きんてつ鉄道まつり2019 in 五位堂&高安

関西の鉄道会社の秋の風物詩*1ともいえる、車両工場の公開イベント。今年も近鉄へ足を伸ばしました。

ここ最近、何らかの用事で近鉄電車に乗ることが年に一度あります。(2017年…伊勢の花火大会 2018年…奈良観光 2019年…パルスプラザで奈々さんのライブ)

高安でも体感

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カップホルダーを出した状態の「ひのとり」プレミアムシート

来春のデビューを間近に控えた、新型名阪特急「ひのとり」号。デビューに先立って、沿線の各地でプレミアムシートに座れるというイベントを実施しています。
既にあべのハルカスで体感してきましたが、改めて高安で体感しました。

前回撮り損ねた、カップホルダーを出した状態の写真があります。

大阪エリアでの体験会は終盤に差し掛かっており、11月からは名古屋地区での体験会が始まります。

メモリアルイヤー

今年から来年にかけて、近鉄のメモリアルイヤーが続きます。

これらはすべて、1970年の大阪万博に向けての一大プロジェクトとして展開されました。特に、奈良駅の地下化、難波線鳥羽線の建設、志摩線標準軌化は近鉄の社内では「万国博関連三大工事」と呼ばれています。

奈良駅地下化

奈良線は開業以来、奈良市内の関西本線より東側は国道369号の上を走っていました。ところが、この時期にもなると自動車が増えて渋滞がひどくなり、さらに新生駒トンネル・新向谷トンネルが開通して奈良駅まで大型車両が乗り入れるようになると、道路の上を国鉄より長い大型車両が走るという本来あってはならない事態も発生しました。実際は特認を得ており、道路の上を大型の電車が走ること自体は問題視されませんでしたが、将来的に編成を伸ばしたりするとなると、何らかの対策も必要となりました。
そこで、奈良県奈良市の都市計画として、近鉄線を地下化して、空いたスペースを用いて道路を広げることになりました。

工事は1968年に着工し、1969年12月に完成しました。奈良という土地柄、地下を掘ると何が出てくるかわからないのに、よく2年弱で地下化できたと思います。

地下化前は、関西本線をまたぐ場所*2に「油阪駅」がありましたが、西側から潜るようになったため廃止され、代わりに新大宮駅が開設されました。

その直前の9月21日に、奈良線京都線など電圧が600Vだった路線は一斉に1500Vへ昇圧されました。
余談ですが、奈良線大阪線が線路を共用していた時代の上本町~布施は600Vで電化されており、1500Vで走ることを前提に設計された大阪線の電車はノロノロ運転を強いられ、やむなく今里駅を通過して時間調整をしていました。この問題は、1956年に上本町~布施が複々線化されて解消されました。

難波線開業

近鉄の難波乗り入れ構想は大正時代からあり、古くは1922年に大阪府へ乗り入れ許可を願い出ていますが、このときは却下されました。

戦後、阪神と共同で野田阪神と上本町を結ぶ新線の計画を立てていたこともあり、近鉄の難波乗り入れ構想とリンクしましたが、ここでも大阪市の横槍が入って実現しませんでした。その際に大阪市が計画したのが千日前線で、野田阪神~鶴橋は当初近鉄阪神が考えていたルートとほぼ一致します。

その後、近鉄(特に奈良線*3の乗客が爆発的に増えて、上本町駅*4がパンク状態になるなど、難波乗り入れは急務となっていました。大阪市近鉄阪神の対立によりなかなか計画が進まず、果ては大阪府近鉄阪神の味方に付くなど泥沼化の兆しが見られたため、日本政府は都市交通審議会を開いて仲裁に入り、1958年にようやく近鉄の難波乗り入れが認められました。

