一体何が違うというのか

スマートフォンのオプションはいろいろありますが、もはや必須といえるケースや画面保護フィルムを除くと、定番は何と言ってもBluetoothのヘッドセットです。耳に付けておくと、電話を手に取ることなく通話ができます。音楽やネット動画・テレビの音声を楽しむこともできます*1

その中で、エレコムの「LBT-HSC20MPGD」という機種を購入しました。
以前使用していたものは3Gケータイの頃の製品で、現在の基準では音質が良いとは言えず、更に電池も持たないので、買い替えを検討していました。
たまたま、使用していなかったヘッドセットがありましたが、通話専用で音楽・ネット動画・テレビには対応していなかったうえに、耳に合わないため、結局買い替えることにしました。

携帯電話が3Gから4Gに世代交代を果たし、音声通話も4Gのネットワーク上で行えるようになり*2、これを機に音質を向上させる技術が多数導入されました。
そのうちの一つが、音声の帯域を広げた「HD Voice」で、従来は300~3300Hzの音声に対応していたのが、HD Voiceでは50~7000Hzの音声に対応してしており、帯域が広がってクリアな音質になりました。ところが、従来のBluetoothヘッドセットはHD Voiceに対応しておらず、帯域が3G時代のままで、せっかくVoLTE(HD Voice)対応の携帯電話を買ったのに、ヘッドセットを使うと音質が悪くなる、ということがありました。
他に、余計な音を取り除いて相手に聞こえないようにする「Qualcomm cVc(Clear Voice Capture)」も装備しています。
ヘッドセットを交換することで、大幅に音質が改善され、耳に合わないという悩みも解消しました。

ところが、購入にあたってエレコムのカタログを見ると、どう見ても同じもののはずなのに型番が違うものがありました。これが一例で、エレコムBluetoothヘッドセットにはこのようなケースが多数見られます。

型番をよく見ると、「LBT-HSC20MPBK」と、「LBT-HSC20PCBK」となっています。BKは、エレコム製品の型番では最後の2文字で色を表すというルールがあり、ここでは「ブラック」を表します。

型番の違いについて、エレコムに問い合わせが実際にあったようで、これによると、販路の違いで分けているようです。MPが携帯電話売り場で、PCがパソコン周辺機器売り場で手に入ります。他に「AV」もあり、AV機器売り場にあります。
うちの近所のケーズデンキでは、「あんしんパスポート」を提示すると携帯電話用品が10%OFF(通常は5%OFF)になるというサービスをやっていますが*3、MP型番のもののみ対象となっています。

実際の製品は、スペックには違いがなく、パッケージを変えて(MPは赤、PCは青)別の売り場に並べているだけのように見えますが、カラーバリエーションはMPの方が豊富という違いもあります。パソコンよりスマートフォンで使用することが多く、ユーザー層が広いことの表れでしょう。
例えば「LBT-HS20M」系の場合、パソコン向け(LBT-HS20MPC)の場合は黒(BK)と赤(RD)の2色ですが、スマートフォン向け(LBT-HS20MMP)の場合は黒・赤に加えて青(BU)・金(GD)・白(WH)の5色があります。パソコン向けは黒だけ、というケースがほとんどです。
また、マニュアルや本体に記される型番は「MP」や「PC」、色の記号は省略され、単に「LBT-HSC20」などという風になっています。

現行商品のカラーバリエーション

LBT-HPS**系、LBT-HS50WP系、LBT-HS60系はMP・PC共にブラック(BK)のみ

機種 スマートフォン向け(MP) パソコン向け(PC)
LBT-HSC10系
(ベーシック)
ブラック(BK)
ブルー(BU)
レッド(RD)
ホワイト(WH)
ブラック(BK)
LBT-HSC20系
(HD Voice対応)
ブラック(BK)
ブルー(BU)
レッド(RD)
ゴールド(GD)
シルバー(SV)
ブラック(BK)
LBT-HSC30系
(超小型)
ブラック(BK)
レッド(RD)
ゴールド(GD)
ホワイト(WH)
ブラック(BK)
LBT-HS10系
(通話専用)
ブラック(BK)
レッド(RD)
ホワイト(WH)
ブラック(BK)
LBT-HS20M系
(HD Voice対応)
ブラック(BK)
ブルー(BU)
レッド(RD)
ゴールド(GD)
ホワイト(WH)
ブラック(BK)

*1:安価な機種では、通話専用のものもある

*2:2G・3Gではデータ通信用のパケット通信網と、音声通話用の回線交換通信網があったが、4Gにはパケット通信網しかない。そのため、初期の4G携帯電話は3Gの回線交換通信網に切り替えて音声通話を行うようになっていたが、後に音声データを4Gのパケット通信網に乗せてやりとりする「VoLTE」が導入され、現在の4G携帯電話はこちらが主流となっている

*3:以前は、携帯電話と同時に購入すると20%OFFになったこともある