2010年のアニメ・声優界

2010年もあと1日。今日はアニメ・声優の今年の動きを振り返ることにします。

やっぱり強い!『けいおん!!

2009年のヒット作として一躍有名になった『けいおん!』。今年は、その第2期として『けいおん!!』が放映されましたが、第1期の実績を踏まえてかTBS系列全国ネットで放映することになりました。

やはり人気は絶大で、初期のテーマ曲「GO!GO!MANIAC」「Listen!!」が1・2フィニッシュを果たすなど、アニメ業界のみならず音楽業界でも一目置かれる存在となりました。

で、滋賀県豊郷町に目をやれば、高校のモデルとなった豊郷小学校旧校舎には週末になると多数の観光客が訪れ、京都新聞中日新聞で大々的に取り上げられていました。また、近江鉄道でも記念切符を売り出しましたがすぐ完売。第2弾は「枚数制限なし。期間中なら必ず手に入ります」という記念切符としては異例の事態となりました。

そういえば、15話で唯がどこかで聞いたことのあるセリフを発していたような。「辛いです…」

けいおん!!』の対抗馬

2010年のアニメ業界の話題は『けいおん!!』が独占するのかというと、実はそうでもありませんでした。

4月3日深夜。大阪・毎日放送にて、ある1本の新作アニメが始まりました。『Angel Beats!』。死後の世界を舞台としたこのアニメ、実のところやたらと二番煎じが多いのですが、「Girls Dead Monster」はどう見ても『けいおん!!』の二番煎じ。なのですが、CDの売り上げも『けいおん!!』並みで、オリコン年間チャートでは「My Soul,Your Beats!」が「GO!GO!MANIAC」を越え、「Girls Dead Monster」は「放課後ティータイム」ですらなしえなかった全国ツアーをやってしまいました。つまり、音楽面では十分『けいおん!!』の対抗馬となったのでした。

ちなみに、最高視聴率は深夜アニメとしては極めて異例の4.9%(第6話・関西地区)。2010年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査員推薦作品。

声優ブームが止まらない!

ここ数年、「第4次声優ブーム」と言える状態で、人気声優をよくテレビで見かけ、声優の曲がオリコンチャートの上位に顔を出すことなどよくある話なのですが、今年はかなり過熱したようです。

その中心にあるのが、昨年声優として初めてNHK紅白歌合戦出場を果たした水樹奈々。年明けに出したシングル「PHANTOM MINDS」が、声優として初めてオリコン1位。そして、この曲を紅白で披露することになりました。ただ、最近は歌手として人気が出たせいかアニメの出演本数が減っており、「本業は声優と歌手のどっちなのか?」と悩んでしまうときがあります。もっとも、他にもそのような人はいますが。

ABCがやっちゃった

ABCテレビの看板アニメといえば、何といっても『プリキュア』シリーズ。その第7シーズンとして『ハートキャッチプリキュア!』がこの2月から始まりましたが、主役はなんと水樹奈々。ちょうど、紅白初出場を果たした後だったので、大いに話題となり、サンケイスポーツで大々的に取り上げられました。

紅白で「Alright!ハートキャッチプリキュア!」を披露します。

ABCラジオの某番組で、今年の紅白の話題が出た際、「水樹奈々といえば、ABCテレビでやっている“ハートキャッチプリキュア”で…」という話が出てきました。

2010年の「とある」シリーズ

2008年は『とある魔術の禁書目録』に始まり、2009年は『とある科学の超電磁砲』、そして今年は『とある魔術の禁書目録II』。今のところ全部見ています。

禁書目録II”で、インデックスちゃんの見せ場が増えて何より。

舞台のモデルではないかとされている立川市・多摩市では年が明けてから早速町おこしに活用するようです。

アニメで町おこし

2007年の代表作『らき☆すた』は、「アニメを地域資源として活用できる」という新たな可能性を示した作品でした。実際、地元には数千万円単位の経済効果をもたらし、鷲宮神社の初もうで客は埼玉県内トップクラスを記録し、3年連続で最高記録を更新しています。

今年は、滋賀県で同じような例が見られ、『けいおん!』に出てくる高校のモデルとなった豊郷小学校旧校舎を擁する豊郷町では、『けいおん!』ファンを対象とした町おこしで成功を収めており、また舞台のもうひとつのモデルとなった京都府では、国勢調査のイメージキャラクターとして『けいおん!』を起用し、京都市内の鉄道駅京都新聞に広告を掲載しました。

そして、2011年は「とある」シリーズの舞台となった立川市・多摩市でも動きがあるようです。

鎌池和馬さん原作の人気のライトノベル(若者向け娯楽小説)をアニメ化した「とある魔術の禁書目録(インデックス)」や、その外伝「とある科学の超電磁砲(レールガン)」に立川市や多摩市とよく似た風景が登場することにあやかった街おこし「とあるアニメの学園都市化計画」が始まった。アニメに描かれた場所を案内する「学園都市広域詳細地図」を1月15日から無料で配り、「聖地巡礼」と称して訪れるファンらをもてなす仕組みを考えていく。

 「とある」の舞台は、人口の約8割が学生で「学園都市」と呼ばれる東京西部の巨大都市という設定。市内を走るモノレールや歩行者用デッキ、レストランなど、立川駅多摩センター駅周辺とそっくりな風景が登場する。描かれた場所をネット上で紹介する人や訪れる人も多い。

 立川市や多摩市などの自治体や市民団体で構成する「多摩地域フィルムコミッション連絡会」は、モデルとなった場所を示した非売品の地図を2万部限定で作り、1月15、16両日に多摩センター駅近くのパルテノン多摩大階段下広場で、22、23、29日には立川市昭和記念公園花みどり文化センターで、1日2千部ずつ無料で配布する。時間はいずれも午前9時半〜11時。

 両市や経済団体、旅行会社などは「とあるアニメの連絡会」を結成。今後、携帯ストラップなどのグッズ販売や「聖地巡礼ツアー」なども行う予定で、「とある」を地域活性化や観光振興につなげたい考えだ。

(「朝日新聞」2010年12月31日)