その後2009年に、西側も「阪神なんば線」として完成し、近鉄電車が神戸へ、阪神電車が奈良へ足を伸ばすようになりました。
西側は西側で、1964年に西九条までとりあえず開業させたあと、1967年に第2期区間(西九条~難波)の工事に取り掛かりましたが、九条商店街の猛反発にあい、そのまま工事は中断し、その後は阪神本線の需要が低迷したことや、2度にわたるオイルショックで建設費が高騰し、とても自社の単独事業では建設できない状態にまでなってしまいました。なお、近鉄難波線近鉄の単独事業として実施されています。
その後、一転して九条商店街が活性化のために延伸を求めてくるようになったことや、予定地の近くに大阪ドームが建設されたこともあり、延伸計画は再始動しました。その際、線路を大阪ドームに寄せて、さらにドームの近くに駅を追加しています。また、延伸事業も上下分離方式を採用して、近鉄阪神などが出資する第三セクター会社「西大阪高速鉄道」を立ち上げて事業主体とし、運行に関する業務は阪神で行っています。

難波線が開業してからは、それまで上本町発着だった奈良線の電車はすべて難波まで乗り入れるようになり、一般的には奈良線の一部として認識されています。特急は名阪特急がメインで、伊勢志摩方面行きは一部が難波発着になった程度でした。

1991年までは、建設費を回収するため通常運賃に20円を加算していました。ただし、1991年に加算運賃が廃止されて値下げされたかというとそうではなく、通常運賃が値上げされました。*5

同時期に、座席予約システム(JRでいうところの「マルス」)が第2世代のものに更新され、窓口端末に特急券の発行機能が付いて、画面に出た座席番号を書き写す手間が省けて迅速な発券業務が実現しました。以前のシステムでは特急券を発行することができず、画面に出た座席番号を特急券の用紙に書き写していました。

鳥羽線開業・志摩線標準軌

かつて、近鉄の路線網は宇治山田~鳥羽が歯抜け状態で、鳥羽へ向かうには伊勢市駅参宮線に乗り換えを必要としていました。
また、志摩線は当初「志摩電気鉄道」という近鉄とは無関係の地場系の会社が運行していたのを、三重交通を経て編入した路線であることから、長らく他の近鉄線とは接続しておらず、電圧も750Vと低く、軌間参宮線に合わせて(貨物列車を直通させるため)1067mmでした。

1960年代に入って、近鉄は伊勢志摩の観光事業に力を入れるようになり、手始めに宇治山田~賢島の特急バスを運行しました。
宇治山田駅の1番線の隣にバス停を設置し、大阪・名古屋からの特急にバスを横付けして、宇治山田に到着後すぐバスに乗り換えて賢島へ向かえるようにしましたが、今後伊勢志摩の観光開発を円滑に進めるには、近鉄特急でそのまま賢島まで行ける方がいい、ということになって、1965年に志摩線近鉄編入されたのを機に、宇治山田~鳥羽の新線を建設し志摩線標準軌化する工事に取り掛かりました。この計画の裏側には、大阪万博に来た人たちを伊勢志摩に呼び込もう、という計算もあります。

奈良駅が地下に潜ったのと同じ時期に、五十鈴川まで単線で暫定的に開通しました。すぐに鳥羽まで複線で開業し、大阪・名古屋からの特急も走り出しました。

ちなみに、五十鈴川駅の当初の駅名は、近所の地名から「古市口」でしたが、南大阪線・長野線の「古市」と紛らわしくなるため「内宮前」としたものの、神宮や伊勢市当局の反対にあい、最終的に「五十鈴川」で決着しました。

また、全線開通と同時に、駅名に「近畿日本」*6と付いていた駅(奈良・名古屋など)は一斉に「近鉄○○」に改称されました。

快速急行のご先祖様

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左:快速急行 右:特急 どちらも8400系

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奈良線の「特急」ヘッドマーク

現在の近鉄特急は特急料金を必要とするものだけですが、昔は特急料金を必要としないものもありました。そのうちの一つが上本町(難波線開業後は難波)~奈良の特急で、現在の阪奈特急(有料)とは別物です。他に、新幹線開業前の京都~奈良・橿原神宮前の特急も特急料金は不要でした。

