近鉄王国・奈良県

Twitterにて、このような企画がありました。各都道府県で「これを禁止されると困る」というものを1つずつ挙げていくというものです。

その中で、奈良県近鉄を利用することを禁止されると困る、と言われました。確かに、奈良県では鉄道といえば近鉄でJRの影は薄く、鉄道以外でも近鉄グループ奈良交通近鉄百貨店・近商ストアetc.)が幅を利かせているという状態です。

今日は、奈良県では如何に近鉄が強いかというのを、様々なデータを示しながら紐解いていきます。

奈良県内各駅の乗車人数

出典:「奈良県統計書(2018年度版)」

まずは、わかりやすい指標として各駅の乗車人数を記します。奈良県内の鉄道路線近鉄とJRだけで、2社の比較という意味も持たせるため、両社が乗り入れている駅でも社ごとに分割して記します。

駅名 会社 路線 1日平均乗車人数
1 近鉄奈良 近鉄 奈良線 33,818
2 学園前 近鉄 奈良線 26,649
3 王寺 JR西日本 関西本線和歌山線 24,366
4 大和西大寺 近鉄 奈良線京都線橿原線 23,733
5 生駒 近鉄 奈良線生駒線けいはんな線 22,808
6 高の原 近鉄 京都線 19,007
7 大和八木 近鉄 大阪線橿原線 18,718
8 奈良 JR西日本 関西本線・桜井線 18,307
9 富雄 近鉄 奈良線 14,833
10 五位堂 近鉄 大阪線 14,235

ベスト10を取り上げましたが、その中にはJRは2駅だけで、残りはすべて近鉄です。「奈良駅」同士で比較しても、近鉄の方がJRの2倍近い利用客数があります。

このデータで、「奈良県では鉄道といえばJRではなく近鉄」という表面的な事実は分かります。なぜこのようになったのかは、現在のJRと近鉄のダイヤと、奈良県の鉄道の歴史から紐解くことができます。

大和八木駅の乗車人員について

各種統計(近鉄の交通調査・奈良県統計書)において、大和八木駅の乗車人員には八木西口駅の乗車人員を含めています。これは、旅客営業上は八木西口駅大和八木駅構内の別ホーム扱いとされているためです。

かつて、現在の大和八木駅に相当する駅はなく、開業当時の高市郡八木町の西側に、「大和」が付かない「八木駅」が設置されました。開業当初は畝傍線(現・近鉄橿原線)のみの駅でしたが、開業後ほどなくして現在の大阪線の一部となる「八木線」が、八木駅から大和高田駅まで開業しました。
ちなみに、大阪線の八木以西は布施と八木の両方から延伸し、1927年に布施~八木の全線が開業しています(上本町~布施は1914年に奈良線の一部として開業済み)。

1929年に、伊勢方面への延伸の一環として桜井まで延伸された際、延伸区間と畝傍線の交差地点に現在の大和八木駅が開業しました。旧八木駅の移転扱いとされており、通常であれば旧八木駅は廃止されるはずですが、「八木西口」と名前を変えた上で残されました。
これは、当時は国を挙げて橿原神宮への参拝が奨励されており、この需要に応えるために上本町~橿原神宮前の直通列車が多数運行されていて、旧来の利用客に配慮したためと言われています。その名残か、1967年までは上本町~八木西口の準急が夕方に運行されていました。

このような背景もあり、八木西口駅大和八木駅の構内扱いとして残されています。そのため、大和八木駅発着の乗車券で八木西口駅を利用することができます。八木西口駅としての営業キロは設定されておらず、大和八木駅営業キロ西大寺から20.5km、上本町から大阪線経由で34.8km)*1を用いて運賃計算を行います。
なお、入場券は列車に立ち入ることができない切符なので、大和八木~八木西口のみ利用する場合でも入場券で乗ることはできず、初乗り運賃の切符を買う必要があります。
切符に関しては、21世紀初頭までは八木西口からの切符を買っても発駅が「大和八木」となっていましたが、2020年現在では「八木西口」になっています。

