新「はまかぜ」!?

阪神地区と兵庫県但馬地方を結ぶJR西日本の特急「はまかぜ」への新型車両導入に伴う地上施設整備事業が新年度に着手されることになった。整備区間は、JR山陰線播但線新温泉町居組−神河町寺前間で、事業期間は2009年度から13年度までの5年間。完成すれば10分程度の所要時間の短縮が図れる。兵庫県と沿線6市町が、総事業費の8割に当たる約7億4千万円を負担する計画で、各自治体は新年度予算にそれぞれ計上する方針だ。

現在、架け替え工事が進む余部橋の活用策の一環。JR西日本事業主体で、ホームのかさ上げや信号の改良など、新型車両の運行に必要な施設整備を行う。

地元負担分のうち3分の2を県が、3分の1を沿線六市町が支出。09年度の市町別負担額は、豊岡市750万円▽朝来市480万円▽養父市283万円▽香美町337万円▽新温泉町266万円▽神河町77万円−となる。金額は各自治体の駅の数や線路の延長、乗車人員、財政規模などに応じて決まったという。

このうち新温泉町では事業期間中、町内の各駅構内にある線路の分岐点、踏切の信号施設を改良する計画。合併特例債を利用し、一般会計からJR西日本への補助金として支出するという。

県によると、新型車両はカーブや傾斜の多い但馬の地形に適したタイプ。製作費用の負担額と導入時期は調整中だが、10年秋に予定されている余部橋の架け替え工事完了後の運行を目指す方針。これにより現在3時間15分かかっている神戸市内から浜坂駅までの所要時間が短縮される見込み。

現在、はまかぜは1日3往復しているが、鳥取駅まで運行しているのは1往復のみ。このため但馬の関係自治体は、余部橋の架け替え工事完了後、3往復とも鳥取まで延長運転するようJR西日本に要望するという。

(「日本海新聞」2009年2月18日)

かつて、山岳路線や山陰本線・四国各地の特急に多用されていたキハ181系。「しなの」「つばさ」「しおかぜ」「南風」「宇和海」「しまんと」「あしずり」「あさしお」「まつかぜ」「はくと」「おき」「やくも」「くにびき」「いなば」「はまかぜ」…この15種類の列車で使われた経歴がある*1のですが、電化で「しなの」「つばさ」からはとっくの昔に撤退、四国各地の特急は「TSE」2000系やJR四国唯一の特急電車・8000系に置き換えられ、山陰本線でもHOT7000系キハ187系が投入され、「いそかぜ」は列車自体がなくなったため、「はまかぜ」がキハ181系最後の定期列車となってしまいました。

キハ181系も、さすがに30年近くたって老朽化が目立つようになり、餘部鉄橋*3の架け替えとともに線路改良も同時に行い、新車を投入することになりました。

現在の「はまかぜ」は明石〜姫路間ノンストップであるにもかかわらず、西明石加古川にも停車する新快速と同区間の所要時間が全く変わらないほか、大阪〜鳥取間は「スーパーはくと」のほうが速くて安いという致命的な欠陥を抱えているため、列車ごとなくなるのではないかと思っていましたが、経由地の違いから「はまかぜ」でないと行けないところもあります。結果として、新車を投入して残すことになりました。

で、どんな車が入るのか考えてみました。「カーブや傾斜の多い但馬の地形に適したタイプ」ということで、大出力エンジンを装備した振り子式気動車というのは大体察しが付きます。JR西日本の振り子式気動車といえばキハ187系しか手持ちがないため、普通に考えればこれをそのまま投入することになるでしょう。しかし、「はまかぜ」にはグリーン車があります。キハ187系の新形式としてグリーン車を入れるか、新たに設計するか…? ただし、「はまかぜ」のグリーン車にはだれも乗っていない(三ノ宮駅にて独自調査)ので、グリーン車がなくなっても別に問題はないでしょうかww

*1:臨時列車だけであれば「うずしお」も含む

*2:1986年11月改正で消滅したが、2003年10月改正で「スーパーくにびき」を改称する形で「スーパーまつかぜ」として復活

*3:本来は「余部鉄橋」だが、姫新線に「余部(よべ)」駅があって紛らわしいため、区別するために最寄り駅の字を借りている