梅小路公園・京都水族館・京都鉄道博物館へのアクセスは、京都駅からバスに乗るか、七条通を歩いていくという手段がありますが、主流は市バスです。京都駅から途中の停留所をすっ飛ばして梅小路公園まで直通する系統もあるほどで、京都鉄道博物館が開館するまでは「水族館シャトル」というのもありました(現在の急行103系統)。
ところが、京都鉄道博物館が開館して以降、ただでさえ水族館の客でパンクしているバスの混雑が著しくなったことや、京都駅からかなり離れていてアクセスが良くないこともあり、梅小路公園の近くに嵯峨野線(山陰本線)の新駅を設置することになりました。もともと、七条通と嵯峨野線の交差地点に新駅を作るという構想はありましたが、水族館や鉄道博物館が相次いで開館したことにより、アクセスの悪さを指摘された上にバスの混雑もひどいことから、設置に向けての動きが急速に進みました。
開業にあたって、京都市当局が駅名を一般に募集し、それをJR西日本に提出していました。
最も多かったのが、単なる「梅小路」で、次いで「梅小路公園」でした。七条通との交差地点に駅を作ることから、京都市内(洛中)ではよくあるパターンとして「七条梅小路」や「梅小路七条」というのもあったほか、梅小路公園の北側の地名から「朱雀」も入っていました。実際は、梅小路通も七条通も東西方向に走っており、千本通と七条通との交差地点なので「七条千本」または「千本七条」とすべきものですが、梅小路公園やかつての「梅小路蒸気機関車館」からの連想で、梅小路通にはかかっていないのにかかわらず「梅小路」が入る案が多数あげられていました。
アンケート結果を踏まえて、今日駅名が発表されましたが、「梅小路京都西」という、長くてわけのわからない駅名になってしまいました。一応、「京都西」も6位には入っていましたが、梅小路とくっつけてしまったためにややこしい駅名になってしまいました。
おそらく、正式な駅名は浸透せず、単に「梅小路」と呼ばれてしまう運命になるでしょう。
なお、「梅小路駅」自体は過去に存在しており、京都駅の西側にある貨物駅が2011年3月のダイヤ改正まで「梅小路」だったほか、西大路~丹波口の東海道本線貨物支線(山陰連絡線)*1の、東海道本線側の分岐点が2016年2月末に廃止されるまで「梅小路」でした*2。また、1994年に梅小路公園で全国都市緑化フェアが開催された際には「緑化フェア梅小路」なる臨時駅を設置して観客輸送にあたっていました。
単に「梅小路」としなかったのは、過去に貨物駅や貨物支線の分岐点として存在したために使いづらかったからでしょう。だからと言って、「京都鉄道博物館前」などとしてしまうと今度は京都水族館からクレームがつくので(逆もまたしかり)、「梅小路」の名前を入れるのが妥当でしょう。「梅小路公園」にしたほうがよかったのではないでしょうか。
余談ですが、2005年ごろには梅小路公園にサッカー場を建設し、紫光クラブ京都サンガFCのホームスタジアムにするという構想が出たことがありましたが、その際のアクセスとして緑化フェア梅小路駅を常設化の上復活させて用いるという案が出たこともありました。その後、亀岡にサッカー場を建設することに決まりましたが、その場所が亀岡駅の北側250mのところで、嵯峨野線で行くのが前提となります。
現状、嵐山の観光客でいっぱいになっているところに、水族館・鉄道博物館、さらにはサッカー観戦客まで入ると、嵯峨野線の輸送力は限界を超えてしまうでしょう。221系ではさばききれなくなると予想されるので、323系や和歌山地区の227系のような3ドア・ロングシートの電車が必要になるのではないかと思います。4ドアにしないのは、この梅小路京都西駅には嵯峨野線では初めてホームドアが設置されるためです。