26年ぶりの新顔

 神戸市営地下鉄西神・山手線で16日、26年ぶりの新型車両6000形の運行が始まった。午前10時7分に西神中央駅(同市西区)を出発する第1便には、多くの鉄道ファンらが乗車した。2022年度までに全28編成を入れ替えるという。

 デザインは市民の投票で決定。車いすやベビーカーの優先スペースを全車両に設け、ホームと車両との床面の段差を緩和した。座席にはくぼみを付け、立ち上がりやすいようポールも設置している。車両同士の仕切り扉は全面ガラスにし、見通しの良さを確保した。

 ドア上部の表示板を液晶画面にし、4カ国語で案内を伝える。神戸市外国語大と神戸芸術工科大が協力し、偉人の名言を画面に流す「知可哲のことば」を実施する。

 同市西区の男性(32)と長男(4)、長女(2)は先頭車両で乗り心地を体感。長男は「これまでの車両で一番格好良い」。男性は「ホームとの段差が小さく、小さな子ども連れだと乗りやすい」と話した。(村上晃宏)

(『神戸新聞』2019年2月16日)

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6129F(西神南にて)

昨年3月に第1編成が完成して名谷車庫へ搬入され、ほぼ1年かけて試運転を行っていましたが、ついに昨日デビューを果たしました。

神戸市営地下鉄西神・山手線では3000形(1993年)以来26年ぶりの新型車両となる6000形。開業以来車両の置き換えはされておらず、第1期区間名谷~新長田)が開業時の車両が足回りを改造して今でも走っているのですが、登場から40年以上経過して老朽化が目につくことや、三宮駅を皮切りに全駅にホームドアを設置することになり、それに対応できる車両が必要になったことから、これを機に6000形への全面置き換えが決定しました。

26年ぶりの新型車両ということもあり、さまざまな面で変化が見られます。

  • 車内案内表示装置のLCD化(神戸市営地下鉄では初)
    • 画面デザインは東京メトロ16000系のような動くタイプ
    • 関西に多い千鳥配置で、LCDがない側には「こちら側の扉が開きます」「反対側の扉が開きます」の表示器がある
  • インバータ制御装置の改良(日立ハイブリッドSiC*1
  • モーターの改良(全密閉型)
  • 車いす・ベビーカー用スペースを全車に配置(以前は3・4号車のみだった)
  • 日よけは一般的なロールカーテン(以前は阪急電車のような鎧戸だった*2
  • 無塗装のアルミ車体にカラーテープを貼り付け
  • ドアブザーではなくドアチャイム
    • 音はJR東日本の一般車両と同じで、回数が多い
  • ロングシートは9人掛けのバケットシート
    • 両端には大型の衝立があり、ポールで3人ずつに区分されている
  • JR東日本の首都圏の電車よろしく、ドアの脇に号車番号のシールが貼られている
  • 動力車は3両(北神急行7000系と同じ配置)
  • シングルアームパンタグラフ
  • 行先表示はLEDで、運行番号も表示される
  • 各種照明類のLED化
    • 従来の車両でも一部実施済みだが、前照灯までLED化したのは6000形が初めて
  • 全車両間にガラスの貫通扉を完備
    • 従来の車両は、2・3号車と4・5号車の間のみ貫通扉があり、それ以外は扉がなかった
1 Tc1 2 M1 3 M2 4 T 5 M3 6 Tc2
西神中央 6100 6200 6300 6400 6500 6600

このように変更点が多い一方で、車両番号のフォントは市電譲りのものであるほか、パンタグラフは2・5号車に2個ずつ搭載、非常用貫通扉は横への開き戸*3、座席の布地もグリーンであるなど、従来車から変更されていない点もあります。

車両番号は29から始まっています。全面置き換えなので、ポートライナーのように1から振り直すかと思っていましたが、そのまま続いていくようです。

以前からよく言われていたのが「東京メトロ16000系に似ている」ということです。確かに、アルミ無塗装の車体に緑のテープを貼り付けていることや、ドアチャイムの音、川崎重工業にて製造、そしてデザイナーは奥山清行と、共通点は多数あります。ただ、極端に似ているかというとそうでもなく、幕板と屋根肩部に緑と黒のテープが貼られており、そこに16000系の面影があるというぐらいでしょう。