1956年に上本町~布施の複々線化が完成したのを機に運行を開始し、特急として走る際には鹿のヘッドマークを付けていました。途中の停車駅は鶴橋と西大寺のみで(難波線開業後は日本橋にも停車)、新生駒トンネルが開通するまでは専用車両として800系電車が用意されていました。

その後、全線で大型車両の運行が可能になってからは900系・8000系・8400系が特急運用を担うようになり、1972年に「快速急行」に改称されました。
快速急行になってからは、生駒と学園前にも停車するようになり、2000年からは新大宮にも停車しています。*7

阪神電車 in 五位堂

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甲子園行き臨時特急(虎マーク付き)

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姫路行き直通特急(板宿~三宮各駅停車、センバツ副標付き)

今年は、阪神なんば線開業10周年というメモリアルイヤーであり、阪神1000系の10周年記念特別塗装車(1210F)が五位堂にやってきました。

1000系は開業を前にした2008年にも顔を出しており、大阪線を走るのは11年ぶりです。また、開業前の試運転は新造したばかりの車両を尼崎ではなく高安に運び込んで走っていました。

近鉄の工場なのに、「甲子園」や「姫路」の表示を堂々と出していました。逆に、9000系は東二見で「大阪難波」の表示をしていたこともあります。

宙を舞う6600系

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6600系 in 五位堂

五位堂では南大阪線の電車も検査を受けており、今年はモ6603が40tクレーンの実演に供されていました。

6600系は、近鉄ではあまり見かけない界磁チョッパ制御の車両で*8、同世代の奈良線向け車両は8810系・9000系・9200系、大阪線名古屋線向けは1200系・1400系・2050系があります。6600系は2両編成が4本製造されたのみです。

かつては大阪線名古屋線南大阪線の車両は幅が狭かったため(奈良線車両や、現在の全線共通仕様車が2800mmなのに対して、この3路線の車両は2740mmだった)、1200系を1067mm軌間で走れるようにしたものととれます。

定期演奏会 in 五位堂

近鉄吹奏楽部は、毎年ここで演奏しています。実質的に、定期演奏会を兼ねていると言ってもいいでしょう。

ここでは、今年は(今年も?)どういうわけ「六甲おろし」を演奏していました。折りしも、初日は雨が降っており、サックスもいるので、奈々さんの甲子園ライブを思い出しました。

必ずやっている「近鉄特急の歌」は、3番の歌詞が変わっており、遠足の行き先がオリジナルの歌詞では奈良・名古屋・大阪だったのが、ここでは大阪の代わりに伊勢志摩となっていました。

三重交通カラー

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三重交通カラーの1430系

今年は、志摩線が開業して90周年です。これを記念して、1430系1編成(モ1438-ク1538)を三重交通の電車の色として走らせています。

志摩線は、元々は奥志摩と鳥羽を結ぶことを目的とした路線で、鳥羽から先は参宮線に乗り換えて伊勢・名古屋方面へ向かっていました。
地元有志によって立ち上げられた「志摩電気鉄道」が1929年に開業させましたが、現在とは異なり軌間は1067mm(参宮線との貨物列車の直通のため)、電圧は750Vでした。

その後、戦時統合で三重県内の中小私鉄・バス会社(三岐鉄道は除く)を三重交通に統合することになり、三重県内の私鉄は名古屋線・山田線といった幹線クラスの路線は近鉄が、その他の路線は三重交通が受け持つようになりました。なお、三重交通自体は母体となった会社が近鉄の前身企業のバス部門だったということもあり、早い時期に近鉄グループ入りしています。

三重交通自体は、鉄道は近鉄に任せてバス事業に専念しようと考えていたのか、1964年に鉄道事業を「三重電気鉄道」に分割して、わずか1年で近鉄に合併されました。
三重交通鉄道路線のうち、志摩線湯の山線と並んで大出世した路線で、標準軌化して大阪・名古屋から特急が直通するようになりました。

この色はかつての三重交通の標準色で、先に北勢線でも復刻されたこともあり、果てはバスにまでこの色(神都バス、かつて伊勢市内を走っていた路面電車・神都線の復刻)のものがあります。

フルカラーLED

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行先表示器をフルカラーLEDに交換した9020系(奈良線ver.)

