観光資源として活用@立川
立川が秋葉原に続く新たな「アニメの聖地」になりつつある。アニメ作品にJR立川駅周辺に似た背景が度々登場し、「聖地巡礼」と称して多くのファンが訪れ、インターネットのブログを通して広まった。新宿以西の中央線ですでに最大の乗客数を誇る立川駅。さらなる集客につなげようと、地元の商工会議所もアニメをテーマとした街巡りを企画している。
アニメ作品は、「とある魔術の禁書目録」とその外伝の「とある科学の超電磁砲」。原作の小説は、累計発行部数が900万部を突破、東京西部の架空の学園都市を舞台に、超能力を持つ中学生や高校生が活躍する。街を駆け抜けるモノレール、駅前のペデストリアンデッキなど、随所に登場する背景が、立川駅や多摩センター駅周辺にそっくりだ。
2008年の放映開始以来、ファンの間で立川駅が「聖地」と呼ばれるようになった。駅前の雑踏の中で、「巡礼者」は黙々と写真を撮り続ける。
「ここがあの舞台か」。板橋区の福祉施設職員の男性(30)は4月上旬、立川駅に降り立つと胸が高鳴った。
駅周辺を歩きながら頭の中に刻み込んだアニメの場面と、実際の風景をだぶらせながら、カメラのシャッターを切る。
「そこにアニメの主人公はいなくても、頭の中で想像して作品の世界に近づける快感がありますね」
自身のブログ「旅とラジオと萌(も)え研究」に、撮りためた写真10枚を載せ、成果を報告した。
1日のブログ閲覧者は50人ほど。記事への共感を示す「拍手」の数が増えていくのが喜びだという。
「立川行ってきました」「感動した」。ネット上には撮影スポットの地図までつけたブログであふれている。
10月から続編の「とある魔術の禁書目録2」の放映が始まり、「巡礼者」はさらに増えそうだ。
こうした盛り上がりを町おこしにつなげる動きも始まった。立川商工会議所は、フィギュア制作・販売の壽屋(ことぶきや)と協力して11月3日、立川とアニメのかかわりをテーマとした講演会やまち歩きを行う。
「アニメも立派な地域資源です」。会議所地域・産業振興課の芝田達矢課長は「壽屋をはじめ、アニメショップが立地するなど立川はもともとアニメとの親和性は高い。人を呼び込み、立川をより活性化させたい」と力を込める。(米沢信義)
(「朝日新聞」2010年10月1日)
近年、アニメを新たな観光資源として使うという試みが各地で見られ、代表的なものに『らき☆すた』『けいおん!』などがあります。その中でもパイオニア的なものが『らき☆すた』(埼玉県久喜市(旧鷲宮町)・春日部市・幸手市)で、その成功をきっかけに『けいおん!』(滋賀県豊郷町・京都府)などでも見られます。
東京駅から中央特快で40分ほど。東京都は立川。一度行ったことがありますが、『とある - 』シリーズの聖地として知られています。たとえば、学園都市を走っているモノレールは、多摩都市モノレールの色違い。また、立川駅周辺の風景が描かれています。
立川でも、他での成功例にならって『とある - 』シリーズを新たな観光資源として活用するつもりでいます。