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車両間の貫通扉。このロゴに見覚えが…

近年の車両ではよく見られるガラス製の車両間貫通扉ですが、ぶつからないようガラスに模様をつけています。その模様が、「TRAIN SUITE 四季島」のロゴを彷彿とさせます。
余談ですが、デザイナーが同じ六甲ライナーの3000形は先頭車の逆スラントノーズが“四季島”を彷彿とさせます。

2022年度までの4年計画で従来車と同数の28編成を投入し、全車両を6000形に統一する予定です。

また、オリックスの試合が今シーズン初めてほっともっとフィールド神戸で開催されるのは4月18日です。観客輸送に投入されるのは早ければこの日になりそうです。

*1:西神・山手線の歴代車両はすべて日立の制御器を使っている

*2:実は当の阪急も、鎧戸はとっくにやめており、近年の新造車は上から、改造車は下から出すロールカーテンが付いている

*3:神戸市営地下鉄でも、海岸線の車両はスライド式プラグドアが付いている。北神急行7000系も開き戸

Minori Chihara Live Tour 2019 -SPIRAL- 尾張一宮

今回は名古屋じゃなくて尾張一宮 みんな、でら好きだがや!

前回、大阪で2日間参加して、「これは大阪だけにしておくのにはもったいないな、どこか行きたい!」となりました。

折しも、尾張一宮でライブの予定があり、しかもチケットもまだあるということだったので、神戸市営地下鉄6000形試乗会が外れてスケジュールが空いたこともあり、チケットを買って行ってきました。

今回は初の試みとして、ホテルにパソコンを持ち込んで終演後すぐ書いています。

セットリスト

1
2 ENERGY MAKER
3 夢幻SPIRAL
4 赤い棘のギルティ
5 Little Wing
6 境界の彼方
7 PRECIOUS ONE
8 みちしるべ
9 奇跡
10 金魚
11 アイアイ愛してるよ♡
12 SELF PRODUCER
13 Remained dream
14 勇気の鼓動
15 Hopeful "SOUL"
16 CRADLE OVER
17 声もなく始まる世界
18 Paradise Lost
19 言の葉
E1 シャラララ
E2 Final Moratorium
E3 Freedom Dreamer

どうして尾張一宮

東海地方でのライブといえば、大概名古屋でやるのですが、今回は愛知県内とはいえ、ほとんど岐阜寄りの尾張一宮でやりました。

その理由として考えられるのは、名古屋市内の主な会場は改修工事に入ることから、名古屋市内で会場が不足しているためとも言われます。日本ガイシホール名古屋市公会堂愛知県芸術劇場は改修工事に入っており、愛知県勤労会館愛知厚生年金会館が閉鎖され、さらに名古屋市民会館も新築移転の構想があるため、名古屋市内に会場がない状態です。センチュリーホールぐらいしか使えないとも言われています。

奈々さんなら「ナゴヤドームでやればいい」となるのですが、みのりんだとそうもいかないので、名古屋市外で探して…というのが実態でしょうか。

読み勝ち

7曲目と、アンコールの2曲目は日替わり枠ですが、7曲目は「優しい忘却」と「PRECIOUS ONE」が交互になっています。大阪の初日は「PRECIOUS ONE」、2日目は「優しい忘却」でした。八王子では「優しい忘却」だったので、交互になっているということがわかりました。ということで、尾張一宮では「PRECIOUS ONE」だろう、と読んでいました。

そうしたら、本当に「PRECIOUS ONE」でした。このためだけに尾張一宮まで足を伸ばした甲斐がありました。

そわそわしてたらキマシタワー

アンコールの2曲目は、各公演で全部違います。今回は「Final Moratorium」でした。
生で聴けたのは、Innocent Age(横浜)と、Take the offensive(大阪2日目)以来です。

また飛ばしちゃった

先日、大阪で「金魚」の歌詞を飛ばしてしまいましたが、今度は「みちしるべ」の歌いだしをとちって、「あなたの声が…」のところを「一羽の鳥が…」としてしまいました。

みのりんから電話が!