関西の私鉄では、フルカラーLEDの行先表示器は阪急9000系を皮切りに一気に普及しましたが、近鉄ではなかなか採用されず、22600系の正面の表示器で採用された程度で、22000系のリニューアル・塗装変更に合わせて本格的に採用されました。

昨年から、シリーズ21で行先表示器をフルカラーLEDに交換した編成が出てきました。3220系はすべて交換されたようで、9020系でも奈良線ver.の一部に交換したものがあります。
なお、種別表示器はそのまま変更されていません。

これに合わせて、英語表記もすべて大文字だったのが、頭文字のみ大文字となるJR西日本などと同じ形式になっています。駅構内の掲示物では、先に2015年から大文字・小文字交じりになっていました。

*1:関東では春にやるところもあるが、関西は秋に集中している

*2:当時の関西本線は地上を走っており、近鉄線は築堤でまたいでいた。近鉄線が地下化されてから30年以上経って、今度は関西本線が高架化された

*3:特に奈良市生駒市の人口が急増し、増え続ける利用客に対応するため新生駒トンネルを掘って大型車両を走らせるようになった

*4:かつては奈良線も上本町駅の地上ホームから発着していた

*5:ただし、この時に運賃を改定したのは近鉄だけではない。通常、大手私鉄の運賃改定は全社一斉に行う

*6:以前は「近鉄」と略すと近江鉄道と混同されるという懸念があったせいか、「近畿日本」を付けていた

*7:各駅停車・準急のほとんどが西大寺で折り返すようになり、本数が減少する分を補うため

*8:近鉄では界磁チョッパ制御の導入が他社より遅く、逆にインバータ制御の実用化は早かったため、界磁チョッパ制御の車両は少ない

体感・令和の新たなる近鉄特急

www.kintetsu.co.jp

https://www.kintetsu.co.jp/senden/hinotori/assets/imgs/pdf_caravan.pdf

近鉄では、2020年春から名阪甲特急(かつてのノンストップ特急)に新型車両80000系「ひのとり」を導入します。名阪甲特急向けの新型車両は、21000系「アーバンライナー(plus)」以来32年ぶり、21020系「アーバンライナーnext」以来17年ぶりに投入されます。

デビューに先駆けて、この車両の最大の売りと言える「プレミアムシート」を一足先に体感できるというイベントが、あべのハルカス*1で実施されています。先日、あべのハルカス近鉄本店の2階まで行って、「ひのとり」のプレミアムシートに座ってきました。

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立てた状態の座席

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リクライニングさせた状態の座席

簡単に言うと、「グランクラス近鉄版」です。レギュラーシートも含めた全座席にバックシェルが付いており、座席を倒す際に後ろの乗客に気兼ねする必要がなくなりました。

プレミアムシートは電動リクライニング機能と電動オットマンを装備しており、座席を倒すとそれに連動して座布団が前に移動し、オットマンが出てきます。どちらか片方だけ動かすこともできます。
近鉄特急では初の装備として、シートヒーターを内蔵しています。

テーブルは、近鉄特急ではお馴染みの肘掛け内に格納しているタイプだけで、22600系や「しまかぜ」、他社の特急にあるような座席背面のテーブルは付いていません。ただし、カップホルダーが右手側についており、小さいテーブルをスライドさせるとカップを入れる穴が見えます。

