25年ぶりに受賞!

京阪電車の最新モデル・2代目3000系が第49回鉄道友の会ローレル賞を受賞しました。京阪電車では6000系(1984年ローレル賞)以来25年ぶりに鉄道友の会から賞を受けることになりました。

京阪電気鉄道3000系は、「COMFORT SALOON」(コンフォート・サルーン)をキャッチフレーズとして、新たな京阪電気鉄道のイメージリーダーの役割を担うために、中之島線開業に合わせて登場した快速急行用車両です。明確なデザインコンセプトにより、車内外は従来車両と一線を画する新しいデザインとし、また、特急車に準じたゆったり感と質感を高めています。
車内外のデザインは、沿線の風土である「文化・風情」の香りに「現代的感覚」を融合させた「風流の今様」を基本コンセプトとしています。それを具現化するモチーフとして「月」を取り入れ、よりダイナミックに見せるために、トリミングされた円弧形を先頭部や車内設備など随所に展開しています。外部塗色には、中之島を中心とした水都・大阪や京都の伝統・格式をイメージさせる紺色(エレガントブルー)を採用して、「中之島へ行く優等列車」=「快速急行」を主張し、車内の配色においても濃紺を基調として、墨色木目調の扉、石畳調の床敷物などの採用によって、クラシックな高級感が溢れる雰囲気を醸し出しています。
1両につき片側3扉の車体でありながら、座席は扉間を2+1列(運転席後部は2+2列)の自動転換クロスシートとし、背ずりは従来よりも高くして質感を高めています。一方、車端部をロングシートとすることにより、快速急行として通勤・行楽輸送など様々なニーズに対応可能な座席配置としています。さらに、座席の表地には、柔らかい感触の高級スエード調マイクロファイバー素材を鉄道車両としては世界で初めて本格的に採用するなど、特急車に準じたゆったり感と質感を高めています。
標準工法や標準機器類の採用によってコスト削減を狙った車両が全国的に増加する傾向の中で、京阪電気鉄道3000系は、ブランド作りを意図する鉄道会社のイメージリーダーとしての役割を担い、明確な設計コンセプトを貫き、新しいデザインを築き上げ、車内設備が充実した魅力のある車両を実現しました。
以上のように、「明確なコンセプトに基づく車内外の新しいデザイン、客室設備の高機能化」 という特徴が、選考委員会において高く評価されたことから、ローレル賞に選定しました。

鉄道友の会の報道発表資料による 2009年6月15日発表)

一般車と特急の中間に位置するとなれば、一歩間違えると中途半端な存在として埋もれてしまいがちなのですが、決してそうならないようにできているのが2代目3000系のよいところで、「ELEGANT SALOON」8000系とともに京阪電車のイメージリーダーとして定着しています。8000系のリニューアルに当たっては、2代目3000系のイメージを参考にして行われるとのこと。たとえ追加料金が不要な列車であっても手を抜かないのが京阪電車

「COMFORT SALOON」「ELEGANT SALOON」は、料金不要でありながら小田急ロマンスカー近鉄特急のような存在ともいえます。

ちなみに、ブルーリボン賞小田急60000形「MSE」。30000形「EXE」*1以外の歴代のロマンスカー全車種が受賞しています。ただ、前作の50000形「VSE」と比べるとMSEは格が落ちるような…。

ほかのノミネート車両は、E331系は故障しっぱなしでダメ、東武50090系近鉄L/Cカー*2の二番煎じなので受賞は無理だと踏んでいました。西武30000系は受賞しそうだと思っていたのですが、京阪3000系と比べると決め手に欠けるのです。

もうひとつのローレル賞受賞車は豊橋鉄道の新型路面電車・T1000形。1067mmでは初の純国産超低床車であります。ちなみに、標準軌では広島電鉄5100形「Green Mover Max」が初の純国産超低床車。

いやー、最近はうれしいことばっかしやで、ほんまに。奈々ちゃんの声優史上初オリコン1位に、京阪3000系(2代目)のローレル賞受賞…。

*1:投票数こそ多かったものの、「該当なし」がそれ以上にあった

*2:L/Cカー」は5800系・5820系ともにローレル賞を受賞(5820系は「シリーズ21」として受賞)