八木西口駅に関しては、奈良県立医科大学のキャンパスが移転するのに合わせて800m南側に新駅を設置するという構想があり、大和八木駅に近すぎることから新駅の開業に合わせて廃止するという案が出ています。しかし、八木西口駅橿原市役所や畝傍高校に近く、その関係の利用者が多いため、橿原市としては廃止に反対、といった感じで、奈良県橿原市近鉄三者協議を始めてから4年以上に渡って結論が出ていません。
廃止となった場合、運賃計算の特例(大和八木駅営業キロを使用する)も廃止されて新駅の営業キロが設定されるか、それとも新駅にその特例が受け継がれるでしょうか。

八木西口駅」廃止か存続か 近鉄橿原市協議1年、なお平行線

 橿原市の県立医科大学付属病院前に設置が計画されている近鉄橿原線の「病院前新駅」。だがこれに関連し、約800メートル北に位置する八木西口駅の存廃をめぐる近鉄と県、市の3者協議は、1年を超えた今も平行線のままだ。関係者は「長期戦になる」との見通しを示している。

 「医大・付属病院を核とするキャンパスタウンの形成」を掲げる市は、新駅周辺に商業や福祉・文化ゾーンなどの設置を構想。医大は平成33年までに現在地の西約1キロに移転する予定で、アクセス道路となる市道の拡幅整備も計画されている。

 新駅の設置予定地は、近鉄橿原線が国道陸橋と立体交差する付近。北約800メートルにある八木西口駅は、その北の大和八木駅まで約400メートルと近いため、近鉄は新駅設置に伴い八木西口駅の廃止を求めている。

 一方、市は近隣住民の利便性などから存続を希望。八木西口駅は市役所本庁舎まで徒歩2~3分で、市役所や医大付属病院を訪れる人のほか、県立畝傍高校生らも利用している。国の重要伝統的建造物群保存地区今井町への最寄り駅でもあり、1日の利用者は約5千人という。

 だが、新駅設置のため27年12月から始まった県、市、近鉄の3者協議は、「八木西口駅に関する話し合いは平行線をたどっている」(市関係者)状況。「今のところ、まとまる見通しはたたない」との声がある一方、「駅運営経費で橿原市が応分の負担をすれば存続は可能」「残るにしても、すべての電車が停まるのは難しい」などといった見方もある。

 市は医大前新駅とその周辺整備のほか、市役所本庁舎整備、大和八木駅北側整備を「3大事業」として整備構想の検討を進めている。本庁舎整備では、長年の課題だった民有地買収交渉がまとまり、八木西口駅の存続は「重要課題」として展開が注目されている。

(「産経新聞」2017年1月5日)

近鉄とJRのダイヤの比較

奈良県近鉄が選ばれる理由として、「近鉄はJRと比較して運行本数が多い」ということが挙げられます。

奈良県内の近鉄・JR各路線の1時間ごとの運行本数は以下の通りです。

近鉄奈良線

(特急、大和西大寺から京都方面へ行くものは除く)

普通と区間準急のダイヤがいびつな形になっているのは、西大寺で折り返す際に尼崎系統は区間準急から普通に、難波系統は普通から区間準急に変わるためです。

近鉄京都線橿原線天理線

かつて、京都線の各駅停車は西大寺行きが多かったものの、実際には西大寺で行先と列車番号を変えて橿原神宮前・天理方面へ向かうものが大半でした。

近鉄大阪線

  • 急行:下記の系統が1本ずつ
    • 大阪上本町~名張
    • 大阪上本町~伊勢中川
    • 大阪上本町~宇治山田
  • 区間準急:下記の系統が1本ずつ
    • 大阪上本町~五位堂
    • 大阪上本町~大和朝倉
    • 大阪上本町~榛原
  • 普通
    • 大阪上本町~高安:4本)
    • 大阪上本町~大和朝倉:1本

近鉄南大阪線

近鉄の各支線

では、JRはどのようになっているでしょうか。

大和路線

JR奈良線

和歌山線・桜井線

  • 王寺~高田:2本
  • 奈良~和歌山(桜井・高田経由):1本
  • 奈良~桜井:1本

近鉄は支線こそ本数が少ないところがあるものの、幹線では大阪線で最低3本、奈良線に至っては最低6本は確保されています。
一方でJRはどうかというと、最大でも4本といった状態です。奈良県内の市では唯一近鉄線が通っていない五條市に至っては、五条駅に停車する列車が昼間は1時間に1本のみ、という状態です。

国鉄奈良県内の路線を冷遇していた

奈良県内におけるJRと近鉄の格差の要因は、「国鉄が伝統的に奈良県内の路線を冷遇していた」ということにつきます。正確には「天王寺鉄道管理局の路線を冷遇していた」ということです。

