寝屋川へ帰ってきたぜ!

2年ぶりに「ファミリーレールフェア」へ行ってきました。

3000系にラッピング

すっかり京阪電車の名物になった「きかんしゃトーマス」のラッピング電車ですが、“シティコミューター”に施工するのが通例となっており、ここ最近は本線用の7両編成・10000系・大津線に1編成ずつあります。

ところが、今年は本線を担当するのは新3000系(3006F)で、8両編成の車両に施工されたのはこれが初めてです。最近は樟葉以北での8両編成の運用が特急以外ほとんどないため、「きかんしゃトーマス」に限らずラッピングは7両編成の車両にやるようになりましたが、今回はどういうわけか8両編成の車両で、しかも特急に入れています。かつては全線を走破する急行が終日設定されており、6000系や9000系にやっていたこともありました。8000系も旧塗装時代に何度か行っています。

そして、京阪バスの昼行高速車両にも「きかんしゃトーマス」の装飾が付きました。「直Q京都」というのは、難波・交野・京田辺京都市内を結ぶ急行路線で、座席定員制なので必ず座って行けます。

車内のプレート

電車には必ず車内のどこかにメーカーと製造年、もしくは改造を施工した工場と施工した年を記したプレートが取り付けられています。

これは、7200系から使われているプレートで、バイクでおなじみの「Kawasaki」マークが付いています。最近はJR西日本ポートライナーでも見られますが、京阪向けは早くからこのデザインでした。

それ以前は「川崎重工」と書かれた茶色いプレート(7000系・8000系)*1や、上に「神戸」と書いてあったもの(6000系まで)もありました。

新3000系以降は、JR東日本で見られるシール式のものが採用されており、8000系のリニューアルでも切りかえられました。特に、8000系はダブルデッカー車以外は前述の「川崎重工」プレートを取り付けていたのですが、リニューアルの際に「Kawasaki」ロゴに切りかえられています。

2600系は、新造車以外は「京阪電鉄 寝屋川工場」というプレートが付いていますが、書類上は新造したことになっているものの実際は寝屋川工場で2000系の車体を活用し、機器を新造しているためです。大津線の600形・700形も車体を流用して錦織工場で改造したため(こちらも書類上は新造扱い)、同じように「京阪電鉄 錦織工場」のプレートが付いています。

2400系の製造途上で、川崎車輛・川崎航空機・川崎造船が合併し現在の川崎重工業となったため、2400系には「川崎車輛」と「川崎重工」のプレートが編成内で混在しています。

台車の構造

京阪といえば台車にうるさいことで有名で、さまざまな台車の構造を試行錯誤して実用化にこぎつけたものも多数ありました。

7000系・7200系の動力車についている「KW-77B」で、これは「軸梁式」です。軸箱から伸びた軸梁が台車枠に繋がっており、台車枠側が回転できるようになっており、軸ばねは軸箱の上にあります。軸梁に「Kawasaki」ロゴを刻印してあります。

6000系などで採用されている「FS-517」で、これは「S形ミンデン式」です。上下2枚の板ばねで軸箱の位置を定め、これも軸ばねは軸箱の上にあります。

京阪では伝統的にM車とT車で台車の構造を変えています。

新3000系・13000系の「FS-577」で、京阪初のモノリンク式です。軸梁式に似ていますが、軸箱側も回転できるようになっています。ちなみに、もう片側にリンクがあって両側から支持するものは開発したメーカーから「アルストムリンク式」といい、小田急で長年使用されていました。

6000系の「KW-50」で、「円筒案内式」です。上下方向の動作を、縦にした二重の円筒で案内するというもので、両側の軸ばねの内側に円筒が入っています。技術導入したメーカーによっては「シンドラー式」「シュリーレン式」ということもあります。

そしてこれが、円筒案内式台車の軸箱です。

車輪を削る理由


車輪は、走っていくうちに削れます。その上、悪天候などが原因でブレーキをかけると車輪がロックして傷が付くことがあるほか、カーブなどがあるため削れ方は一定ではありません。これを放置したまま走ると、異常な振動が発生して乗り心地を損ねる原因となります。そこで、一定の距離を走ったら入庫して車輪を削って形を整えるという作業を行います。これを「車輪転削」といい、専用の旋盤を用いて行います。

かつては台車をばらして行っていましたが、最近はばらさずに作業ができる旋盤が開発され、こちらが主流となっています。

京阪電車にイコちゃん?

最近、京阪電車で見かける広告ですが、京阪では2011年からICOCAの取扱を開始しました。京阪にはすでにe-kenet PiTaPaがありますが、クレジットカードなので非常に手続きが面倒だというデメリットがあり、JR西日本ICOCAを手に入れて私鉄・地下鉄・バスで使う人もたくさんいます。特に、京阪ではPiTaPaは定期券がないという欠点もありました。

そのため、京阪と近鉄ICOCAの併売に踏み切り、定期券もICOCAで出しています。

上から見た電車

4m上から見た電車はこんな感じです。6000系の2号車なので、屋根にはクーラーしかありません。

ちなみに、8000系の2階席がレールの上面から3m弱です。

電動発電機

車輛が消費する電力は、主電動機を回すのと、制御器や冷房などといった補助回路が消費する電力がありますが、電動発電機は補助回路向けの電力を供給する装置であります。どんなものかというと、モーターで発電機を回して発電するというものです。かつては大電力を扱える半導体素子がなかったため、このような形で直流同士での電圧変換や直流・交流の変換、交流の周波数変換を行っていました。交流電車であれば、補助電源は変圧器で電圧を落として供給し、必要に応じて整流するという手段が使えるのですが、直流電車だとそうはいかないので直流モーターで交流発電機を回して供給するしか手段がありませんでした。

しかし、このやり方では効率が悪いため、半導体素子の発達を待ってインバータに置き換えられ、現在の新造車で電動発電機を持つものは機器流用車でもない限りありません。

京阪では8000系まで電動発電機を搭載しており、2号車と8号車(6000系・8000系の場合)では常に電動発電機が回る音がしています。2400系の改修工事でインバータが採用され、7000系以降の新造車にも採用されています。

電動発電機からインバータまでの過渡期には「ブラシレスMG」というものがあり、これはインバータで交流を発生させ、同期電動機で交流発電機を回すというものですが、回転部分が多くメンテナンスに手間がかかるため、インバータだけで補助電源が供給できるようになるとすぐになくなりました。

一瞬でも電源の供給が断たれた場合、電動発電機の場合はフライホイールを付けておけばしばらくは回り続けるので補助電源が供給されます。

*1:ちなみに、JR西日本で近年見られるタイプは茶色いプレートに「Kawasaki」と書いてある