神戸市営地下鉄西神・山手線で16日、26年ぶりの新型車両6000形の運行が始まった。午前10時7分に西神中央駅(同市西区)を出発する第1便には、多くの鉄道ファンらが乗車した。2022年度までに全28編成を入れ替えるという。
デザインは市民の投票で決定。車いすやベビーカーの優先スペースを全車両に設け、ホームと車両との床面の段差を緩和した。座席にはくぼみを付け、立ち上がりやすいようポールも設置している。車両同士の仕切り扉は全面ガラスにし、見通しの良さを確保した。
ドア上部の表示板を液晶画面にし、4カ国語で案内を伝える。神戸市外国語大と神戸芸術工科大が協力し、偉人の名言を画面に流す「知可哲のことば」を実施する。
同市西区の男性(32)と長男(4)、長女(2)は先頭車両で乗り心地を体感。長男は「これまでの車両で一番格好良い」。男性は「ホームとの段差が小さく、小さな子ども連れだと乗りやすい」と話した。(村上晃宏)
(『神戸新聞』2019年2月16日)
昨年3月に第1編成が完成して名谷車庫へ搬入され、ほぼ1年かけて試運転を行っていましたが、ついに昨日デビューを果たしました。
神戸市営地下鉄西神・山手線では3000形(1993年)以来26年ぶりの新型車両となる6000形。開業以来車両の置き換えはされておらず、第1期区間(名谷~新長田)が開業時の車両が足回りを改造して今でも走っているのですが、登場から40年以上経過して老朽化が目につくことや、三宮駅を皮切りに全駅にホームドアを設置することになり、それに対応できる車両が必要になったことから、これを機に6000形への全面置き換えが決定しました。
26年ぶりの新型車両ということもあり、さまざまな面で変化が見られます。
- 車内案内表示装置のLCD化(神戸市営地下鉄では初)
- 画面デザインは東京メトロ16000系のような動くタイプ
- 関西に多い千鳥配置で、LCDがない側には「こちら側の扉が開きます」「反対側の扉が開きます」の表示器がある
- インバータ制御装置の改良(日立ハイブリッドSiC*1)
- モーターの改良(全密閉型)
- 車いす・ベビーカー用スペースを全車に配置(以前は3・4号車のみだった)
- 日よけは一般的なロールカーテン(以前は阪急電車のような鎧戸だった*2)
- 無塗装のアルミ車体にカラーテープを貼り付け
- これまでの神戸市営地下鉄の電車は、アルミ車体でも全面塗装していた
- ドアブザーではなくドアチャイム
- 音はJR東日本の一般車両と同じで、回数が多い
- ロングシートは9人掛けのバケットシート
- 両端には大型の衝立があり、ポールで3人ずつに区分されている
- JR東日本の首都圏の電車よろしく、ドアの脇に号車番号のシールが貼られている
- 動力車は3両(北神急行7000系と同じ配置)
- シングルアーム型パンタグラフ
- 行先表示はLEDで、運行番号も表示される
- 各種照明類のLED化
- 全車両間にガラスの貫通扉を完備
- 従来の車両は、2・3号車と4・5号車の間のみ貫通扉があり、それ以外は扉がなかった
1 Tc1 | 2 M1 | 3 M2 | 4 T | 5 M3 | 6 Tc2 | |
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←西神中央 | 6100 | 6200 | 6300 | 6400 | 6500 | 6600 |
このように変更点が多い一方で、車両番号のフォントは市電譲りのものであるほか、パンタグラフは2・5号車に2個ずつ搭載、非常用貫通扉は横への開き戸*3、座席の布地もグリーンであるなど、従来車から変更されていない点もあります。
車両番号は29から始まっています。全面置き換えなので、ポートライナーのように1から振り直すかと思っていましたが、そのまま続いていくようです。
以前からよく言われていたのが「東京メトロ16000系に似ている」ということです。確かに、アルミ無塗装の車体に緑のテープを貼り付けていることや、ドアチャイムの音、川崎重工業にて製造、そしてデザイナーは奥山清行と、共通点は多数あります。ただ、極端に似ているかというとそうでもなく、幕板と屋根肩部に緑と黒のテープが貼られており、そこに16000系の面影があるというぐらいでしょう。
近年の車両ではよく見られるガラス製の車両間貫通扉ですが、ぶつからないようガラスに模様をつけています。その模様が、「TRAIN SUITE 四季島」のロゴを彷彿とさせます。
余談ですが、デザイナーが同じ六甲ライナーの3000形は先頭車の逆スラントノーズが“四季島”を彷彿とさせます。
2022年度までの4年計画で従来車と同数の28編成を投入し、全車両を6000形に統一する予定です。
また、オリックスの試合が今シーズン初めてほっともっとフィールド神戸で開催されるのは4月18日です。観客輸送に投入されるのは早ければこの日になりそうです。