今回のグッズに「37カード」というものがあります。これは、書いてある電話番号にかけるとメッセージが聴けるというもので、このツアーで初めて売り出されました。

大阪で2種類とも買ったのですが、「尾張一宮も行くかも?」ということでまだ聞いていませんでした。

みのりんが自分の携帯電話にかけてくるという感じでした。もう幸せです。

一宮ときたら…

ケニーの話のネタとして、「今回は尾張一宮だが、神戸には三宮、そして神奈川県には二宮がある」という話をしていました。
そこで、「そういえば、今回は一宮だけど、7年前に三宮でライブやったな」と思い出しました。

そして、東海道本線には一宮駅尾張一宮駅)・二宮駅三ノ宮駅が全部そろっています。うまい具合に、JR本州3社で1つずつ分けられています。

「四宮」は京都市山科区大阪府門真市にあります。それ以降のはわかりません。唯一、七宮は神戸市兵庫区の東の端にあるのをつかんでいます。

ちなみに、愛知県内には尾張一宮(中島郡一宮町一宮市)のほかに三河一宮宝飯郡一宮村一宮町豊川市)があり、「間違えて三河一宮に行ってしまった人がいたのではないか」と思いました。

さらに、JR東海だけで「一宮(一ノ宮)」駅が3つもあります。*1

*1:遠江一宮駅は、二俣線国鉄分割民営化直前に第三セクター天竜浜名湖鉄道」に転換されたため、JR東海の駅だったことはない

Minori Chihara Live Tour 2019 -SPIRAL- 大阪2Days

みのりんの美しさは、半端じゃない。

6年と8か月ぶりに、「ジャパン・オオサカ・バンバチョウ・キンジョ」のNHK大阪ホールへ、みのりんが帰ってきました。

セットリスト

1日目(1/26) 2日目(1/27)
1
2 ENERGY MAKER
3 夢幻SPIRAL
4 赤い棘のギルティ
5 Little Wing
6 境界の彼方
7 PRECIOUS ONE 優しい忘却
8 みちしるべ
9 奇跡
10 金魚
11 アイアイ愛してるよ♡
12 SELF PRODUCER
13 Remained dream
14 勇気の鼓動
15 Hopeful "SOUL"
16 CRADLE OVER
17 声もなく始まる世界
18 Paradise Lost
19 言の葉
E1 シャラララ
E2 輪舞-Revolution- 詩人の旅
E3 Freedom Dreamer

雨どころか雪

どういうわけか、この時期にみのりんが大阪に来ると、雨どころか雪が降ってきます。ANIMAX MUSIX 2017でもそうでした。

ただ、そのおかげで、後述するあの曲が映えました。

どうして大先生がいなかったのか

このツアーでは、いつも必ずみのりんのライブに出てきている大先生が、先週の八王子公演のみ欠席しており、今回の大阪公演が初登場でした。

すでに勘のいい人はお気づきだと思いますが、みのりんが八王子でライブをやっているときに、奈々さんはさいたまスーパーアリーナでフルオーケストラコンサートをやっていました。
いつも、奈々さんのフルオーケストラコンサートには大先生…ではなくムッシュコンサートマスターとして参加していますが、今回も奈々さんとこに行ったため、みのりんのは欠席、ということになりました。

大先生によると「1年前からスケジュールを押さえられており、みのりんとこは欠席せざるを得なかった」のことです。しかし、代役は立てず大先生のポジションは八王子のみ空席としていました。

ちなみに、奈々さんとこでの大先生はおとなしめとのことです。
そういえば、東京ドームでは奈々さんに「とあるところでは大先生と呼ばれている」と、河口湖でみのりんETERNAL BLAZEを歌ったときは「ここにムッシュもいる」といじられていたような。

何が何でも聞きたかった歌

みのりんの曲で好きなのは多数ありますが、なかなか聴けない曲がありました。
「PRECIOUS ONE」です。冬にぴったりのラブソングなのですが、冬場にライブに行くことがほとんどないせいか生で聴く機会が全くありませんでした。

