2011年1月豪雪に見る運行管理

昨日からずっと寒く、北陸3県や滋賀県湖北地方など日本海側では数十cmどころか数mもの積雪があり、以下の路線は今日の始発から運休となりました。

山陰本線木次線は今日中に運行を再開しましたが、金沢支社管内の全線と北陸本線(長浜〜敦賀)・湖西線近江今津近江塩津)は除雪作業が追い付かず、最終列車まで運休してしまいました。午前中→18時まで→最終まで、と変わりました。

駅間で立ち往生させない

で、一番困るのが、運休になってしまった際に駅間で立ち往生してしまうことです。2000年の東海豪雨では、「雨はすぐにおさまるだろう」という甘い予測の元東海道新幹線をダイヤ通りに運行し続けた結果、駅間で多数の列車(東京〜米原で70本止まってしまった)が立ち往生してしまい5万人を缶詰にし(その中には甲子園へ向かう巨人の選手も含まれており、そのあおりで当日開催する予定だった阪神vs巨人の試合が中止になった)、22時間遅れという史上最悪記録を樹立してしまいました。

その苦い経験もあって、「駅間に列車を止めてはならない」というのが原則となり、もし運休せざるを得ない場合はとりあえず(通過駅であっても)最寄りの駅に止めるようにしています。

サンダーバード44号は福井で、しらさぎ15号は敦賀で止めることができたのでよかったのですが、トンネルの中で止まってしまったしらさぎ16号と今庄で止まってしまったサンダーバード37・40号はさぁ大変。どのようにして救援の手配をするのか。なお、しらさぎ16号は8時過ぎに敦賀へ到着し、名古屋まで行かず敦賀で打ち切り、とのこと。

また、京阪神地区でも影響があり、近江塩津敦賀行きの電車は湖西線経由のものは近江今津で、米原経由のものは長浜で折り返し運転していました。

運休になった場合の乗車券・特急券の扱い

当然ながら、運休になった場合はその特急の特急券は売りません。また、乗車券も不通区間のものは売りません。ただし、乗車券に関してはバスもしくは他社線での代行のめどがついた場合や迂回ルートがある場合は売ることがあります。

ただし、工事などで前もって決まっている場合を別にすれば、運休するのは突然決まる上、JRでは特急券は1か月前から売り出されます。なので、すでに購入した場合はどうなるのか、ということですが、以下のような扱いが定められています。

  • 乗る前に運休になった場合は乗車券・特急券ともに全額払い戻し
  • 乗ってから運休になった場合
    • 途中下車する場合は特急券は全額、乗車券は未使用区間の運賃のみ払い戻し
    • 後続の特急で最終目的地まで行ける場合で、実際にそうした時は乗車券は払い戻さない
    • 新大阪〜大阪、品川〜東京、大宮〜上野〜東京でのみ運休した場合は特急料金の差額のみ
    • 出発駅へ戻る場合は乗車券・特急券ともに全額払い戻し(いわゆる“無賃送還”)
  • 寝台列車の場合は翌朝6時までに一部区間もしくは全区間で運休になった場合

また、運行できたものの大幅に遅れてしまった場合は以下のようになります。

  • 2時間以上遅れた場合は特急料金全額払い戻し
    • ただし、すでに2時間以上遅れている場合は払い戻さないことを条件に半額で売ることがあり、この場合は払い戻しはしない(いわゆる“遅延特約”“遅延承知”)
    • 在来線特急の場合、新幹線に振り替えても2時間以上遅れる場合は払い戻される
    • 「2時間以上遅れたため無賃送還」という扱いもある
  • JRでは2時間以上だが、私鉄では各社で異なる