このほか、アーバンライナーnextのデラックスシート以来の、耳元から照らす読書灯もついています。

プレミアムシートのシートピッチは1300mmで、これはグランクラスと同じ数値です。近鉄自身が持っていた、私鉄車両のシートピッチの最大記録を更新しました。ちなみにレギュラーシートのシートピッチは1160mmですが、これは新幹線のグリーン車と同じ数値です。

実際に座ってみると、かなり後ろまで倒せて、しかも脚を伸ばせるときているので、ほとんど横になるような感じでした。

「しまかぜ」プレミアムシートとの比較

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「しまかぜ」プレミアムシート

近鉄の最上位クラスの特急車両として、先輩格に「しまかぜ」があります。「ひのとり」のプレミアムシートは、「しまかぜ」を基本としつつ、改良を加えたものとなっています。

まず、リクライニングの動きですが、「しまかぜ」では背もたれとオットマンだけが動くのに対して、「ひのとり」では座席を倒すと座布団が前に出ます。一方で、N700系グリーン車や、近年の近鉄特急のリニューアル車で採用している「ゆりかご型リクライニングシート」はどちらも採用していません。

バックシェルとシートヒーターは「ひのとり」のみの装備で、逆に背面テーブルとエアクッションは「しまかぜ」のみの装備となっています。

シートピッチは、「ひのとり」は1300mm、「しまかぜ」は1250mmです。いずれにせよ、広いことに変わりはありません。
実は、「アーバンライナー」などのデラックスシートは、レギュラーシートとシートピッチが変わらず、座席が大きいだけのものだったりします。

その他の設備

「しまかぜ」のコンセプトを名阪特急にアレンジして作られたようで、両側の先頭車両(プレミアムシート)がハイデッカーとなっており、それに伴って大きな荷物を入れておくロッカーが同じようについています。

さすがに、1両丸ごとカフェ車両というわけにはいかなかったようで、それに代わる設備として先頭車にカフェスポットを設置しています。イメージイラストを見ると、小銭を入れて購入するコーヒーマシンと、コンビニにあるような小さなショーケースがあります。

窓は非常に大きく、「しまかぜ」と同じくらいではないかと思えるぐらいに、天地方向の寸法が大きくなっています。

名阪特急にもようやく100Vの電源コンセントが付きました。
ビジネス客が多い名阪特急なのに、21020系の開発時には設置が見送られました。その後、モバイル機器(スマートフォンタブレットetc.)が急速に普及したのに伴って、22600系ではコンセントが付きましたが、これは汎用特急で、その後にリニューアルした車両にも順次取り付けられているものの、名阪特急専用車両にはコンセントがないという状態が長く続いていました。
アーバンライナーnextから17年経って、ついに全座席にコンセントが完備されます。

料金体系

「しまかぜ」と同じくプレミアム志向が強いため、料金体系も「しまかぜ」と同じようになっています。
具体的には、運賃・特急料金・「ひのとり」特別料金の3本立てです。難波~名古屋を走破すると、レギュラーシートで200円、プレミアムシートで900円の特別料金を必要とします。
レギュラーシートで特別料金が必要になるのはこれが初めてです。ただし、新幹線の料金と比べると「それでも安い」と思えてきます。

*1:場所は週替わりで、あべのハルカス近鉄本店2階の「ウェルカムガレリア」、16階のロビー、17階のオフィスロビーのいずれかで実施

NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019 千葉

千葉で受け取り、最後のお届け物
祝・200公演

7月6日に神戸で開幕した、奈々さんのライブツアー。2か月強に渡るツアーも、遂に千秋楽を迎えました。

場所は7年ぶりとなる千葉マリンスタジアム(前回開催時の名称は「QVCマリンフィールド」)で、「ZOZOマリンスタジアム」と名称が変わってからは初めての開催です。
ここで、通算200公演を達成しました。恐らく、主要な声優歌手で200公演を達成したのは、奈々さんが初めてではないかと思います。

