新型ジェットカー

阪神電車の2009年度設備投資計画に「車両の代替新造(急行系車両6両・普通系車両4両)」とあります。急行系車両は1000系で決まりですが、普通系車両、いわゆる“ジェットカー”は…10年ぶりの新型?

ジェットカー”の最新モデルは1995年に登場した5500系ですが、急行系車両が8000系・9000系から9300系、1000系と進んでいったのに対して、ジェットカーは2000年に5517Fが投入されたのを最後に10年近く新形式が投入されていません。

また、第2世代ジェットカー最後の生き残りである5311形も制御装置を載せ替えている*1とはいえ、現存するジェットカーの中では最も古く、車体の老朽化が進行しています。それ以前に、ジェットカーはその高加減速性能ゆえに足回りの負担が大きく、初期のジェットカーは冷房化を兼ねて20年ほどで置き換えられたほどです。

ただ、5500系の基本設計は15年前のままなので、5519Fを新造投入するのは得策ではありません。新型を設計して投入するのでしょうか。

ちなみに、新型を設計するとなってもあの高加減速性能は残るでしょう。なぜかというと、阪神本線の各駅停車はジェットカーを使用することを前提にダイヤが組まれている*2ため、加速度は4.0〜4.5km/h/sでないといけないからです。

ジェットカーの世代

  • 第1世代:初代5001形・5101形・5151形・5201形*3・5231形
  • 第2世代:5261形・5311形
  • 第3世代:2代目5001形・5131形・5331形
  • 第4世代:5500系
  • 第5世代:次期普通系車両

ジェットカーと急行系車両では足回りの特性が全く異なり、ジェットカーが加減速性能重視なのに対して急行系車両は高速性能重視と分けられています。第3世代までのジェットカーは中・高速域での伸びが悪いことでも有名でした。5500系ではそのあたりが改善されています。

*1:当初は抵抗制御だったが、1980年に電機子チョッパの試験車として改造された

*2:逆に、阪神なんば線の各駅停車はそのような制限はなく、西大阪線時代から急行系車両も使っている。なお、現在はジェットカーは本線でのみ使用

*3:5201Fのみステンレス車体の試作車として登場した。いわゆる「ジェットシルバー」