恐怖の大和西大寺駅
この2枚の写真を見てください。
これは、大和西大寺駅のホームから京都・難波方を見た写真ですが、この2本の電車はほぼ同時に大和西大寺を出発しました。同時発車というのはよく見かけますが、大和西大寺といえば全国的にも有名な平面交差。もしポイントの操作を1箇所でも間違えれば大惨事につながりかねません。
京都行きと難波行きが同時に発車できるのは、京都行きが3番線、難波行きが4・5番線*1に入ったときで、その逆だとどちらかが先に出ないといけません。
下り(奈良・天理・橿原神宮前行き)では京都発と難波発が同時に入ることがありますが、出発する際は1番線が橿原神宮前・天理行きで2番線が奈良行きというケースが多く、さらに1番線の方を先に出すことがあるため、2番線で長時間停車なんてほぼ当たり前です。
また、大和西大寺といえば平面交差のほかにも信号待ちや「開かずの踏切」あやめ池8号踏切で有名で、一例を挙げると難波から来た奈良行き電車が、京都行き電車を先に通すために停止信号*2に引っかかり踏切の手前で止まり、なかなか開かないなんてことはしょっちゅうあります。ひどいときは1時間閉まりっぱなしなんてことが普通にあります。
西大寺駅周辺の踏切には「立体化の早期実現を」とか「遮断時間を短くするよう近鉄は最大限努力せよ」という看板が立っています。ただ、立体化は駅周辺を見る限り無理です。全面運休して工事をしようとしても、伊勢志摩方面への特急などがあるため、バス代行はまずできません。
奈良・天理・橿原神宮前側では、西大寺検車区から出庫する電車、奈良線の上下線にはさまれた引き上げ線(この写真で3220系が止まっている線路)から出庫する電車、橿原神宮前・天理から来た電車、そして奈良から来た電車が同時入線こそ少ないものの輻輳しており、これも同じようにひとつ間違えば大惨事になります。
ちなみに1・2番線から難波・京都方面に出ることはできますが、奈良〜西大寺〜天理・橿原神宮前・伊勢志摩というルートでは走れません。以前は奈良発着の伊勢志摩行き特急や橿原神宮前発奈良行き急行がありましたが、特急は1972年、急行は1981年に廃止され、その後東側の配線が変更されたためできません。