球場でのライブに行くのは、甲子園以来3年ぶりです。そして、ZOZOマリンスタジアムに足を運ぶのは実に7年ぶりです。ここはプロ野球の試合では行ったことがないので、7年も空いてしまいました。

セットリスト

1 WHAT YOU WANT
2 Poison Lily
3 革命デュアリズム
4 What Cheer?
5 Heartbeat
6 REBELLION
7 Naked Soldier
8 真冬の観覧車
9 New Sensation
10 Take a chance
11 SUMMER PIRATES
12 HIGH-STEPPER
13 Take a shot
14 PROTECTION
15 METANOIA
16 TESTAMENT
17 FINAL COMMANDER
18 UNBREAKABLE
19 suddenly~巡り合えて~
20 Astrogation
21 サーチライト
E1 No Limit
E2 十字架のスプレッド
E3 Born Free
E4 POWER GATE
DE ETERNAL BLAZE

オーロラビジョンを使わせてもらえた

通常、球場でのライブではオーロラビジョンや照明設備は使わず、照明は自前で用意するのが通例ですが、今回は照明こそ自前だったものの、オーロラビジョンを使わせてもらえました。
甲子園でも使わせてもらえなかったので、これは異例と言えます。もっとも、今回の舞台装置は背が低く、スコアボードに被らないので、結果的に使用できたという側面があります。

最初の2曲と、SUMMER PIRATES、UNBREAKABLEで使っていました。

冬はまだまだ先だけど

30代に入ってから全然歌っていない曲を救済する「39EXPRESS」。最後は何を歌うかというと、夏が終わってもうすぐ秋だというのに「真冬の観覧車」でした。

というのも、この曲は2001年のバースデーライブ以来歌っておらず、映像化作品がないことや、歌詞に「クリスマス」が入っており、バースデーライブでは歌いづらいという事情があり、何とかして歌う機会を作ろうとした結果でした。
最初は「そよ風に吹かれて」と予想する声が多数でした。

みのりんで例えると、河口湖でPRECIOUS ONEを歌うようなものです。

増員しました

TEAM YO-DAは通常8人で構成されていますが、今回に限って12人で構成されていました。
さらに、ご当地ネタでは「九十九里浜」や「千葉ロッテマリーンズ」がありました。

どこにそんなスタミナが?

当日は、隣接する幕張メッセ東京ゲームショウが開催されていました。例年、9月中旬~10月上旬に開催されています。

ところが、今年は奈々さんのライブとかぶってしまいました。そのため、海浜幕張駅が大混雑してしまい、葛西(今回の宿泊先)から会場に向かう際、西船橋武蔵野線に乗り換えず、総武線に乗り換えて幕張本郷を経由した方がよいということになりました。何しろ、海浜幕張駅では精算機に長蛇の列ができており、ICOCAにたっぷりチャージしておかなければ痛い目に合うぐらいでした。

さらに、自身が出演しているゲームのイベントもあるということで、ライブの前に行ってサプライズを仕掛けてやろうか、と考えていたようですが、マネージャーに止められました。一体、どこにそんなスタミナがあるのでしょうか。
以前にイベントをはしごしたことがあって、本気で考えていたようです。そのうち、関西圏でのライブの際に、甲子園の阪神戦で始球式をしてから歌う、ということもありえない話ではないでしょう。

3連発大好き

奈々さんはよく「3連発」と言っています。最初の激アツ曲3連発に、後半の”シンフォギア”3連発と、「3連発」を連発しています。

おそらく、奈々さんのことなので、1985年の甲子園でクリーンアップ3連発を念頭に置いているでしょうか。ZOZOマリンスタジアムなのに…

ここで花火!?

