あんなに一緒だったのに

 アニメソング界で絶大な人気を誇る女性3人組ボーカルユニット「Kalafina(カラフィナ)」が、今春にも3人体制での活動に終止符を打つことが12日、スポーツ報知の取材で分かった。同じ所属事務所の音楽プロデューサーで、08年のデビュー以来、全楽曲を手掛けてきた梶浦由記氏が先月20日に退社したことを巡って、メンバー間に亀裂が生じたとみられる。

 昨年12月に一部で梶浦氏の退社が報じられて以降、事務所に残留するか退社するかで、メンバーに動揺が広がっていた。全幅の信頼を寄せてきた梶浦氏を欠き、これまで通りの楽曲制作は不可能に。梶浦氏不在のままのユニット存続に疑念を抱くメンバーが今月末での脱退を決め、分裂することになった。

 関係者によると、今後の3人でのCDリリース、ライブの予定は白紙の状態。また、10年からレギュラー出演するbayfmKalafina倶楽部」(火曜・深夜0時)が今月で終了する。今後、残留メンバーだけでユニットを存続させ、他アーティストとの共演などを模索していくという。

 高音のWakana、低音のKeiko、中音のHikaruが織りなす独特のハーモニーが魅力のKalafina。09年からNHK歴史秘話ヒストリア」の主題歌を歌うほか、数々のアニメでテーマ曲を担当して人気に。今年1月23日に日本武道館でデビュー10周年ライブを行い、新たなスタートを切ったばかりだった。

 11日に都内で出演した音楽イベントが3人で行う最後のライブになった。普段と変わらぬ抜群のハーモニーを聴かせた一方、最後に感極まって涙を流すメンバーもいた。3人は30日に都内でドキュメント映画の初日舞台あいさつに立つ予定で、発言が注目される。


 ◆Kalafina(カラフィナ) Wakana、Keiko、Hikaru(いずれも年齢非公表)の3人組ボーカルユニット。2008年1月、劇場版アニメ「空の境界」の主題歌「oblivious」でデビュー。NHK歴史秘話ヒストリア」の主題歌「storia」、人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のテーマ曲「magia」などを担当。中国、台湾などで単独公演を行い、北米や欧州で多数の音楽イベントに出演し、海外でも高い人気を誇る。

(「スポーツ報知」2018年3月13日)

先日の「Songful Days」で初めて耳にして、その美しすぎるハーモニーにすっかり魅了されたのですが、残念ながら3人そろった姿を見るのはこれが最初で最後になりそうです。

昨年末に、梶浦さんが事務所を退社するというニュースが飛び込んできて、梶浦さんのおかげで成り立っていたKalafinaにも影響が出ることは避けられないという風になりました。実際、1月の10周年記念武道館公演以降はスケジュールが白紙(のちにSongful Daysに出演決定)になっていました。
その時のスポニチの記事がこちらです。

 アニメ界でカリスマ的人気を誇る音楽コンポーザーの梶浦由記氏=年齢非公表=が来年2月に芸能事務所「スペースクラフト」を退社することが22日分かった。女性幹部との確執などが原因とみられる。梶浦氏がプロデュースした音楽ユニット「Kalafina(カラフィナ)」も来年1月の公演以降のスケジュールがほぼ白紙状態。20億円以上を稼ぎ出すとみられる2組が「離脱」と「活動休止」となれば事務所にも甚大な影響を及ぼすことになる。

 年末にかけてローラ(27)や西内まりや(23)ら有名タレントと所属事務所とのトラブルが相次ぐ中、芸能界が新たな収益先として注目するアニメ界を揺るがす独立劇が起きた。

 梶浦氏は「魔法少女まどか☆マギカ」などの人気アニメを中心に活躍する劇伴奏の第一人者。NHK朝の連続テレビ小説花子とアン」などの音楽も担当しており、ここ数年で手掛けたCDの総売り上げは200万枚を超える。複数の関係者によると、来年2月に退社し、今後はフリーで活動するとみられる。楽曲に関する権利については弁護士を通じて事務所側と話し合いを続けているという。

 音楽関係者によると、昨年9月に開催したカラフィナの武道館公演までは梶浦氏を育てた音楽プロデューサーA氏が現場を担当していたが、女性幹部に交代。音楽の方向性の違いなどで、梶浦氏と女性幹部の間でトラブルになっていたという。今年6月にA氏が事務所を退社したこともあり、音楽スタッフの1人は「梶浦さんは女性幹部との折り合いがよくなかった上に、芸能界に引っ張ってくれた恩人がいなくなったことで退社を決意したようです」と話した。

 梶浦氏がプロデュースし、NHK歴史秘話ヒストリア」の主題歌などを歌うカラフィナも来年1月23日の結成10周年を記念した日本武道館公演以降のスケジュールがほとんど白紙状態となっている。来春の映画公開や楽曲のリリース予定はあるものの、梶浦氏が離れることから活動休止も検討しているという。事務所側はスポニチ本紙の取材に「そんな事実はありません。ただ3月以降の契約については把握していません」と説明した。

