山陰本線に223系!?

JR西日本福知山支社は、JR山陰線およびJR舞鶴線などで使用しているワンマン車両(2両編成)を、順次、223系に置き換える輸送改善を8月11日から実施し、9月1日には32両の導入を完了する予定であると発表しました。
この結果、同支社管内の約7割とJR城崎温泉駅〜JR福知山駅約6割(36本のうち22本、気動車を除く)のワンマン車両が新製車両に更新されます。
同支社での新製車両の投入は、旧国鉄時代の昭和52年に「キハ47系(気動車)」車両が配属されて以来久しく、JR発足以降では初めてのことです。
今回投入される223系車両は、JR神戸線JR京都線を走る新快速などにも使用されており、省エネルギーで安全性に優れ、バリアフリー対策を施した快適な車両環境を持つ車両です。
市民の皆さんも通勤や通学などに、ぜひ、利用ください。

豊岡市Webサイト)

JR西日本福知山支社は1日、山陰線舞鶴線福知山線普通列車に8月11日から新型電車223系を導入する、と発表した。同支社管内への新製車両投入はJR発足後初。国鉄福知山鉄道管理局時代を含めると約30年ぶりという。

同車両は東海道線山陽線湖西線で新快速などの都市間輸送に運用されている同社の主力車両。走行時の使用電力を約20%低減した省エネ電車で、車いす対応トイレなどバリアフリー対応に加え、車体側面の強化など安全対策も施している。

8月末までに福知山電車区にワンマン対応とした2両一ユニットの車両を計16編成32両配置。従来型の113、115系電車のうち、製造後約40年がたって老朽化している7割の車両を置き換え、山陰線福知山−園部間(一部は京都へ直通)と福知山城崎温泉間、舞鶴線綾部−舞鶴間、福知山線福知山篠山口間に投入する。

大西邦和支社長は「快適な車内が特徴の電車。多くの人に利用してほしい」と話している。

(「京都新聞」2008年7月2日)

なんと、山陰本線福知山城崎温泉)にこの8月から223系が投入されるとのことです。

従来、この区間では福知山電車区113系115系が幅を利かせており、編成は、113系は2両編成18本と4両編成(もと小浜線のラッシュ対策用)が1本、115系は2両編成が5本であります。今回川崎重工から出場し、4日前に西明石で目撃したのは223系5500番台の2両編成が4本。なので、2両編成が置き換え対象でしょう。9月までに2両編成16本を投入するとのこと。

223系5500番台のディテールはどうかというと、ボディーカラーこそ網干や岡山の223系と同じですが、車体は岡山の223系や521系と同じ貫通型でワンマン運転対応機器(ドアの脇に「入口」「出口」表示がある)を装備。パンタグラフはMc車に2基装備。早い話が「岡山の223系にワンマン運転対応機器と霜取り用パンタグラフをつけたもの」と思えばよいでしょうか。

ついに、ローカル線でも223系(およびその派生車種)が幅を利かせるように。小浜線加古川線125系北陸本線521系、そして山陰本線舞鶴線福知山線篠山口以北に223系…。なんか、最近の223系は313系*1E231系*2両方の性質を持っているような。

福知山113系2両編成の内訳は以下の通り。

N編成(3800番台)2両×9本

あの有名なN編成。運行区間は福知山線篠山口以北と山陰本線福知山〜豊岡・城崎温泉

改造費用を極端に削るため、クモハ113(篠山口方先頭車)が旧型国電のような顔で、まともに作る気が全くないのが丸わかり。一方で、城崎側の先頭車は、国鉄時代にすでに先頭車になっていたためかあまり手は加えられていません。

車体の番号表記こそ新書体*3になっているものの、体質改善工事は施工されていません。そのためこれは真っ先に置き換えられるでしょう。

ちなみにワンマン化までの編成はTc-M-M'cもしくはTc-Tc-M-M'c(福知山・城崎方を左側とする)でした。

S編成(5300・5800番台)2両×9本(5300番台:6本 5800番台:3本)

運行区間は山陰本線園部以北と舞鶴線宮福線嵯峨野線113系(向日町)の増結車として京都に顔を出すこともあります。

N編成とは違って、113系本来の顔を持つ先頭車にちゃんと改造されています。当初は非ワンマン車と区別するため、湘南色をベースとして窓下のオレンジと緑の境目に白い帯が巻かれていました。なお、S編成のうち2本は体質改善工事を受けています。

S編成の未更新車が7本、N編成が9本ということで、福知山113系未更新車は16本。これでちょうど数が合います。

*1:編成のバリエーションが多く、運用範囲が異様に広い

*2:派生車種が多い。直接的な派生車種ではなくともE231系で培われた技術が生かされている車両はかなり多い

*3:683系と同じ書体