奈良県内の国鉄線は最初から国鉄線として開業した路線はなく、奈良鉄道・大阪鉄道(初代)*2関西鉄道などといった私鉄を1907年に国有化した路線であり、国鉄からすれば「外様」と言えます。

それ故に複線化・電化などの設備投資が進まず、複線化こそ関西本線で国有化前に実施されただけで、電化は1973年に湊町(→JR難波)~奈良で実施されるまで全く実施されていませんでした。
後に1980年に桜井線・和歌山線(高田~五条)が電化され、1984年に和歌山線の残りの区間奈良線関西本線(奈良~木津)が電化されて奈良県内の国鉄線は全線電化を達成しました*3。但し、複線化は関西本線以外では全く行われていません。

それに対して、近鉄は最初から複線電化で開通した路線が多く、また高度成長期における輸送力の増強も積極的に行ってきたため、現在でも近鉄の方が利用しやすいようになっています。

今でこそ、JR西日本関西本線の一部区間に「大和路線」という名前を付けて「大和路快速」を走らせるなどの積極策をとっていますが、国鉄時代より多いとはいえ最近になって再び本数が減らされています。輸送力を増強しようにも、国鉄時代に設備投資を怠ったためにインフラが貧弱で、近鉄に十分対抗できるだけの競争力を持たせることができません。

*1:布施~大和八木のルートは大阪線経由と西大寺経由の2つがあるが、この区間を含む場合は通常は短い方のルートで計算する

*2:後に近鉄南大阪線などとなる路線を開業させた「大阪鉄道(2代目)」は名前が同じだけの別会社である。余談だが、阿倍野近鉄百貨店(あべのハルカス近鉄本店)は大阪鉄道時代に開業した「大鉄百貨店」であり、建て替えて「あべのハルカス」になるまではその当時の建物をそのまま使って営業していた

*3:2006年3月まで、名古屋駅から関西本線経由でディーゼル急行「かすが」号が乗り入れており、また天理教の団体列車としてディーゼル車が来ることがあった

市営化決定

 国土交通省近畿運輸局は4日、神戸市北区の谷上と新神戸駅間を結ぶ北神急行電鉄について、神戸市への事業譲渡を認可した。同市は6月から、相互乗り入れしている市営地下鉄西神・山手線との一体運行を開始し、谷上-三宮間の運賃を現行(550円)の半額程度の280円に値下げする予定。

 北神急行は整備時に路線の大半を占めるトンネルの建設費が膨らみ、料金が割高になり、利用者が伸び悩んでいる。

 同市は同電鉄親会社の阪急電鉄と198億円で事業譲渡を受けることに合意。昨年12月に同運輸局に認可申請をしていた。

 神戸市の岸田泰幸交通事業管理者は「大幅な運賃値下げや交通利便性の向上、神戸市北部の人口減少対策に大きく寄与する。6月の実施に向けて準備を進めていく」とコメントした。(前川茂之)

(「神戸新聞」2020年3月4日)

 神戸市が市営化を決めた北神急行電鉄(神戸市北区)について、来年6月1日から市営地下鉄西神・山手線との一体運行を始める方針を固めたことが9日、関係者への取材で分かった。今後、市会の審議などを経て正式に決定する。同市はこれまで、市営化の実施時期を「遅くとも2020年10月1日」としていた。

 北神急行は北区の谷上と都心の新神戸を結ぶ。同市は今年3月、親会社の阪急電鉄から198億円で譲り受けることで基本合意した。相互乗り入れをしている市営地下鉄との一体運行が始まれば、谷上-三宮の運賃(550円)は現在のほぼ半額の280円となる見込み。

 来年6月の市営化に向け、同市は近く、駅の券売機や改札といった関連システム改修費用などを補正予算案に盛り込む方針。北神急行の社員は神戸電鉄(同市兵庫区)に出向させ、同市が運行を神鉄に委託するという。同市は年内にも、北神急行の事業許可を国土交通省に申請する見通し。

 北神急行は起点と終点の2駅のみで、谷上-新神戸間(約7・5キロ)の乗車時間は8分。利便性が高い一方、トンネル整備などで建設費が膨らんだことから運賃が高く、乗客数が伸び悩む要因となっていた。(石沢菜々子

