3つの新塗装

新しい京阪ブランドを確立する一環として、車体の塗装も全面的に変更されました。

3ドア・ロングシート車(シティ・コミューター)

対象車両 1000系・2200系・2400系・2600系・5000系
6000系・7000系・7200系・9000系・10000系
上部 濃緑(レストグリーン)
下部 白(アーバンホワイト)
黄緑(フレッシュグリーン)


京阪線の各駅を結ぶロングシート車両。緑色は樟葉〜淀間に代表される緑あふれる沿線風景をイメージするとともに、成長・発展・若々しさといった京阪の企業姿勢を象徴しています。京阪電車の伝統色である緑を踏襲しながら白色を織り交ぜることで、新鮮な感覚でプラスしたカラーデザインです。

この塗装には2種類あり、5000系以前の車両では顔の黒い円弧がないのに対して、6000系以降の車両には付けられています。

一言でいえば「旧塗装の上下を逆転させて黄緑を帯にし、白を追加」といった感じでしょう。

一応「シティ・コミューター」という呼び名はありますが、「CITY COMMUTER xxxx SERIES」のロゴがありません。

変更は編成ごとに行われていますが、2600系以前では2編成組み合わせて編成を長くしている車両があるため、旧塗装と新塗装が混在している編成があります。

この写真を見ていただければわかりますが、大阪方の2両だけ新塗装で、残りはすべて旧塗装になっています。ちなみに、この2825号車は以前保留車だった時代に塗装試験として、3分割してすべてのパターンに塗られていました。帯なしの塗装も考えられていたようで、実際には6種類の塗装が1両に塗られていました。

3ドア・セミクロスシート車(コンフォート・サルーン

対象車両 2代目3000系
上部 紺(エレガントブルー)
下部 白(アーバンホワイト)
銀(スマートシルバー)


粋な快適空間で都市間をスマートに移動する、3ドアセミクロスシート車両。紺色・白色・銀色帯の組み合わせで、京のれんや紺袴・石庭における川の流れ、淀川水系や水都中之島中之島の都市のきらめきなどを、風流かつ現代的な感覚で表したカラーデザインです。

2代目3000系のデザインコンセプトは、沿線の風土「文化・風情の香り」に「現代的な感覚」を融合させた「風流の今様(いまよう)」。それを具現化するモチーフとして「月」が取り入れられています。具体的にいえば、各パターンに共通する顔の黒い円弧、2代目3000系に限れば屋根が高くされ、弧を描く先頭車運転席上の屋根、ヘッドレストカバー、クロスシートの持ち手に表れています。ヘッドレストカバーには「COMFORT SALOON 3000 SERIES」のロゴが打ち込まれています。

どの色が何を示すかというと、紺は水都大阪・京都の伝統と格式、白と銀は都市のきらめき・石庭における川の流れを示しています。

2ドア・クロスシート車(エレガント・サルーン

対象車両 初代3000系(現8531F)・8000系
上部 赤(エレガントレッド
下部 黄(エレガントイエロー)
金(エレガントゴールド)

2ドアクロスシートの特急用車両。雅やかなハレの気分で、京阪間をゆったり旅をしていただけるクロスシート車両です。赤色・黄色・金色帯の組み合わせで、十二単や紅葉・祝祭・金蒔絵などエレガントなイメージを連想させるカラーデザインです。

写真がないのは、新塗装車はすべて寝屋川で寝ていたためです。

どのようなイメージかというと、旧塗装の上下を逆転させて金色の帯を巻いたような感じと言えばわかるでしょうか。あと、ダブルデッカーの1階窓部分には大きな金色の円弧があります。「テレビカー」のステンレス切り抜き文字はなくなり、代わりに「TV テレビカー」の小さいステッカーがドアの横に貼られています。ただし、「テレビカー」のフォントは変わっていません。

シート地も変更され、1両ごとに色が変わっていたシートは全車両で同じ色に統一され、2代目3000系と同じ形で赤いヘッドレストカバーが付けられています。ちなみに、更新前のシート地は3種類ありました。