7・8曲目は、大先生が「座って聴こう」と提案したので、座って聴くようになっていましたが、PRECIOUS ONEはまさに、何もなしで座って聴くのがふさわしい曲です。
2015年のFCイベントやSongful Daysで、アレンジされたものは聞けましたが、オリジナル版を生で聴くのは初めてでした。なんというか、12年ファンを続けてきたのが報われたような感じがします。

このほか、Paradise LostのB面に入っている「勇気の鼓動」や、CRADLE OVERなど、今まで生で聴きたかったのになかなか聴けなかった曲が聴けました。

通路側はいいことがある

1日目の座席は通路側でしたが、アンコールの「シャラララ」で、みのりんが客席にやってきて歌うという演出がありました。河口湖では何度かありましたが、関西では初めてです。
当然、みのりんがすぐそばにやってきました。

初日だけでこんなに!

初日からいろんなことがありました。

  • 「PRECIOUS ONE」が聴けた
  • 「勇気の鼓動」が聴けた
  • 「CRADLE OVER」が聴けた
  • みのりんがすぐそばにやってきた

そして極めつけは、「みのりんガチャ」でサイン入りパンフレットが当たったことです。

歴史は繰り返す

2日目の「金魚」ですが、みのりんが歌詞を飛ばしてしまい、観客が代わりに歌うというハプニングがありました。
その際、観客が代わりに歌っていました。しかも1番サビの手前まで気が付きませんでした。結局、イントロからやり直しました。

「はて、どこかで見たことがあるような…」と思いましたが、前回のNHK大阪ホールでも「Celestial Diva」の歌詞を飛ばしてしまうというハプニングがあり、それ以来です。

ライブの新戦力

ライブに欠かせないペンライトですが、電池を多数必要とします。ボタン電池の場合は切れたら交換するしかないのですが、一般的な単4の電池を使う機種の場合、このようなものがあります。

以前は乾電池を使っていたのですが、交換するたびに大量に買い込むために費用が掛かり、また処分にも困るので、いっそのこと全部ニッケル水素電池に変えて、公演前にフル充電して使うようにしよう、と考えました。

SSDって何なのだよ

近年、SSDがパソコンの新しい記憶装置として脚光を浴びています。私も、ほんの数日前に既存のパソコンに仕込むという形で導入しました。

SSDとは?

Solid State Driveを略して「SSD」と呼ばれます。Solid Stateの名の通り、半導体メモリ(フラッシュメモリ)を用いています。

これだけ書くとUSBメモリSDメモリーカードのようですが、実際フラッシュメモリを用いているのは共通しています。ただ、もともとはハードディスクの代わりになるものとして開発されているため、耐久性やアクセス速度が格段に高められています。

ただし、USBでつないで使う外付けのハードディスクがあるように、外付けのSSDというものもあり、「これはでかいUSBメモリやろ?」と思いました。

SSDの形

もともと、HDDの代わりとして登場したという経緯もあり、初期のSSDは2.5インチのHDDと寸法が全く同じでした。シリアルATAでつないで使用します。HDDから乗り換える場合は、再インストールする手間を省くためそっくりそのままクローンをこしらえて付け替えるということをやるのですが、シリアルATAとUSBのアダプターを付けてパソコンにつないで作業します。
3.5インチのSSDも以前はあったらしいのですが、あまりにも値段が高すぎる上に、シリアルATAの転送速度が頭打ちになってしまったため、今は出ていません。よって、一般的なデスクトップパソコンにSSDをつける場合、後で説明するマザーボードに直接つけるタイプにするか、2.5インチのSSDを3.5インチ用のブラケットに取り付けて使います。ノートパソコンのHDDはほとんど2.5インチのため、そのまま置き換えることができます。
シリアルATAとUSBのアダプタや、3.5インチ用のブラケットをセットにして売られていることもあります。

