JR北海道の次世代通勤車

http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2009/100310-1.pdf

JR北海道の札幌近郊で使用される通勤車両は、国鉄から受け継いだ711系に始まり、高速・高密度運行に対応した721系、そして札幌近郊の増え続ける通勤需要に対応する731系があります。

鉄道ダイヤ情報に「735系を下松から五稜郭まで輸送」という記事がありましたが、その時点では735系というのはどんな車なのか、というのはわかりませんでした。五稜郭まで行くのでJR北海道の車両、2桁目が「3」なので通勤車両というのはわかりますが、それ以外は何もわかりませんでした。

今日JR北海道から正式発表がありましたが、実質的には731系の改良型といったところです。ただ、中身は異なり、車体はE721系ばりの低床ステップレス構造で、JR北海道初のアルミ合金製車体、0km/hまで効く回生ブレーキ(全電気ブレーキJR東日本JR西日本では広く採用されている)などが採用されています。

試作車として3両編成を2本投入し、冬場は性能試験、夏場は721系731系に混ざって営業運転に供されます。2011年まで試験を行い、その結果をもとに量産車が出てくるでしょうか。札沼線学園都市線)の電化に間に合うのか…?

JR北海道では、新形式の開発に当たっては試作車を作って冬に性能試験をする、ということになっています。キハ281は試作車が1992年に登場しましたが、量産車を投入して営業入りしたのは1994年でした。そもそも、北海道の鉄道車両は本州とは異なるスペシャルモデルであり、函館本線で北海道初の電車特急「いしかり」を運行する際に最初は485系1500番台を投入したのですが、485系はもともと北海道向けに設計されていなかったため故障が多発し、北海道専用設計の781系と入れ替わる形で本州に行った、という経緯があります。