東日本大震災で、常磐線新地駅に停車中津波に巻き込まれたE721系2編成ですが、最近になって解体して撤去する様子がABCテレビのニュースで流れました。そこで、番号が見えましたが、よく見ると「クハE720-1」。つまり、仙台地区の旧型車を一掃するために2006年〜2007年に投入された第一陣(P1〜P39編成)で、しかもトップナンバー*1であります。また、別の報道では「クハE720-19」の文字が見えます。つまりP19編成も被災したのがわかります。ちなみに、昨年投入されたのは仙台地区のワンマン化用で、P40〜P44編成。
なので、「1年たたないうちに廃車」ということではありませんが、トップナンバーがなくなってしまったのです。被害状況からすると、使える部品を再利用して修理扱いで代替新造はできず、完全新造という形で復旧するでしょう。また、番号にしてもP45・P46編成になるか、同じ番号で復旧するかのどちらかになります。なお、阪神8000系の代替新造車は元の番号に+300しています。
車両の復旧よりも、路線自体の復旧はどうなるのかというと、海岸沿いの路線では復旧のめどが立たないのです。常磐線は四ッ倉以南*2と岩沼〜亘理で復旧し、亘理〜相馬でバス代行を実施していますが、四ッ倉〜鹿島は福島第一原発の30km圏内で被害状況の調査すらできない状態であります。また、仙石線は仙台市内の区間を先に復旧させ、近いうちに東塩釜まで復旧できるのですが、東塩釜から先は地上設備が全滅してしまい、復旧するとなると実質的に新線を建設するのと同じなので、復旧のめどがつきません。復旧するとなっても数年はかかります。復旧構想として「内陸寄りに線路を付け替える」という案が出ています。
ところで、仙石線といえば多賀城駅周辺の連続立体化が進行していますが、これはどうなるでしょうか。
P1編成
※2編成とも、仙台着は翌日