のちに、SSDを最初から付けたパソコンを出すことに伴って、今度はマザーボードに直接実装できる規格のものが登場しました。
最初に出てきたのは「mSATA(miniシリアルATA)」で、シリアルATAの派生規格です。したがって、転送速度は通常のシリアルATAと同じです。今回取り付けたのはこのタイプです。
mini PCI Expressとコネクタの形状、ピンの数も同じですが、互換性はありません。ただし、マザーボードによってはBIOSの設定画面で切り替えて使えるようになっており、今使っているパソコンでも基板に「mSATA/3.5G*1」と書いています。

2.5インチのSSDと比較すると大幅に小型化されており、縦50.8mm、横29.85mmというサイズです。電車の近距離切符(いわゆる“エドモンソン式乗車券”)に近いサイズです。

しかし、mSATAも元がシリアルATAなので、SSDのアクセス速度に転送速度が追いつかないという事態になってしまいました。
そこで、シリアルATAベースではなく、PCI Expressでそのままつながる新規格が提唱されました。これが「M.2(エム・ドット・ツー)」です。端子は一新されているため、mSATAなどとは互換性がありません。

M.2のSSDには寸法が数種類あります。

12・16・22・30mm
長さ 16・26・30・38・42・60・80・110mm

幅と長さを組み合わせた数字でタイプが表されます。たとえば「タイプ2280」であれば幅22mm、長さ80mmのものです。

転送速度は非常に速く、最速で32Gbit/s(シリアルATAは最速6Gbit/s)出ます。性能は非常に良いのですが、その一方で消費電力が大きく、発熱も多いという欠点があります。

代表的な2.5インチのSSD

SSDはシリアルATAが主流になってから普及しだしたため、今市場に出回っているのはほとんどシリアルATAのものなのですが、以前はこういうものも出ていました。

旧型のノートPCに仕込むという需要を当て込んで出されていました。しかし、パラレルATAは転送速度が遅いため、SSDの処理速度に追いつかずせっかくのSSDのメリットが相殺されてしまったことでしょう。

1.8インチもある

以前はもっと小さい、1.8インチのSSDもありましたが、1.8インチのHDD自体がマイナーなもの*2だったため、3.5インチのSSDと同じく消えました。

ちなみに、1.8インチのHDDのコネクタは2種類あり、いわゆる「東芝型」と「日立型」がありますが、SSDにも同様に東芝型と日立型があります。

こちらは東芝製なので、当然「東芝型」です。

代表的なmSATAのSSD

Transcend SSD 256GB mSATA3 6Gb/s 3年保証 TS256GMSA370

Transcend SSD 256GB mSATA3 6Gb/s 3年保証 TS256GMSA370

代表的なM.2のSSD

こんな形のもある

デスクトップパソコン向けに、グラフィックボードやサウンドカードのような形のSSDもあります。

外付けのSSD

なお、外付けの場合サイズや形は自由なので、このようなものも出てきています。

HDDと比較して

SSDの一番の特徴は、可動部がないことです。可動部がない分衝撃や振動に強く、さらにモーターもないため消費電力は小さくなっています。大電力を消費するのはアクセスするときぐらいです。

その一方で、フラッシュメモリの特性上あまり書き換え耐性がないことや、寿命がHDDより短いことが挙げられます。ただし、これらの欠点も一般家庭で使う分には気にならない程度になってきています。
HDDでよくやるデフラグもできません。Windows Vistaまでは、SSDがない時代のOSだったためにHDDと同じような扱いをするため、あっという間に寿命が来てしまいます。なので、SSDWindows 7以降のものでしか使用できないと思ったほうが良いでしょう。

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SSDのアクセス速度 シーケンシャルもランダムもこんなに速い!

