山手線はオール4ドアへ

2010年度から始まるJR山手線のホームドア(転落防止用の可動式柵)設置に向け、JR東日本は16日、同線で利用されている6ドアの車両を11年8月頃までにすべて4ドアに入れ替えると発表した。

6ドア車両は1991年、混雑緩和のために導入が始まったが、最近は混雑が以前より和らいでおり、22日からは6ドア車両で平日の始発〜午前10時に行っている座席収納も取りやめる。

11両編成の7、10号車に使われている6ドア車両は計104両ある。JR東は約80億円を投じて4ドア車両104両を新造。22日に電車1本分(2車両)を入れ替えるのを最初に、毎月2、3本ずつ交代させる。

JR東によると、同線は利用者減や時差勤務の広がり、電車増発、車両容積拡大などで混雑が緩和。90年に最も混雑していた外回り・上野―御徒町駅間で274%だった混雑率は、08年に204%まで下がった。

山手線ではホームドアを10年度中に目黒、恵比寿駅に設置し、17年度までに全29駅に整備する予定。

(「読売新聞」2010年2月16日)

隣を走っている京浜東北線では、E233系に置き換えると同時に6ドア車はなくなりました。これは、京浜東北線でも混雑が年々緩和されていることや、209系0番台より幅が150mmも拡大され定員が増えたためです。実際、209系500番台(209系の幅広バージョン)は6ドア車がありません。

山手線では、205系で初めて導入されました。当時は10号車だけで、過渡期には先頭車に「11CARS」ステッカーを貼っていましたが、全編成にサハ204が組み込まれると同時にはがされました。京浜東北線での例を考えると、E231系に6ドア車は必要なさそうですが、どういうわけか2両(7・10号車)に増やされました。

ただ、山手線にホームドアを設置するにあたって、ドアの数が統一されていないとまずいため、最終的には2011年までにすべて4ドア車に置き換えられます。7号車は従来のサハE231と同じですが、10号車はドアの配置が異なります。

これは、山手線と京浜東北線の並行区間では、年に数回片方の線路を使用休止して保守工事をするためで、京浜東北線の電車が山手線の線路を走ることがあります。その際、旅客案内上支障をきたさないよう1〜10号車の位置を揃えているのですが、E233系は先頭車に衝撃吸収構造を備えている関係で1か所だけドアの位置がずれており、10号車(山手線:サハE231 京浜東北線クハE233)はドアの配置をそろえる必要があります。

ただし、クハE230とクハE232でもドアの配置が異なりますが*1、それについてはどういうわけか触れられていません。

東北縦貫線が開通すると?

現在、東京〜上野には山手線と京浜東北線しか走っていませんが、2013年には東北縦貫線が開通し東北本線高崎線中距離電車が東京駅まで、東海道本線中距離電車上野駅まで乗り入れてくることになっていますが、これにより山手線・京浜東北線ともに混雑が緩和されると予想されています。これで6ドア車はいらなくなるでしょうか。

東北新幹線が開通するまでは、東京〜上野には山手線・京浜東北線のほかに回送線が引かれており、かつては東北本線高崎線常磐線中距離電車が新橋まで乗り入れていたことがあったほか、優等列車も東京駅まで乗り入れていたことがありました。ただ、東北新幹線の工事のため1983年には線路が分断され、空いた土地が新幹線の用地に転用されたまま現在に至ります。

*1:E231系の通勤タイプは衝撃吸収構造ではない