAST RUN 1977.3.13 2018.7.7 おつかれさま」と記されています。両先頭車のS字の帯も再現されています。

最終運行日は、ヘッドマークに記されている通り7月7日です。この日、オリックスの試合がほっともっとフィールド神戸で開催されますが、これが最後の観客輸送となる見込みです。また、神戸でオリックスの試合がある日は阪神電車山陽電車の虎マーク(甲子園で阪神戦があるときに出される)と同じような感じで、当日運用に入る全編成に「Buffaloes」のヘッドマークが取り付けられますが、1101Fは「LAST RUN」のヘッドマークを優先するでしょう。

通常、旧型車が引退するときは置き換える新型車両がある程度使い物になってから引退するというのが通例でしたが、1101Fは6000形がデビューするより早く引退するようです。これは、検査時期の関係とも言われています。

神戸市営地下鉄1000形のあゆみ

1977年3月の第1期区間名谷~新長田)開業に向けて、1976年に4両編成6本(1101F~1106F)が製造されました。この時の編成は中間のT車がなく、現在の1・2・5・6号車だけで構成されていました。形式は、この時点で6両編成化を見越してつけられており、百の位が西から1・2・5・6となっていました。また、この当時は名谷と新長田を往復するだけで、側面の方向幕は付いていませんでした。

日本の地下鉄では初めて冷房を完備しており、これ以降に登場した地下鉄電車はすべて冷房を搭載して登場しています。1978年のローレル賞を受賞しました。ちなみに、この年のブルーリボン賞近鉄12400系「サニーカー」でした。

この当時の地下鉄は須磨ニュータウンから都心(三宮)への足という位置づけでしたが、実際にはまだ三宮までは直通しておらず、板宿で山陽電車に、新長田で国鉄線に接続することで三宮への足を確保していました。

その後乗客が急増し、1981年に2編成(1107F・1108F)を追加投入したのを皮切りに、1983年の大倉山延伸開業に合わせて3編成(1109F~1111F)と、既存の編成に挿入する中間車8両(1301~1308、現在の3号車)が投入されました。この時に投入された車両は、5両編成となっているほか、側面の方向幕が当初から装備されたほか、扉の引き込まれ事故対策として戸袋部の隙間を広くとっています。
1985年には、西は学園都市、東は新神戸まで延伸開業して待望の三宮乗り入れを果たしました。この時に4編成(1112F~1115F)が投入されましたが、三宮と神戸市西部のニュータウンが直結されたことや、折しもこの年は神戸でユニバーシアードが開催されたことから5両編成でも対応しきれなくなり、西神中央まで延伸された後の1989年に6両編成化されました。

西神中央延伸開業時には3編成(1116F~1118F)が追加導入されています。この時の改良点としては、冷房機が中型3台から大型2台に変更され、これ以降の車両にも踏襲されています。6両編成化の際に投入された車両(1401~1418、現在の4号車)もこの仕様であり、1101F~1115Fは1両だけクーラーの数が違います。

これ以降の増備は、北神急行の開業時には2000形、西神南駅開業以降の輸送力増強には3000形を投入して対処しています。

登場から20年たった1997年からは毎年1編成ずつがリニューアル工事を受けており、この工事に合わせてチョッパ制御からVVVFインバータ制御に改造されています。1107Fまでは3000形と同じインバータを使っていましたが、1108F以降はIGBTインバータに変更され、2000形のリニューアルでも同じものが採用されています。