(「神戸新聞」2019年10月10日)

www.city.kobe.lg.jp

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運賃が高すぎて利用が伸び悩んでいる北神急行電鉄を、神戸市営地下鉄のネットワークに組み込んで料金を一元化して値下げするというプランですが、先日国土交通省から認可が下りました。今後、乗車料金などの詳細を詰めた上で6月1日から神戸市営地下鉄の「北神線」として営業を開始する予定です。

乗車料金

(一般的には「運賃」ですが、ここでは神戸市の条例にならって「乗車料金」とします)*1

乗車料金は、神戸市営地下鉄の料金体系にそのまま組み込まれますが、地下鉄単体での料金表が変わる見込みです。

2019年10月1日時点での乗車料金

  • 1区(3kmまで):210円
  • 2区(7kmまで):240円
  • 3区(10kmまで):280円
  • 4区(13kmまで):310円
  • 5区(16kmまで):350円
  • 6区(19kmまで):380円
  • 7区(23kmまで):410円
  • 8区(27kmまで):440円
  • 9区(27km超):470円
  • 北神線:370円
  • 乗継割引:新神戸で区切って計算した合計金額から30円(子供は20円)割引

市営化後の料金(予定)

西神・山手線の駅から

目的地 谷上から 旧区分 旧料金 新区分 新料金
新神戸 7.5km 北神線 370円 3区 280円
三宮
県庁前
8.8km
9.7km
北神線+1区 550円 3区 280円
大倉山
湊川公園
上沢
長田
10.8km
11.8km
12.8km
13.6km
北神線+2区 580円 4区 310円
新長田
板宿
15.1km
16.3km
北神線+3区 620円 5区 350円
妙法寺 19.2km 北神線+4区 650円 7区(6区?) 380円
名谷
総合運動公園
20.8km
22.6km
北神線+5区 690円 7区 420円
園都
伊川谷
24.3km
25.9km
北神線+6区 720円 8区 450円
西神南
西神中央
27.6km
30.2km
北神線+7区 750円 9区 480円

海岸線の駅から

(谷上からの距離は短い方、すなわち駒ヶ林からのみ新長田経由、他は三宮経由)

目的地 谷上から 旧区分 旧料金 新区分 新料金
旧居留地・大丸前
みなと元町
9.3km
10.1km
北神線+1区 550円 3区 280円
ハーバーランド
中央市場前
和田岬
御崎公園
11.1km
12.5km
13.4km
14.5km
北神線+2区 580円 4区 310円
苅藻
駒ヶ林
16.1km
15.7km
北神線+3区 620円 5区 350円

現行の料金表と合わないところがありますが、市営化にあたって料金表に手を入れるのではないかと思います。具体的には、区割りが変わるのと、7区以上の料金が10円値上げされているのが改定のポイントでしょうか。

乗務員

地下鉄は車掌が乗務するのに対して、北神線ワンマン運転を行っています。また、当然ながら会社が変わるので新神戸で乗務員は交代します。

市営化後はどうするのかというと、谷上まで通し乗務するのではなく、北神急行の乗務員を神戸電鉄に出向させた上で、神戸電鉄に運行を委託するという形になります。

これは、乗客の減少が予想される(箕谷あたりの乗客も北神線に流れることが予想される)神戸電鉄の営業支援を兼ねていると予想できます。

車両

現在、北神急行の車両は開業以来の7000系が更新改造を施工したうえで走り続けていますが、神戸市の予算案では「2023年度をめどに置き換え」となっており、6000形をその分追加する予定です。

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北神急行7000系

その他

現在、神戸市営地下鉄で発売している各種カードのうち、「NEW Uラインカード」は6月1日以降、谷上まで使用できるようになりますが、谷上駅では窓口での対応となります。
1日乗車券も谷上まで使用できますが、5月末までに購入したものについては6月以降に交換する必要があります。

定期券は、通学定期券の区分が神戸市は「小学生(U-15)」、「中学生(U-15)」、「高校生」、「大学生」の4区分なのに対して、北神急行は「学生」*2としてひとくくりでした。市営化に合わせて4区分となります。
神戸市営地下鉄独自の「U-15定期券*3 *4」というものがありますが、これも谷上発着のものを購入することができます。

