顔認識の謎

昨夜のナイトスクープのネタに「最近、新しいデジカメを買った。新しいデジカメには顔認識というものがある。しかし、これは人間の顔だけに反応するが、どのようになっているのか」というのがありました。

「こういうのはメーカーに聞け!」と突っ込みたくもなりましたが、依頼者と小枝さんが体を張って実験していたのには笑えました。ちなみに今回用意された(依頼者の持ち込みか?)のはおそらくCyber-shot Tシリーズ。わたしも見ながら手元にあるIXY DIGITALで確かめてみました。

笑顔認識の場合「歯」「口角」(「目つき」を忘れてないか?)というファクターがあるというのはなんとなくわかったのですが、顔認識の場合はどういうファクターがあるのかさっぱりわからず、ネタVTRになってしまった感があります。

しかし、顔認識というのはもともとセキュリティのために個人を特定する「生体認証」として開発された技術であるため、メーカーに聞いてもおいそれと答えてくれないというのは十分考えられます。実際、キヤノンペンタックスオリンパスは企業秘密にしているそうな。

ちなみに、某カメラ雑誌の編集部員曰く「顔認識の原理にはいくつかあるが、基本的にはあらかじめ集めておいた顔のデータベースと、画面に映っている顔らしき物体を照合し、顔のパーツの位置関係を確かめ、顔かどうか判定していると考えられる」そうな。ちなみに、ホワイトボードに描いた絵でもうまく描ければ認識できるほか、生身の人間でもパンストをかぶっていると認識できないようです。

ちなみに原理を公開しているメーカーもあり、ソニーによると「人間の顔のパーツ・輪郭・肌の色で認識する」、富士フイルムでは「顔を判断するための辞書データを持っており、そのデータと照合して顔を認識する」とのこと。

「画面に映っている顔らしきものを見つけ出し、その顔らしきものと顔のデータベースを照合し顔かどうか判定する」という処理を一瞬でやらないといけないため、高速・高性能な画像処理エンジンができていなかった*1時代にはこのような機能は実現できず、キヤノンのデジカメでおなじみ「映像エンジン DIGIC」が「III」に進化するまでつきませんでした。

*1:その昔は汎用のCPUを使っていたが、最近のものはほぼすべてデジカメ専用に設計されている