次回のダイヤ改定は3月12日。今回は増やすところは増やしつつ、減らすところはきちっと減らす巧みな(皮肉たっぷり)ダイヤ設定にしてあります。
京王・京阪は「ダイヤ改定」、近鉄は「ダイヤ変更」というように、JRグループ(特にJR西日本・JR四国)も「ダイヤ改正」とは言わないほうがいいような気がします。
九州新幹線
ついに九州新幹線(鹿児島ルート)が全線開通。運行形態は以下の通り。
- みずほ:新大阪〜鹿児島中央の最速列車。東海道新幹線でいうところの「のぞみ」
- 停車駅:新神戸・岡山・広島・小倉・博多・熊本
- さくら:新大阪〜鹿児島中央の基本となる列車。東海道新幹線でいうところの「ひかり」
- つばめ:博多〜鹿児島中央間各駅停車
「みずほ」は朝夕の4往復のみで、「さくら」は毎時1本ずつ。
山陽新幹線
「ひかりレールスター」はまだ残りますが、4号車の「サイレンスカー」は取りやめ。
また、100系の終焉も近付いており、P編成(4両編成)は全廃、K編成(6両編成)も新大阪まで顔を出さなくなります(岡山まで)。その代わり、500系(V編成)・700系(E編成)が新たに「こだま」26本に投入されます。
金沢地区
前回のダイヤ改定では、5往復残っていた「雷鳥」が1往復にまで減らされましたが、このダイヤ改定でついに残る1往復も「サンダーバード」に統一され、47年間走り続けてきた「雷鳥」は廃止。
また、521系をさらに40両投入します。これで、敦賀に10両、金沢に60両という体制になります。単純に考えたら2両編成を20本入れる、ということになりますが、果たしてどうなることやら。
「雷鳥」の歴史
1964年10月改定で運行を開始、となるはずだったのですが、実際は481系の落成が間に合わなかったためクリスマスまで遅れてしまいました。「しらさぎ」も同様。当時はまだ湖西線が開通していなかったため、「雷鳥」も米原経由でした。この時点で、基本的な運行区間は大阪〜富山であり、これは現在の「サンダーバード」にも受け継がれています。
以前運行されていた新潟発着便は、もともとは「北越」として運行されていたのを、金沢〜新潟の便を残して「雷鳥」に編入したもので、2001年まで運行され、2009年まで「ふるさと雷鳥」として臨時で残っていました。
1975年3月改定では、前年に開通した湖西線経由に変更され、米原側ではその穴埋めとして「加越」が2003年まで運行されました(現在の「しらさぎ」50・60番台)。
一時期は583系が使用されていたことがあり、「雷鳥」のイラストマークは583系で初登場しました。
1985年には使用車両が485系に統一され、これで民営化を迎えるのですが、1989年には停車駅を減らし、湖西線と北陸トンネルを130km/hで走る「スーパー雷鳥」が運行を開始しました。これが「サンダーバード」の源流で、1995年に681系を投入した際、その列車を「スーパー雷鳥(サンダーバード)」*1として運行していました。当時の「サンダーバード」は車両愛称という位置づけで、485系を使用するものはただ単に「スーパー雷鳥」として運行していました。この時期は1往復が神戸駅発着で、朝早くに鷹取まで回送して神戸駅の1番線に入っていました。ちなみに、「サンダーバード」初期のCMには人形劇の方の「サンダーバード」(国際救助隊)が出ていたことがありました。
1997年には、「スーパー雷鳥」のうち681系を使用するものは「サンダーバード」として独立し、2001年には683系を投入し残りの「スーパー雷鳥」も「サンダーバード」に統一されてしばらく推移します。
2009年になって、683系が追加投入され、2010年3月時点で「雷鳥」は1往復にまで減少し、今度のダイヤ改定で「サンダーバード」に一本化されます。
京阪神地区
大阪駅のリニューアル(大阪ステーションシティ)に合わせて、阪和線・大和路線・JR宝塚線で大阪直通の快速を増発します。
阪和線では、紀州路快速を毎時1本増発しますが、その代わり日根野まで「3・3・6」(紀州路快速・阪和快速・各駅停車)のダイヤだったのが鳳まで「4・4・4」(紀州路快速・区間快速・各駅停車)になってしまい、日根野以北の各駅停車しか停車しない駅では減便。ただし、紀州路快速が日根野以南各駅停車(現在のB快速と同じ)になるため、日根野以南の普通列車しか停車しない駅では1本増えます。
大和路線では、大和路快速を毎時1本増発しますが、奈良行きと加茂行きを交互に運行。JR難波発着の快速も同様に増発しますが、王寺行きと高田行きを交互に運行。ただ、各駅停車は柏原行きと奈良行きが交互だったのを王寺行きに統一したため、一部駅では各駅停車が毎時1本増えます。
紀州路快速・大和路快速ともに、新たに大正に停車します。これまでは大阪ドームでイベントがある際に臨時停車していました。
JR宝塚線では、丹波路快速とは別に宝塚〜大阪の快速を毎時2本設定し、その代わりに東西線直通快速を塚口折り返しに変更。また、丹波路快速が8両編成化されます。
JR京都線・JR神戸線・琵琶湖線では、土曜・休日に姫路〜米原を走行するすべての新快速を12両編成化し、新たに南草津にも停車します。南草津に新快速を止めるとか、各駅停車を草津まで伸ばす(実際は1日数本ある)というのはここ数年で要望が上がっており、草津市当局・商工会議所・立命館大学・パナソニックが中心となって活動を行ってきたほか、現在の草津市長も公約に「南草津に新快速を停車させる」としていましたが、ついに実現します。
北近畿・山陰地区
発着駅 | Before | After |
---|---|---|
新大阪 | 北近畿タンゴエクスプローラー文殊 | こうのとり |
京都 | きのさき・たんば | きのさき |
京都 | はしだてタンゴディスカバリー | はしだて |
京都 | まいづるタンゴディスカバリー | まいづる |
おかげで、「城崎温泉に行かない“きのさき”」という変な列車が出てしまいます。287系はまず25両が揃えられ*2、6月までにすべてそろえられます。
また、「こうのとり」は新大阪で「さくら」「みずほ」との接続を考慮したダイヤとなっており、福知山からは新大阪で1回乗り換えるだけで九州へ行けます。