その他、敬老パス、手回り品切符や団体扱いなどの各種規則についても、神戸市のものに準じた規則となります。

首位奪還

かつて、日本の地下鉄の駅で標高が最も高い駅は総合運動公園でした。このあたりは山の中を走っており、極端な例として、総合運動公園駅の東側で新幹線をまたいでいます。
実際の最高地点は、名谷駅の西側にある、西行線が名谷車両基地への線路と立体交差する地点で、海抜107mです。総合運動公園駅は103mです。

2015年に仙台市地下鉄東西線が開通し、その西側の終点である八木山動物公園駅(海抜136.4m)が「日本一高い地下鉄駅」の称号を手に入れました。しかも、総合運動公園駅が地上駅なのに対して、八木山動物公園駅は地形の都合により、海抜が130mもありながら地下駅となっています。

しかし、谷上駅は海抜244mあります。ここが神戸市営地下鉄の駅として営業されるようになると、「日本一高い地下鉄駅」の称号は谷上駅に移ります。

*1:JRや一部の私鉄では「運賃」と「料金」は厳然と区別されるが、公営交通の場合は他の行政サービスと同列に扱われることから、運賃を行政サービスの手数料と同じように「料金」と呼ぶことが多い

*2:私鉄の通学定期券は、大学生だろうが高校生だろうが「学生」としてひとくくりにしている社が多い

*3:一般的な通学定期券は学校から通学証明書の発行を受けないと購入できず、習い事で使う場合は対象外で通勤定期券を購入する必要があり割高だったが、U-15定期券は通学以外の用途で使う場合でも通学定期券と同額で購入でき、通学証明書が不要

*4:市バス・阪急電車阪神電車との連絡定期券は存在しない

2月はみのりん強化月間

今月は、みのりんが出席するイベントが目白押しでした。ホリプロに移籍して以来、あちこちのイベントに顔を出したり、様々なメディアで取材を受けています。

2/15 アニゲーフェス 2020 NAGOYA

名古屋港の金城埠頭にある、東海地方を代表する見本市会場として知られる「ポートメッセなごや」。ここで、アニメ・ゲーム・コスプレ・eスポーツの祭典「アニメ・ゲームフェス 2020 NAGOYA」が開催されました。

ここでは、アニソン歌手や声優が出てきて歌うステージがあり、両日のメンツは以下の通りでした。(登場順)

2/15
2/16
  • まらおバンド feat. yuji yono
  • 亜咲花(地元なので2日とも出演)
  • BOYS AND MEN 研究生
  • 松本梨香

1日1500円で、これほどの豪華なメンツのパフォーマンスが楽しめるという非常にコストパフォーマンスの高いイベントでした。
もちろん、みのりんが出るということで、名古屋まで足を運びました。

セットリスト(茅原実里
  1. TERMINATED
  2. 境界の彼方
  3. エイミー
  4. 雪、無音、窓辺にて。
  5. ハレ晴レユカイ(ソロバージョン)
  6. We are stars!
  7. Paradise Lost

衣装は、10周年記念の武道館ライブのときの使い回しで、懐かしい感じがしました。

ここ最近、「涼宮ハルヒの憂鬱」の曲を歌うことが多いのですが、まさか神戸ではなく名古屋で「ハレ晴レユカイ」を聴けるとは思っていませんでした。実はこの曲は一度も生で聴いたことがありませんでした。

また、一時期外されることが多かった「Paradise Lost」は、昨年から一転して必ず歌うようになっています。奈々さんでいうところの「ETERNAL BLAZE」のようなポジションを狙っているのでしょうか。

2/23 SANCTUARY II 発売記念イベント

2014年のデビュー10周年記念で、初めてベスト盤が発売されました。タイトルは、みのりんを世に知らしめた「純白サンクチュアリィ」にちなんで「SANCTUARY」で、ジャケットのデザインも純白サンクチュアリィに寄せています。

SANCTUARY~Minori Chihara Best Album~

SANCTUARY~Minori Chihara Best Album~

  • アーティスト:茅原実里
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: CD

2020年はデビュー15周年を記念して、第2弾のベスト盤が発売されました。

「SANCTUARY II~Minori Chihara Best Album~」

「SANCTUARY II~Minori Chihara Best Album~」

  • アーティスト:茅原実里
  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: CD

前作とは異なり2枚組であり、1枚目は前作以降に発売されたシングル曲と15周年記念ソング「We are stars!」、定番曲で構成されています。

新たな試みとして、2枚目はキャラクターソングで構成されています。個人名義の曲は、初期のごく一部を除きすべてLantisから出ていますが、キャラソンともなるとアニメの制作会社が絡んでくるため、Lantis以外のレコード会社からも多数出ています。そのため、各社の協力を得られないと発売できないのですが、その問題をクリアできたため発売にこぎつけました。

