これは「各駅停車」ではない

http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/090410-2.html

東横線に対する目黒線のように、田園都市線の混雑を緩和するために大井町線を改良し、二子玉川溝の口間を複々線化して溝の口まで乗り入れさせるプロジェクトがほぼ完成し、7月11日から乗り入れを開始します。

運転系統としては、一足先に運行を開始した急行と各駅停車の2本立てですが、この各駅停車は2種類あります。

複々線区間の中間にある高津・二子新地駅には外側にしかホームがありません。外側が田園都市線、内側が大井町線という形になり、大井町線の電車は基本的には二子玉川溝の口間ノンストップになるはずですが、昼間の各駅停車のうち半数と出入庫を兼ねて鷺沼発着で運行される各駅停車は複々線区間で外側を走り、この2駅にも停車します。

そうすると、ここで問題が発生します。高津・二子新地を通過する「各駅停車」と、高津・二子新地にも停車する「各駅停車」の両方が存在してしまうことになります。似たような例としては、南海本線の「普通車」と高野線の「各駅停車」(今宮戎・萩ノ茶屋に停車するかしないかという違いがある)*1のケースがありますが、「普通列車≠各駅停車」*2であり、普通車と各駅停車の言葉を使い分けて区別しています。

ところが、大井町線ではこの2つとも「各駅停車」として案内しています。一応、種別表示の色を変える(高津・二子新地通過:緑 高津・二子新地停車:青)ことで区別していますが、それでも知らないと混乱するでしょう。旅客案内上支障をきたすかどうかという以前に、「各駅停車」なのに通過駅がある時点で言葉として矛盾しているのです。高津・二子新地通過の各駅停車は「区間急行」*3か「準急」に変えた方がいいでしょう。

余談ですが、大井町線の電車に黒と緑の「二子玉川園」行きの行き先表示が入っていたのは、かつて二子玉川園駅の大井町線ホームが1・4番線(2番線:長津田・中央林間方面 3番線:渋谷・半蔵門線方面)だった時代に、田園都市線との乗り換えに不便をきたしたため色でどちらのホームに入るか表示していたためです(緑:1番線 黒:4番線)。

*1:1970年までは、南海本線にもこの2駅に停車する「各駅停車」、高野線にもこの2駅を通過する「普通車」が走っていた

*2:通過駅があっても普通列車として案内されるケースは多数あり、飯田線などで見られるが、便宜上「快速」とされる場合もある

*3:ただ、関東では「区間」の付く列車種別はあまりはやらない。あるとすれば小田急の「区間準急」か東武の「区間快速」「区間急行」「区間準急」、つくばエクスプレスの「区間快速