山陽5000系 Reborn,Rebirth,Renewal

http://www.sanyo-railway.co.jp/media/1540357349.pdf

1986年に登場した山陽5000系。当初、最後まで残った吊り掛け式の旧型車両を一掃するため、3両編成で普通車を中心に使われていました。普通車を中心とした運用ながら、固定式のクロスシートを装備するという破格の車両でしたが、のちに特急を中心とした運用にシフトしていき、最終的には初期の2編成以外はすべて6両編成まで伸ばされました。

その後、改良版として1997年に5030系が登場しました。5000系の足回りは界磁添加励磁制御でしたが、この時期にもなるとVVVFインバータ制御が実用化されて久しく、また3000系以来の「MB-3020S」モーターが生産中止となっていたため、VVVFインバータ制御が採用されました。座席は、翌年に阪神梅田駅への乗り入れを控えていたこともあり、クロスシートの配列が混雑対策として阪和線の223系・225系と同じく2+1列配置となっています。

5000系は登場から30年以上、5030系も登場から20年経過しており、6000系が登場した今ではあらゆる部分で見劣りがするようになりました。そこで、今年に入ってリニューアル工事が行われ、1編成が完成しました。

外観

外観には大幅に手が加えられており、おおむね6000系に準じたものとなっていますが、6000系とは異なり正面の貫通扉は赤く塗られていません。

ドアの両側には6000系と同じようなグラデーションが入れられていますが、6000系とは形が変わっています。

6000系と同じく、幕板にも帯が巻かれていますが、その途中には車両番号が書かれています。阪神梅田駅は改築に伴いホームドアが設置されるため、その対策でしょう。

そして、正面左側には6000系と同じく「SANYO ELECTRIC RAILWAY」と書かれています。

内装

かつては6両ともクロスシートが設置されていたのですが、リニューアルに伴い中央の2両を残してロングシート化されました。以前から1号車(梅田寄りの先頭車)のロングシート化が進められていましたが、リニューアル工事ではこれを進めて、一時期の阪神8000系リニューアル車と同じようになっています。クロスシートのまま残った車両も、5030系と同じ2+1配列となっています。座席の布地は、ロングシートクロスシートともに6000系と揃えられています。ロングシートの袖仕切りも、6000系と同じです。

山陽電車阪神電車ともに、改札口や階段が1・6号車の近くにある駅が多い(梅田・甲子園・御影・三宮・新開地・東二見・姫路など)ため、1・2・5・6号車をロングシートとしています。

ドアの上には、5000系では何もついていなかったのですが、6000系と同じLCD案内表示機が付きました。

このほか、車いす・ベビーカー用スペースを全車両に装備し、優先座席のつり革は関東の私鉄電車と同じくオレンジになっています。

省エネ

リニューアル時に界磁添加励磁制御だった車両は、リニューアル時にVVVFインバータ制御に載せ替えられています。これに伴い、2両1組だった動力車は1両が電装解除され、番号が変わっています。

今回リニューアルされたのは5004F(5004-5005-5502-5235-5252-5602)で、2001年のダイヤ改正直通特急を増発する際に5030系の中間動力車(5235・5252)を組み込んだ編成でした。5004と5005のみインバータ制御にされており、5004は電装解除して5702に、5005はインバータ制御に載せ替えて5802に番号が変わっています。しかし、阪神5700系に全く同じ番号の車両があり、阪神線で番号が被って都合が悪くないのかと思います。

室内の照明器具は、6000系と同じくLEDに変わりました。