発売を記念して、東京と大阪でトークショーと特典お渡し会が開催されました。
ただ、これが単なるお渡し会ではなく、逆に客からみのりんへメッセージを送るという、双方向のイベントとなっていました。

特典を受け取る際に、その前週に名古屋へ行ってきて”ハルヒ”ソングを2曲も聞けて、地元の人間として正直にうれしかったことと、それにちなんでまた神戸でもライブをやってほしいと話しました。

さようなら鮮魚列車 -まもなくダイヤ変更-

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/sengyo.pdf

鮮魚列車はどんな列車かというと、伊勢志摩の新鮮な海の幸を届ける行商人のための貸切列車で、伊勢志摩の海産物の行商人だけが乗ることができます。

伊勢志摩の行商人たちは、昔は一般列車に混乗していたとのことですが、魚介類の臭いは強烈なもので、他の乗客に迷惑がかかるということから、貸切列車が仕立てられました。利用にあたっては「伊勢志摩魚行商組合連合会」に加入し、利用する区間の定期券と近鉄から発行された会員証、大きいものを持って乗るため手回り品切符を持って乗ります。

鮮魚列車は1963年9月21日のダイヤ変更から運行を開始し、朝は6時過ぎに宇治山田を出発して上本町に向かい、夕方に上本町を出発して松阪へ帰るというダイヤになっています。停車駅は急行どころか快速急行より少なく、鶴橋・大和高田・大和八木・桜井・榛原・名張桔梗が丘伊賀神戸榊原温泉口・伊勢中川・松阪・伊勢市のみです。これ以外の駅でも特急や快速急行の通過待ちのために停車することがあります。

(同じ区間での停車駅)
鮮魚列車:鶴橋・大和高田・大和八木・桜井・榛原・名張桔梗が丘伊賀神戸榊原温泉口・伊勢中川・松阪・伊勢市(1976年3月18日ダイヤ変更以前の急行と同じ)
快速急行:鶴橋・五位堂・大和高田・大和八木・桜井・榛原・室生口大野・赤目口~青山町の各駅・榊原温泉口・伊勢中川・松阪・伊勢市
急行:鶴橋・布施・河内国分・五位堂・大和高田・大和八木・桜井~榊原温泉口の各駅・伊勢中川・松阪・伊勢市

近鉄以外でもこの手の列車は走っており、著名なものでは京成電鉄の「行商専用列車」がありました。これは、千葉県で生産された野菜などの行商人が東京都内へ行くための列車で、鮮魚列車と同じように業界団体に加入するようになっていました。いわゆる「菜っ葉電車」です。京成線のものは、全盛期は上野行きだけではなく浅草線方面への列車も存在していたこともありました。
しかし、京成線のものは一足早く規模を縮小し、1982年から1便丸ごとではなく定期列車の最後尾1両のみという形で運行されるようになりました。1998年には浅草線方面(浅草線内は誰でも乗車可能)のものが無くなり、朝の上野行きの1本だけが残りましたが、2013年3月末をもって全廃されました。これ以降、行商人向けの貸切列車は全国でも近鉄の「鮮魚列車」だけとなりました。
近鉄とは異なり、専用車両は用意されておらず、末期には当時の最新型だった新3000形も行商専用車として走っていました。

全国で最後まで残った行商人向けの貸切列車であるところの、近鉄の「鮮魚列車」も、来たる3月14日のダイヤ変更で廃止され、代わりに朝の松阪発上本町行き急行(名張から10両編成で快速急行)の最後尾を行商人専用とする、かつての京成電鉄と同じスタイルに変わります。
とはいえ、魚介類を運ぶ車両なので他の車両は共用できません。そこで、一般列車に連結する車両ながら、目立つようにラッピングした専用車両が用意されることになりました。
その名も「伊勢志摩お魚図鑑」です。3月16日(鮮魚列車は休日は運休)から走り出します。行商人向けの貸切車両としての運行のみならず、この車両を用いたイベントも企画するとのことです。