 音楽関係者は「カラフィナで年間の売り上げは10億円は下らない。梶浦さんも実は隠れ長者。劇伴奏が多いのでカラフィナ以上に稼いでいる。あとは権利に関しての契約がどうなるか」と指摘した。神田うの(42)、栗山千明(33)らが所属する老舗事務所にとっても大幅な売り上げダウンとなれば、経営の根幹を揺るがしかねない可能性がある。


 ◆梶浦 由記(かじうら・ゆき)年齢非公表。1993年にユニット「See-Saw」のキーボードとしてデビュー。ユニットの活動休止以降は作詞・作曲を中心に活動し、ソロプロジェクト「Fiction Junction」として、ボーカリストを招いて楽曲をリリース。テレビアニメ「ソードアート・オンライン」、NHK連続テレビ小説花子とアン」など、多くの作品でサウンドトラックを手掛けた。

 アニメ界でカリスマ的人気を誇る音楽コンポーザーの梶浦由記氏=年齢非公表=が来年2月に芸能事務所「スペースクラフト」を退社することが22日分かった。女性幹部との確執などが原因とみられる。梶浦氏がプロデュースした音楽ユニット「Kalafina(カラフィナ)」も来年1月の公演以降のスケジュールがほぼ白紙状態となっている。

 カラフィナはこの日、都内でクリスマスライブを開催し、3月30日に初のドキュメンタリー映画を公開することを発表した。メンバーのKeiko(年齢非公表)は「私たちが歌ってきた音楽が見えるものになっている」と自信。Hikaru(年齢非公表)は「可能な限り音楽を通じてファンの皆さんと会話をしたいなと思います」と話していた。


 ◆Kalafina 08年にアニメ映画「空の境界(からのきょうかい)」の主題歌「obluvious」でデビュー。高音をWakana、中音をHikaru、低音をKeikoと、異なる音域を担当する3人によるハーモニーが特徴。アニメソングを中心に活動し、代表曲に「魔法少女まどか☆マギカ」エンディングテーマの「Magia」、「アルスラーン戦記」エンディングテーマの「One Light」など。

(「スポーツニッポン」2017年12月23日)

この時は、梶浦さんの独立騒動にKalafinaも巻き込まれるのではないかと言われていたのですが、事務所・本人からは何もコメントがありませんでした。緘口令が敷かれているのか、それとも本当に何も知らないのか、外部の人間は何もわかりません。

そんな中で、1月23日に武道館公演が開催され、成功裏に終わりました。そして2月になって、梶浦さんから退社の報告がありました。

 アニメや映画のサウンドトラックなどを手掛ける音楽プロデューサー・梶浦由記氏が21日、所属事務所「スペースクラフト」を退社したことを自身のツイッターで報告した。関係者によると、20日付で退社した。

 梶浦氏は「わたくしこの度所属事務所より独立させて頂くこととなりました」と報告。「思えばスペースクラフトプロデュースさんには長らくお世話になりました……20年以上ですから。今は有難くも心躍るようなお仕事に多々携わらせて頂いておりますが、そうでない時期もございました。その間も支え続けて下さった事も含めて感謝の言葉しかありません」とした。

 今後については「長期間に渡って色々な事を学ばせて頂きましたが、ここらでそろそろ自分で頑張ってみようかなと。今後も勿論音楽のお仕事は続けて参りたいと思っております」と記した。

 女性3人組ボーカルユニット・Kalafina、歌手・春奈るな(26)らに楽曲を提供している梶浦氏。「今までお世話になった同事務所の歌い手さんたちや、Kalafinaについては……いる場所が変わってしまいますので今まで通りと言うわけには参りませんでしょうが、今後も微力ながら応援して参りたい気持ちに変わりはございません♪」とつづった。

 梶浦氏は、1993年に女性2人組ユニット「See-Saw」としてメジャーデビュー。人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」などアニメ音楽を数多く手掛けるカリスマ的存在で、14年にはNHK連続テレビ小説花子とアン」の音楽を担当した。

(「スポーツ報知」2018年2月21日)

さて、この中にある「いる場所が変わってしまいますので」というくだりをどのように受け取ればいいのでしょうか。もし、梶浦さんがKalafinaのプロデュースから離れるという意味だとすれば、それはユニット自体の存続の危機ということを意味します。その後、メンバー間で今後の活動に関して軋轢があったようで、「梶浦さん抜きでやっていけない」といったのが誰かはわかりませんが、今月いっぱいで脱退し、残ったメンバーだけでやっていくことも検討しているようです。

しかし、古くからのファンからは「3人そろっていなければKalafinaではない」「あのハーモニーを生み出せるのは梶浦さんがいてこそ」という声も聞かれます。となると、活動休止、最悪の場合解散も避けられないような気がします。

これは深読みしすぎだと思いますが、Songful Daysのラストでみのりんがポツリとつぶやいた「…終わっちゃった」も、また別の意味にとれるでしょう。「3人そろったKalafinaと共演するのは、これが最後ではないか」と、みのりんも薄々感づいていたのではないかと思います。特に、みのりん自身も2度にわたる独立騒動があっただけに、他人事とは思っていないような気がします。

この騒動は、2016年のSMAP解散騒動を思わせます。構図が全く同じです。