JR西日本の新しい博物館

http://www.westjr.co.jp/press/article/2012/12/page_3027.html

JR西日本の博物館は、弁天町にある「交通科学博物館(旧・交通科学館)」と京都・梅小路公園にある「梅小路蒸気機関車館」があります。近年では、JR東日本が大宮工場のそば*1に「鉄道博物館」、JR東海が金城埠頭に「リニア・鉄道館」を開館し人気を得ています。

で、JR西日本はどうかというと、2009年ごろに「梅小路蒸気機関車館を拡張し、交通科学博物館の展示物を一部移設して新たな博物館を設置する」という構想が出たことがありましたが、あくまで構想の域を出ないものでした。ただ、交通科学博物館大阪環状線の高架下という立地上これ以上の拡張は難しく、また開館から50年経っており老朽化という問題に直面しています。万世橋にあった交通博物館も、同じような理由で閉館し大宮に移転しました。

しかし、先日正式に「2016年春のオープンを目指して、梅小路に新たな鉄道博物館を設置する」とJR西日本から発表がありました。やはり、実質的には梅小路蒸気機関車館を拡張・リニューアルの上SL以外の鉄道車両も扱うようで、完成すると延床面積は3.1万平方メートル、展示車両は50両にも上り、大宮の鉄道博物館やリニア・鉄道館を上回る「日本最大の鉄道博物館」の座を手にすることになります。

大宮の鉄道博物館は大宮工場と線路が繋がっており、これを介して展示車両の入れ替えを行えるのですが、梅小路蒸気機関車館はこれ自体が「梅小路運転区」という車両基地になっています。なので、同じように本線から直接車両を取り込むことができます。

アクセスに難あり

梅小路公園へは、京都駅からバスで「梅小路公園前」まで行ってそこから徒歩5分、もしくは丹波口駅から徒歩15分と、あまりアクセスが良いとは言えません。交通科学博物館(弁天町駅下車すぐ)と比べるとアクセスの悪さが際立っています。

ただ、1994年に全国都市緑化フェアが梅小路公園で開催された際、山陰本線(京都〜丹波口)に「緑化フェア梅小路」なる臨時駅を設置していたことがありました。そのため、この駅を常設化の上復活させることで梅小路公園へのアクセスが大幅に改善されます。

梅小路公園には、京都水族館がこの3月にオープンし、これに鉄道博物館の客が加わるとバスではさばききれなくなるのは目に見えているので、山陰本線の新駅は必要となってきます。

展示車両

イメージ図を見る限り、以下の6車種は決定したようです。

  • C62
  • 80系(湘南型)
  • 0系
  • 500系
  • 489系
  • 583系

このほかにも、もともと梅小路蒸気機関車館にあるSLや、交通科学博物館から移設する車両もあるでしょう。博多総合車両所にある「WIN350」や、吹田工場にある52系(クモハ52001)・103系クハ103-1)も展示されるでしょうか。

*1:もとは車両解体場で、さかのぼると川越線気動車基地だった