鉄道業界に見る2009年

阪神なんば線開業

戦後すぐに構想が持ち上がり、着工されるところまでいったもののすぐに中止されてしまった阪神西大阪線近鉄難波(大阪難波)延伸事業ですが、40年間塩漬けにされたのち3月20日に開通しました。

最近の新線としては近年まれに見る盛況ぶりで、阪神梅田駅や大阪市営地下鉄の利用客をごっそり持って行ってしまったのでした。

また、大阪ドーム阪神電車で乗り換えなしで行くことができるようになり、阪神ファンがよく乗る(甲子園が使えない時期は大阪ドーム阪神戦をやる)路線としても知られています。

阪神近鉄の境界は大阪難波駅ですが、乗務員の交代は一つ手前の桜川で行います。なぜかというと、開業前に3本あった大阪難波駅の引き上げ線のうち、2本を桜川に移設した関係で近鉄の回送列車(特急や阪神乗り入れ非対応の一般車も含む)が頻繁に出入りするためであります。そのため、営業上は阪神の路線であるにもかかわらず、近鉄のATSが整備されているほか、指令業務も阪神ではなく近鉄の指令所で行っています。

キハ127デビュー

姫新線(姫路〜上月)高速化事業の一環として、JR西日本3番目の一般型ディーゼルカーキハ127系(キハ122キハ127)が投入されました。

キハ120・キハ121・キハ126はとんでもない仕上がりで、キハ120に至ってはあちこちから苦情が来るなどひどいものでしたが、キハ122キハ127は223系の設計思想を取り入れて高品質な車両に仕上がっています。

来春のダイヤ改正では、ついに高速化工事が完成し本領を発揮することになりました。

京阪3000系ローレル賞グッドデザイン賞受賞

中之島線の乗客数は低迷しているのですが、そんな中でも中之島線開業の目玉として投入された2代目3000系が、京阪電車では25年ぶりのローレル賞を受賞し、10月には京阪の車両として初めてグッドデザイン賞を受賞するという、京阪電車100年の歴史上初めてとなるV2に輝きました。

近年の鉄道車両としてはまれに見る好評ぶりで、京阪電車のエースナンバーといえる「3000系」を受け継ぐのにふさわしい車であります。

来年は、大阪天満橋〜京都五条が開通して100年という節目の年。それを前にしてダブル受賞。

485系雷鳥」、終焉へ…

かねてから、「雷鳥を廃止してサンダーバードに統一する」という話はあったのですが、なかなか動きがありませんでした。ところが、2008年の暮れに683系が再び登場。試運転をやったのちに翌年6月から運行を開始。当初は既存の681系・683系の運用を置き換える形で投入されましたが、10月にはついに「雷鳥」にまで手がつけられ、「雷鳥」は5往復、「サンダーバード」は18往復になりました。

来春のダイヤ改正では一気に数が減り、23往復中実に22往復が「サンダーバード」化します。

北陸本線では世代交代が進められており、普通列車でも来春のダイヤ改正で福井〜金沢に521系が投入されます。

E233系の勢いは止まらない!

E231系に代わる新世代車両として、中央線・京浜東北線東海道線に投入されたE233系ですが、2009年には常磐線各駅停車・千代田線にまで投入されました。そして、来年からは京葉線への投入が決まっており、すべてそろうと1900両を超えます。