2019年のライブ・イベント総括

平成と令和、時代の変わり目となった2019年。今年もあと5時間を切りました。

時代が変わっても、いろんな場所で、ライブ・イベントを楽しみました。

日時 公演名 会場
1/26・27 Minori Chihara Live Tour 2019 -SPIRAL- NHK大阪ホール
2/9 Minori Chihara Live Tour 2019 -SPIRAL- 一宮市民会館(愛知県)
4/6 小倉唯 LIVE TOUR 2019 「STEP APPLE オリックス劇場
7/6・7 NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019 ワールド記念ホール(神戸)
7/20・21 NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019 パルスプラザ(京都)
8/3・4 Minori Chihara 11th Summer Live "SUMMER CHAMPION" 河口湖ステラシアター
9/15 NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019 ZOZOマリンスタジアム
10/26・27 ANIMAX MUSIX 2019 KOBE ワールド記念ホール
11/18 15th Anniversary Minori Chihara Birthday Live -Everybody Jump!!- Zepp Tokyo

今年は、初めて春・夏・秋・冬に最低1回は参加したほか、みのりん・奈々さん以外のライブにも行きました。

まずは、みのりんのライブで1年が始まりました。「D-Formation」以来6年8か月ぶりのNHK大阪ホールみのりんが冬場に大阪に来ると雪が降るのですが、今回も降ってきました。ただ、そのおかげで「PRECIOUS ONE」が雪景色に映えました。
当初、大阪だけにするはずだったのですが、内容から考えると「大阪だけにするのはもったいない」と思ったので、急遽、尾張一宮にも行くことにしました。行かなかったら、一生後悔していたことでしょう。

4月、みのりん・奈々さん以外で初めて行ったのは、小倉唯のライブでした。名古屋のガールフレンドが参加するというので、大阪に来てほしいと連絡がありました。
最初は参加する気がなかったのですが、何を思ったか急遽参加することになってしまいました。唯ちゃんの曲は「Raise」しか知らないという状態で参加しましたが、特に気になりませんでした。
しかし、みのりんや奈々さんとは路線が違いすぎるため、ついていくのがやっとで、疲れました。たまに行く程度にしておいた方がよさそうです。

夏はやっぱり、奈々さんのツアーと、みのりんの河口湖ライブです。
今年は、奈々さんは甲子園以来3年ぶり、ツアーでは初めて兵庫県でやる、ということで、両日とも参加しました。7月7日という特別な日のライブでしたが、地元ということで一発でチケットを確保できました。
大阪でやらなかった代わりに、神戸と京都で2日ずつやっており、関西圏の全公演に参加しました。
こちらも、関西だけにする予定でしたが、最終的には千秋楽にも行きました。その際、前日に千葉へ行き、前日にグッズを買っておいて当日はゆっくり会場入りしました。空き時間を利用して、みのりんファンが集う店として知られる「シーズレシピ」(京王線明大前駅下車徒歩5分)へ飲みに行きました。
千秋楽では、次回のツアーがあるという発表がありましたが、まさか、今度はナゴヤドームでやるなんて思っていませんでした。

すっかり夏の風物詩となった、みのりんの河口湖ライブ。例年、中身が濃く全部書ききれないのですが、何と言っても河口湖で初めて「Celestial Diva」を聞けたのがハイライトです。
それ以外でも、神戸を離れて河口湖でのんびりと休日を過ごすというのも、いいものでした。

今年は、兵庫県でのライブがやけに多く、ゆかりん京阪神を制覇し、奈々さんとTrySailが同日に神戸でやりました。そんな中、「STARCHILD DREAM in KOBE」以来久しくアニソンのフェスをやっていなかった神戸で、ANIMAX MUSIXが開催されました。
神戸でやるというだけではなく、みのりんが出るということで、こちらも2日間とも行きました。7年ぶりとなる、みのりんの神戸でのライブパフォーマンスは、会場が大きくなったということもあって、さらに激しくなっていました。

最後は、みのりんの15周年と誕生日を祝福すべく、平日ながらZepp Tokyoへ乗り込みました。「純白サンクチュアリィ」以降のシングル曲をすべて歌っており、みのりんと共に歩んできた歴史を感じました。

最後になりましたが、各会場でお会いした皆様、今年も1年間ありがとうございました。よいお年をお迎えください。