最近、規制がゆるいはずのU局でも、だんだん規制がきつくなっています。
今年に入ってからは、「School Days」が京田辺の斧女の事件で最終回はテレビ大阪をはじめとしてすべての局で放送中止*1、「ひぐらしのなく頃に解」もそのあおりで東海テレビでは13話以降の放送は未定、テレビ埼玉では打ち切り、そして「こどものじかん」は別の事件ではあるもののテレビ埼玉・三重テレビで放送をキャンセル。
普通こういうケースは年に1回、2回あるかないかということから考えると、今年は異常だといえます。
これまでに局の自主規制をまともに受けたU局アニメをまとめてみると…
- 北へ。〜Diamond Dust Drops〜(2004年):テレビ埼玉にてセリフをカット
- Φなる・あぷろーち(2004年):サンテレビにてセリフをカット
- 地獄少女(第1期)(2005年):TOKYO MXでの第6話は、通常の放映時間は夕方だったがその回のみ深夜に放送された。なお、MBSでは通常の放映が深夜だったため特に問題はなかった。
- BLACK LAGOON(第1期)(2006年):KBC九州朝日放送にて、一部の話でセリフがカットされた。そのため、第2期はメ〜テレをはじめすべての局でセリフをカット。
- 桃華月憚(2007年):BS朝日のみ、25話の放送内容が不適切だとして放送を1週延期、翌週に修正を加えた上で26話とまとめて放映
- 魔法少女リリカルなのはStrikerS(2007年):テレビ和歌山にて、22話でセリフがカットされた。
- もえたん(2007年):テレビ大阪のみ変身シーンにぼかしが入れられた。
- こどものじかん(2007年):テレビ埼玉・三重テレビでは札幌市の小学校教師による売春事件のあおりで放送前に突然中止になった。さらにAT-Xでは視聴年齢制限をかけた上で放送する寸前までいったが、製作側に断られた。
- School Days(2007年):先述。なお、AT-Xでは深夜にのみ放送し、昼間の再放送枠では11話を放映した。
- ひぐらしのなく頃に解(2007年):「School Days」の件により、東海テレビは11話、テレビ埼玉は13話で打ち切り*2。KBS京都は12話*3の放映を一時中止こそしたものの、修正を加えた上で翌週より当初の予定より1週遅れで放映再開。
- CODE-E(2007年):TOKYO MXのみ、光の点滅が激しいシーンが続くために画面が暗くされた。ちなみに、メ〜テレ・ABCテレビではそのままだった。
- 美鳥の日々(2007年):TOKYO MXで放映する際、夕方の放送では不適切なシーンにぼかしを入れた。ちなみに、2004年当時は特に問題にはならなかった。
このように並べてみると、局の自主規制に引っかかった作品が2007年に集中しているのがわかります。これは最近になってU局の規制が厳しくなってきたことの裏返しであります。ただし、この中にはキー局系列局によるものもありますが。
そのうち、事件・事故によるものだけを抜き出すと、
- こどものじかん(2007年)
- School Days(2007年)
- ひぐらしのなく頃に解(2007年)
事件・事故の影響で放映がキャンセルされたものは、キー局系列放映のものはかなり前から多くの作品で見受けられますが、少なくともU局アニメでは2006年以前には存在しません。しかし、中には関連があるか疑わしいものもあります*4。
過剰な規制に走るのはかつてはテレビ東京のお家芸*5ともいえたのですが、最近はテレ東以外の在京キー局*6どころかU局まで過剰な規制に走ってしまい、これからアニメはどうなるのかという不安に駆られます。
ちなみに、民放五大ネットワークに属する系列局は、在京キー局よりは規制はゆるいようです*7。ただし、U局の規制がかなりきつくなりつつあることも考えると、もうCSのアニメ専門チャンネルしかあてがなくなります。
*2:ただし、東海テレビでは「担当部署にて検討中」と、放映再開の可能性があることをにおわせる記述があるが、あまり期待しないほうがよい
*4:ABCテレビの「ムーブ!」では、京田辺の一件と「ひぐらし」がさも関係があるかのような報道をしていた
*5:いわゆる「テレ東規制」とか「テレ東チェック」などというもの。自社製作だけではなく、テレビ大阪・テレビ愛知など系列局単独製作の作品にまで適用される。しかし基準がかなりいい加減で、担当プロデューサーによりコロコロ変わる
*6:テレ東以外では、フジテレビ・TBSはかなりきつい。逆に、日テレ・テレ朝はゆるく、またTBSでもBS-i限定作品やMBS・CBC製作作品はかなりゆるい