帰ってきた京阪ノンストップ特急

http://www.keihan.co.jp/news/data_h23/2011-10-03.pdf

京阪特急といえば、運行開始以来長らく京橋〜七条でノンストップでした。阪急京都本線でも特急は十三〜大宮(四条大宮)で、意外なようですが新快速も大阪駅を出ると京都駅までノンストップでした。

ただ、これが時として弊害をもたらすことがあります。特急は七条を出ると京橋までノンストップなので、その中間から利用する場合は急行・準急を利用するしかありませんでした。そのため、朝の大阪行き急行・準急は非常に混雑しており、特急は空いているという状態でした。そこで、その中間駅にも特急を停車させて急行・準急へ乗客が集中するのを抑えるという策に出ました。朝の大阪行き特急に限り、1993年に中書島、1997年に枚方市に停車するようになりました。ただし、8000系はラッシュ時の運用に向かないため、1997年のダイヤ改定に合わせて9000系を新造投入し、枚方市に停車する大阪行き特急とその折り返し便に集中投入されました。

その後、2000年に全ての特急が中書島丹波橋に、2003年には枚方市・樟葉にも停車するようになり、2000年時点での特急停車駅で運行するものは「K特急」として分離されました。実際は、朝の大阪行きK特急枚方市にも停車していました。2008年には京都行きK特急が「快速特急」になり、2011年に完全に消滅しました。

ただ、現在の停車駅では京都観光に向かないという声があったのか、この秋・冬の観光シーズン、11年ぶりに京橋〜七条ノンストップの特急が復活します。春にも運行します。当然ながら、使用する車両は8000系。

淀屋橋9時半・10時発の特急の6分後に出発し、出町柳には58分後に到着します。なお、現在の特急は京都行きで55分かかるので、「七条までノンストップなのに、枚方市・樟葉・中書島丹波橋に停車する定期便より遅い」のです。もっとも、七条までノンストップということでゆったり座って行けるという実質的な利点はあります。

似たようなことは阪急でもやっており、神戸・宝塚から嵐山への直通特急を運行しています。こちらは淡路を出ると桂までノンストップ。

京阪特急停車駅の変遷

斜体:朝の大阪行きのみ停車

初期の停車駅:天満橋・京橋・七条・四条・三条

1963年(淀屋橋延伸開業):淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・七条・四条・三条

1989年(鴨東線開業):淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・七条・四条・三条・出町柳

1993年:淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・中書島・七条・四条・三条・出町柳

1997年:淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・枚方市中書島・七条・四条・三条・出町柳

2000年:淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・枚方市中書島丹波橋・七条・四条・三条・出町柳

2003年:淀屋橋・北浜・天満橋・京橋・枚方市・樟葉・中書島丹波橋・七条・四条・三条・出町柳