奈々さんのライブで花火といえば、2012年から野外公演の恒例行事となっています。

最初は、7年前と同じく「星空 - 」か、甲子園と同じく「恋想花火」だと思っていましたが、Astrogationだったので予想は大外れ、驚き以外の何者でもありませんでした。
昨年、熊本に行っていればまた違った感想を抱いたと思いますが、例年通り河口湖に足を運んでいたため、Astrogationの花火はどんなものか、思い浮かびませんでした。

全身が燃え上がる

以前にも話をしましたが、このライブは「ナネット急便」の配送車で聞いているラジオの番組で、スタジオは各地の会場という感じとなっています。最後ということで、ルノー・カングー*1から化けた超大型トレーラーが千葉までワープしてくるという演出がありました。

これに関連した演出として、AR(Augmented Reality、拡張現実)技術を用いて、奈々さんが炎をまとうという演出をしていました。ワンダーウーマンかキャプテンマーベルを思わせるような演出でした。
横浜で「3Dフライト」をやったり、千葉ではAR…次は何をしてくれるでしょうか。

そして、神戸で出てきた*2あのトラックですが、神戸ではキャブだけ顔を出したのに対して、千葉では全部出てきました。後ろの箱に青い炎を描いていました。

早めに発表

例年、ツアーの千秋楽では冬場の単発公演が発表されるのですが、今回は次のツアーの発表がありました。
来年は歌手活動20周年という節目なので、4か月半に渡る史上最長のツアーとなります。

3月28日 愛媛県武道館
4月11日 宇都宮市文化会館
4月12日 郡山市民文化センター
4月26日 山梨県立県民文化ホール
5月2・3日 福岡サンパレス
5月9日 金沢歌劇座
5月10日 富山市芸術文化ホール
5月16・17日 ぴあアリーナMM(横浜)
5月30・31日 ゼビオアリーナ仙台
6月21日 山形県総合文化芸術館
6月27日 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ広島県
7月11・12日 大阪城ホール
8月16日 ナゴヤドーム

なんと、千秋楽はナゴヤドームです。1ヶ月開いていますが、これは東京オリンピックの期間中はライブをしないという方針のためです。

以前から、東海地方のファンの間で「ナゴヤドームでやってほしい」という声がありましたが、ようやく実現します。そして、2017年を除き毎年恒例の球場でのライブは、久々に関東以外でやります。

2009年 西武ドーム
2010年 西武ドーム
2011年 東京ドーム
2012年 千葉マリンスタジアム
2013年 西武ドーム
2014年 横浜スタジアム
2015年 西武ドーム
2016年 東京ドーム
2016年 阪神甲子園球場
2017年 (球場では開催せず)
2018年 西武ドーム
2019年 千葉マリンスタジアム
2020年 ナゴヤドーム

12球団の本拠地のうち、ナゴヤドームは6か所目で、半分制覇するということになります。

*1:某所で、NV200バネットと間違えた人がいた

*2:会場の都合上、京都では出てこなかった

アニソン秋祭り in 神戸

musix.animax.co.jp

すっかり秋・冬の風物詩になった、Animelo Summer Liveと並ぶアニソンフェスの両巨頭、「ANIMAX MUSIX」。今年も開催概要が発表されました。
例によって、東日本と西日本で開催されます。

西日本:2019年10月26・27日 ワールド記念ホール(神戸)
東日本:2019年11月23日 横浜アリーナ

東日本では11月23日に横浜アリーナで開催、というのが2011年以降固定されたパターンですが*1、西日本では年が明けてから大阪でやるのが恒例でした。最初の2年は2月開催で、それ以降は1月、3月とバラツキがあります。

今年は、先に西日本で開催して、後からいつも通り横浜アリーナでやります。場所も大阪から神戸に移して、2013年以来6年ぶりの2日間開催となります。

今日現在までに発表済みの出演者は以下の通りです。

  • 黒:第1弾(7/19発表)
  • :第2弾(8/13発表・ここまで8/31に記述)
  • :第3弾(9/3発表・追記)