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HDDのアクセス速度 構造上、ランダムアクセスが得意ではない

なんといっても、SSDの魅力はその速さです。ヘッドが首を振ったりすることがないため、アクセスが非常に速く、起動時間は20秒程度です。いくらCPUの処理速度が速く、メモリを大量に積んでいても、最終的にはHDDからデータを読み出さないと何もしようがないのですが、データを読み出すのに時間がかかると全部揃うまで待たないといけなくなり、パソコン全体の動作が遅くなります。SSDに替えると速くなるというのは、データの読み出しが非常に速くなって必要なデータをすぐ揃えられるためです。

いいとこどりを狙って

SSDが非常に高かった時代、SSDとHDDの両方のメリットを持たせることを狙って「SSHDSolid State Hybrid Drive)」や「ハイブリッドHDD」というものがありました。
これは、簡単に言うとHDDの中にSSDを入れたもので、HDDの大容量と、SSDの高速アクセスという利点を両方受取ろうというものです。

たとえば、OSはSSDに入れて文書・写真・音楽などのデータはHDDに入れる、使う頻度の高いデータをSSDに入れて素早く出せるようにする、という使い方が考えられます。

しかし、SSDが安くなってきたことと、HDDより高いということもあり、あまり普及しませんでした。

*1:mini PCI Expressに対応した3.5Gの通信モジュールをつけて使うことを想定している。バッテリーを外すとSIMカードスロットがある

*2:とはいっても、iPodウォークマンのHDDは1.8インチだった。このほか、小型のノートパソコンに使用されていることがある

起動が速くて、デスクもすっきり

今使っているノートパソコンは2015年に購入しました。オリジナルのスペックは以下の通りです。

CPU Intel Core i7 4710MQ(2.5GHz・4コア)
OS Windows 7 Professional(Service Pack 1)
HDD 1TB(2.5インチ・厚さ9.5mm・SATA
メモリ 8GB(DDR3L-1600 S.O.DIMM)
無線LAN IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯のみ)

これまでに、いろいろな改造を施してきました。

外付けHDDの交換

外付けHDDは、パソコンを買い替える前から使い続けてきたものを流用しましたが、長く使い続けていくうちにアクセスが遅くなってきました。

このまま使い続けるとHDDが痛んでしまい、データを出せなくなる恐れがあったため、買い替えることにしました。
このパソコンには、USB3.0のポートが付いているため、以前のUSB2.0までしか対応していなかったHDDより高速アクセスができるUSB3.0対応モデルを購入しました。
また、容量も2倍になって余裕ができました。

ただ、前のHDDがボロボロになっていたせいで、移し替えに時間がかかりました。

無線LANカードの交換

自宅のインターネット回線をADSLから光回線に変えるのにあたって、無線LANボトルネックになることが予想されたため、無線LANルーターを買い替えました。

しかし、オリジナルのままでは周波数帯が2.4GHzにしか対応しておらず、どう頑張っても300Mbpsまでしか出ないために意味がないということになりました。USBにつなぐ子機を使うという手もありますが、ノートパソコンなのであまりUSBポートの無駄遣いはできません*1

そこで、Amazonを探ってみると、無線LANカードがバルク品として売られていました。買ってきて付け替えられることが判明したため、付け替えて高速化しました。5GHz帯(IEEE802.11ac)に対応しており、最大で866Mbps出ます。

これは、無線LANのみならずBluetoothも対応しています。予定外のBluetooth対応でしたが、使わない手はないということで、こんなものも導入しました。

メモリの増設

8GBでも十分動くのですが、余裕を持たせるという意味もあり8GBのものをもう1枚買ってきてつけました。

まだ問題が残ってる

これまでに上記のような改造工事を行いましたが、最後までこのような問題が残っていました。

  • HDDから起動しているため、安定するまでに3分かかる
  • 外付けHDDが倒れやすい(最初は寝かせて置くことで解決しようとした)
    • 外付けHDDが3.5インチのため、倒れるからといって寝かせて*2置くと場所を取る

この改造工事にあたって、何度もパソコンの底のカバーを開けて見ていたので以前からわかっていたのですが、空いているスロットが1つありました。これは何かと調べてみると、mSATA(mini serial ATA)のスロットで、ここにSSD(Solid State Drive)が入るということもわかりました。

