Songful Days -次元ヲ紡グ歌ノ記憶-
The Harmonic Elegance~美しき歌姫たちが贈るPremium Night
これまで、アニソンのフェスといえばANIMAX MUSIXなどといったにぎやかなものが主流で、出演者もアイドル寄りの人が大多数を占めていますが、これらのアニソンイベントとは一線を画し、歌をじっくり聞かせることに主眼を置いた「Songful Days」が、先日両国国技館で開催されました。これまでのアニソンイベントが「動」なら、Songful Daysは「静」という位置づけです。
「迷い込んだ森の奥で見つけた音楽会」というコンセプトのもと、ペンライトなどの光物は一切使わず、じっくり、座って聴く、「ライブ」ではなく「コンサート」というのがふさわしい空間を、堪能してきました。
セットリスト
C:茅原実里 K:Kalafina M:May'n Y:吉永真奈
- 君の知らない物語(Y)
- 渡月橋*1(Y)
- もしも君が願うのなら(M)
- Re:REMEMBER(M)
- 今日に恋色(M)
- ノーザンクロス(M)
- ダイアモンド クレバス(M)
- You(M)
- Shine A Light(M)
- サクラサクラ(Y)
- 会いたかった空(C)
- SELF PRODUCER(C)
- 向かい風に打たれながら(C)
- PRECIOUS ONE(C)
- 境界の彼方(C)
- Paradise Lost(C)
- Purest note~ あたたかい音(C)
- 琴線幻夜(Y)
- 樹海幻夢(Y)
- 百火撩乱(K)
- I have a dream(K)
- storia(K)
- 光の旋律(K)
- アレルヤ(K)
- 未来(K)
- ring your bell(K)
- 鳥の詩(C・K・M)
升席なんて珍しい
生田流箏曲演奏家・吉永真奈のオープニングアクトから始まったSongful Days。まず最初に歌うのは、マクロスFでブレイクを果たしたMay'n部長です。
近年は広く人気を得て曲も増えてきたということもあり、「テンポの速い曲をアコースティックアレンジしたらどうなるか」ということで「今日に恋色」を披露していました。その一方で、アレンジしなくてもそのままいける曲として、マクロスFから「ダイアモンド クレバス」もありました。
いつもと違う雰囲気なので、本人もさることながら観客のほうが固まってしまっていました。「アリーナ! イエー…いいんだよ、『イエー!』って言っても」…(^^;
アリーナ、スタンド、ここまではよくあるのですが、ここは両国国技館。ということで「升席」というのもありました。
今回は、それぞれ1つずつグッズを出してきていましたが、部長は「ヘッドフォン」を出してきました。よく見ると、部長の大好物として知られる「たい焼き」が描かれています。過去にはたい焼きを刺繍したスタジャンが出てきたこともありました。たい焼き器は出たことがあるかな?
どれぐらいイメージが固定化されているかというと、みのりんがブログでたい焼きの話題を出したときに、部長の名前が出てくるほどです。
みのりんとこでおなじみの山本陽介(陽ちゃん)が、今回は部長のバックについていました。
両国の遠い夜空に、部長の歌声がこだましました。(※May'n部長は名古屋の人なので中日ファン)
5年ぶりにやってきた
2番手はみのりんです。みのりんのステージは、昨年末の弦楽四重奏ライブの続きといった感じで、衣装もバックバンドも同じでした。巨漢として知られる向井航(本人いわく“日本最重量チェリスト”)も出てきていましたが、力士と比べるとまだ小さいとのことでした(^^; その重量ゆえ、以前のライブでリハーサル中に椅子を壊してしまったこともありましたが、今回は壊していません。
なお、向井さんにマイクを渡すと、1時間しゃべり倒してトークショーになってしまうため、今回はマイクは渡さないとのことでした。
そして、いつものムッシュ…ではなく、大先生もいました。
両国国技館でみのりんといえば、2013年のクリスマスライブですが、その時には衣装のベルトが切れるわ、穴に落ちるわ、ハプニング続きでした。もちろんMCではそのことにも触れられていましたが、知らない人が多い中でその話題を出していいのか、と思いました。ただし、今回は穴がないため、落ちる心配はありませんでした。
もう3月ですが、久々に「PRECIOUS ONE」が聞けて、さらにはParadise Lostも聞けて満足です。みのりんには、4つの「P」(Parade、Paradise Lost、PRECIOUS ONE、Purest note)があります。
美しきハーモニーに酔いしれる
最後はKalafinaです。もともとは『空の境界』のために結成されたユニットだったのですが、“まどかマギカ”や『Fate』シリーズなどで広く知られるようになりました。アニメ以外では、NHK総合「歴史秘話ヒストリア」のテーマ曲を担当していることでも知られており(もう名刺代わりといってもよい)、近年のアニソン歌手の中では異例なことに、中高年層からの支持も厚いようです。スタンドから升席を見渡すと、「升席に座っているのは、Kalafinaのファンかな?」と思いました。
以前から何曲か聞いており、美しすぎるハーモニーが売りだというのはすでに知っていました。以前、「MUSIC JAPAN」に出演したことがあり、そこで「森のくまさん」を歌って「壮大な“森のくまさん”」というキャプションがつけられていました。
今回初めて生で聞くのですが、やはり、壮大で美しいハーモニーに酔いしれました。神秘的な雰囲気さえも感じます。それでいて、親しみやすさもあります。不勉強を恥じなければならないと思いました。
そのイメージと今回のステージコンセプトから、企画段階でKalafinaを中心に据えて、部長とみのりんが脇を固めるのを念頭に置いていたのでは、と思いました。
そして最後は5人で、“国歌”として知られる「鳥の詩」でした。美しくまとめられており、終わってしまうのが惜しいぐらいでした。みのりんがぼそっと「終わっちゃった」と言っていた、ここに今回のコンサートのすべてが詰まっているような気がします。