横浜

例年、東日本と西日本でどちらが濃いメンバーなのかという話になりますが、今年は西日本の方が濃いような気がします。

過去に、ANIMAX MUSIXには、みのりん大阪城ホールにやってきた2017年以降、みのりんが出たときには必ず行っています。なので、2017年には横浜へ足を伸ばしました。
今年は、みのりんが神戸で7年ぶりに、しかもワールド記念ホールで歌うとのことで、2日間ともにチケットを購入しています。

歴代の会場

西日本

*1:例外として、2013年は11月23・24日の2日間開催、2014年は11月22日に、2015年は11月21日に開催

*2:初期は春と秋の年2回開催だった

Minori Chihara 11th SUMMER LIVE "SUMMER CHAMPION"

令和元年、茅原実里と、仲間たちと過ごす夏

やっぱり、夏は河口湖で過ごすのが一番です。平成も、令和も、みのりんと過ごす河口湖の夏は最高です。

セットリスト

1日目 2日目
1 美歌爛漫ノ宴ニテ Sunshine Flower
2 HYPER NEW WORLD
3 NEO FANTASIA
4
5 会いたかった空
6 言の葉
7 夏を忘れたら
8 この世界のモノでこの世界の者でない Celestial Diva
9 雨音のベール 一等星
10 Contact 13th Happy Kaleidoscope
11 憧れは流星のように Say you?
12 アイアイ愛してるよ
13 君がくれたあの日
14 蒼い孤島
15 Final Moratorium
16 Paradise Lost
17 Sunshine Flower Freedom Dreamer
18 エイミー
19 アイノウタ
20 Freedom Dreamer 美歌爛漫ノ宴ニテ

ご縁があるからこそ…

最初は、京都アニメーション第1スタジオ放火殺人事件の件について触れていました。

みのりんは、「涼宮ハルヒの憂鬱」を皮切りに数多くの京アニ作品に声優として出演しているほか、主題歌も一部の作品で歌っており、京アニとは浅からぬ縁があります。なので、この件について触れるのは当然といえば当然です。
あの日から3日間、みのりんも奈々さんと同じく、ブログを更新できなくなってしまいました。

2日とも、開演前に黙祷を捧げました。(奈々さんは初日のみ)

関係者のリクエストコーナー

昨年はファンからリクエストを募っていましたが、今年はCMBなど関係者に対してリクエストを募っていました。上の表では8~11曲目がこれに当たります。

その中でも、これだと思ったのは「Celestial Diva」です。「みのりん史上、最も美しい曲」と言えるこの曲は、5年前にグランキューブ大阪で聴いて以来で、河口湖では初めて聴きました。

激アツ曲4連発

終盤は、「君がくれたあの日」から激しい曲が4連発でした。奈々さんでもこんな激しい並びはありません。

最後はやっぱり「Paradise Lost」で、火炎放射器を使う演出はETERNAL BLAZEを思わせます。

被ったから…

今年は、富士急ハイランドRoseliaのライブも同日にありました。なので、富士急線が双方のファンで混雑しないよう、みのりん側が構成を変えて、帰宅時間帯が重ならないようにしていました。

例年、花火を見る際はみのりんは浴衣に着替えて出てきますが、今年はアンコールのときのままの格好で出てきました。また、一旦引っ込んで着替えるということもなく、生着替えがありましたが、後ろでsexyなメロディを流したりするので、「河口湖にストリップ劇場ができたか?」と思いました(^^;

終わってから河口湖駅に向かうと、Roselia勢もいました。また、宿屋にもみのりん勢とRoselia勢が両方いて、お互いのライブの話をしました。

そんなRoseliaとは、ANIMAX MUSIX 2019で同じステージに立つことになりました。2019年10月27日、ポートアイランドに、みのりんRoseliaがやってきます。みのりんが神戸で歌うのは、実に7年ぶりです。