SSDを導入すると、一気に問題が解決します。ただし、SSDの特性上あまり頻繁な書き込みには向いていないため、システムのみSSDに入れることにしました。

どのようにするのかというと、下のような3ステップです。

  1. SSDを装着し、システムをHDDから移行する
  2. もともと入っていたHDDを外して場所を空ける
  3. 空いた場所に大容量のHDDを装着し、外付けHDDからデータを移動させる

いわゆる「デュアルストレージ」にしようということです。ノートパソコンはHDDが1台しか入らないのが普通*3ですが、SSDマザーボードにつけられるとなると、SSDとHDDを1個ずつ使ってデュアルストレージを簡単に実現できます。

なので、巷でよく言われる「SSDに替えると速くなる」ということで乗り換えを決断したわけではありません。本質は「デュアルストレージにする」ということで、SSDを使うのはそのプランを実現させるための手段でしかありませんでした。結果的に処理が速くなったというだけのことです。

SSDを導入

Transcend SSD 256GB mSATA3 6Gb/s 3年保証 TS256GMSA370

Transcend SSD 256GB mSATA3 6Gb/s 3年保証 TS256GMSA370

今はM.2規格のSSDが主流になっていますが、取り付けられるのはmSATAのSSDか、2.5インチHDDと同じサイズのSATAで接続するものです。しかし、2.5インチのSSDを入れると当初の目的*4から逸脱するため、mSATAのSSDしか選択肢がありません。
端子の形状が違う*5のもさることながら、M.2のSSDはカードのサイズが大きいものがあり、取り付けられません。1世代前の規格なので売っていないだろうと思ったら、「丸い緑の山手線」でおなじみのカメラ屋さんの通販で売っていて、ポイント増量セールをやっていたのですぐに注文しました。

マザーボードに取り付けて、BIOSで認識していることを確認したうえでフォーマットし、メーカーから配布されているユーティリティソフト(Transcendでは「SSD Scope」)を使って起動用のHDDの中身をそっくりそのままコピーすると使えます。環境にもよりますが、2時間程度あれば移行できます。

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Transcend SSD Scope(システムクローンをこれで作る)

すると、もともと入っていたHDDを外せます。HDDのスペースが空くため、今度は外付けで場所を取っていたデータ保存用のHDDを内蔵させます。

こちらも、外付けHDDからそっくりそのまま中身をコピーして使いました。これで、ディスク類を完全に内蔵させることができ、通常時はUSBポートを全く使わないようになりました。
ちなみに、厚さ9.5mmの2.5インチHDDで2TBのものとなるとこれぐらいしか選択肢がありません。近年の2.5インチHDDは、ノートパソコン用は厚さ7mm*6のものが主流となっており、スペーサを貼り付ける必要があります。スペーサの購入費用を節約するため、9.5mmのものを探していました。

外付けのHDDはどうするつもりかというと、BDデッキにつないで録画用にしようかと考えています。

  Before After
CPU Intel Core i7 4710MQ (現状維持)
OS Windows 7 Professional
Service Pack 1)
(現状維持)
起動ディスク 1TB HDD 256GB SSD
データ保存ディスク 2TB HDD(外付け) 2TB HDD(内蔵)
メモリ 8GB 16GB
無線LAN IEEE802.11b/g/n
(2.4GHz帯のみ)
IEEE802.11a/b/g/n/ac
(5GHz帯にも対応)
Bluetooth (非対応) Ver. 4.0

買った時からそのまま残っているのはOS・CPU・8GBのメモリ1枚だけで、残りはすべて手を加えたため、オリジナルとはかなり変わってしまっています。

特に、SSDに交換したことにより起動が著しく速くなりました。以前はログイン後の処理も含めると3分以上かかっていたのが、1分以内で使えるようになりました。起動速度は実に4倍です。

*1:デスクトップ機だったら、拡張カードを買ってきてUSBポートを増やせる

*2:近年の外付けHDDは、PCの周辺機器だけではなくAV機器としての側面もあり、テレビ台に寝かせて置くことも想定して縦横どちらでも置けるようになっている

*3:一部の大型機で、HDDが2台入るものはある

*4:データ保存用のHDDもパソコンに内蔵させて省スペース化する

*5:端子部の切欠きが、M.2は2つあるのに対して、mSATAは1つだけ

*6:他に、サーバー用に15mm厚のものがある